「ネコ」
アイルー
Felyne
獣人種
食雑目 アイルー科
全高約106.9cm~116.4cm
足裏のサイズ約9.9cm~13cm
・狩猟地
現大陸の殆どのフィールド。
・概要、外見的特徴
独自の文化と生活を持つ、獣人族と呼ばれる種族。
姿かたちは「猫」に似ており、腹部には同種の足跡の形をした模様がある。
毛並みの色や尻尾の形状は個体によって様々だが、黒い毛並みの個体はメラルーの通称で呼ばれる。
運動能力と知能に優れ、猫背ながらも二本足で直立歩行し、両手で器用に道具を操ることができる(人間顔負けの料理を熟すことすら可能)。
ただし、急ぐ場合は四足歩行で跳ねるように走る。
人間や竜人族と同じ言語を操る事が出来る発達した声帯と、喜怒哀楽のはっきりとした感情を表現でき、人間と同等のコミュニケーション能力を持つ。
語尾に「ニャ」と付ける独特の口調で話すことが多いが、人間社会に強く馴染んだアイルーはこの口癖を殆ど使わなくなることもある。
ほとんどの個体は二足歩行時の体高は1mを僅かに超える程度であるが、生活環境などの条件次第では人間の成人と同等以上の大きさにまで成長する個体も存在する。
・生態
大型モンスターが滅多に侵入してこないような狭いエリアなどに集落を築き、そこを拠点に仲間と様々な地域へ赴いては生活のための採取を行う。
彼らの集落には肉球や猫耳の意匠をもつ石像や祭壇のような建築物があり、彼らの文化や生活の一端が窺い知れる。
基本的には大人しく、争いは好まない性格だが、仲間意識は非常に強く、仲間を傷つけられると逆上し、唸り声を上げながら威嚇した後、武器を振り回して誰彼構わず襲いかかってくる。
手には木の枝と石、動物の骨で作られたと思しきピッケル様の杖を持っており、これを武器に殴りかかってくる。
また、どこからともなく小タル爆弾を取り出して投げつけてきたり、時には大タル爆弾を持って命懸けの特攻を仕掛けてくることさえある。
ちなみに、彼らには彼らなりの武具の流通ルートがあり、入手経路があるらしい。
また、彼らの使用する爆弾は雨天時でも使用が可能。
通貨らしき紙切れが流通しているらしいことは確認されているが、記されている文字は人が解読することは困難であり、野外のアイルーの社会と人間社会との積極的な交易関係はないことも手伝って、その社会構造には謎が多い。
しかし、好奇心旺盛な性質から、自分達以外の種族の文化とも積極的に交流を図ろうとする個体や集団も少なからずおり、人間の生活とも根深く関わってから久しいモンスターである。
人の社会で生きるアイルーの服装は彼らがどこでヒトの文化に触れたのか、何に憧れているのかを表している場合が多い。
穴掘りが非常に得意であり、ピンチになると両手で穴を掘って地中に潜って危機を逃れ、また長距離を移動する時は地中を移動してフィールドから離脱することもある。
逆に地中から飛び出してくることもあるなど、日常的に移動手段としても利用しているらしい。
非常に慎重な性格でもあるようで、外敵と戦闘を行う際にも常に離脱できる余力を残しており、離脱に失敗して逃げ遅れたり、命尽きるまで戦うようなことは絶対にない。
少なくともハンター達の間で、目の前で命を落とすアイルーやその亡骸を見たという情報は現状でも皆無である。
どんぐりが大好きで、アイルー達にとっては宝物である他、マタタビが大好物であり、その匂いを察知するとどこまでも追いかける。
ドングリ型のバッグにはアイルー七つ道具をはじめとして採取物や爆弾が入っており、人間からすれば殆どはガラクタにしか見えないが、彼らにとっては大切な品であるらしい。
また、火に強い興味関心を示し、火を見ると思わず踊り始めるという個体もいる。
知能こそ極めて高いものの、モンスターの中では小柄で非力な種族であるため、強大な大型モンスター相手には殆ど無力(ハンターとして経験を積んだアイルーであればその限りではない)。
それゆえ、肉食のモンスターに捕食されそうになる例も珍しくなく、集落の多くが大型モンスターの侵入が困難なエリアに築かれている一因にもなっているのだろう。
・食性
食雑目の分類名通り雑食性であり、野菜類から肉類まで幅広いものを食べる。多くの個体は魚が好物であるようで、彼らの集落の祭壇には魚が供えられていることも珍しくない。
・危険度
前述の通り大人しく、こちらから危害を加えなければ無害であることから、数あるモンスターの中でも危険性は最も低い部類である。
一般に戦いには不慣れな種族とされるが、爆弾を使用する事があるなど侮ることはできない。
・人間との関わり
より豊かな生活を求めて人間の町や村にやってくる個体も多く、モンスターでありながら町で商店を開いたり、農場やキッチンを管理したり、ハンターのオトモとして狩猟の補佐をしたり、時には自らがハンターとして狩場に赴いたり、力尽きたハンターを救助して応急処置を施し、キャンプまで運搬・撤退させるなど、職業をもって人間社会で働く個体も数多く、様々な面で活躍している。
なお、ほとんどは竜人族の仲介によりギルドの管轄下で働いている。
また、ハンターズギルドにアイルーからの依頼が届くこともあり、ギルドも通常の依頼と同様に扱っている。
アイルーはヒトの文化を理解する心を持ち、とりわけ料理へ高い感心を示す者が多く、多くの里村でキッチンを仕切るアイルーが見られる。
遥々東方や西方へ料理の修行へ出向く者もおり、その腕前は個人差こそあれど、その味は美味という報告の他にない。
キッチンで働くアイルーたちは通常、1~5匹ほどで調理を行う。
材料を切る者、炒める者、煮物担当など役割が決まっており、その手つきはなかなかに鮮やかだ。 しかし、同じキッチンアイルーでも、卓越した腕の持ち主もいれば、手元がおぼつかない新人もいる。 そこで熟練の料理人がリーダーとして場を取り仕切り、若手に技術を教えるなど、集団で仕事を行うシステムが確立されているようだ。
ただし、元来細かいことは気にしない性格であり、人間とは趣向が異なる部分もあるため、 食卓に変わった料理を載せることもしばしばあるのだとか。
なお、彼らの賃金は、ハンターが食事代として払うゼニーの中から、食材の代金を差し引いた額となっている。しかし彼らにとって賃金以上に大切なのが、主人であるハンターとの絆。 自由気ままに思われているアイルー族だが、仲間意識は非常に強い。
キッチンで料理を提供するだけでなく、ハンターに同行して狩りに出かけるアイルーもいる。 彼らは“オトモアイルー”と呼ばれ、狩猟や採集などの活動を手助けする、いわばハンター見習いである。
アイルーとハンターズギルドの間で協定が結ばれ、この制度が運用され始めたのはごく最近のこと。 協定を結んだ際には、ミナガルデの街を拠点とするアイルー族唯一のハンターが大きな役割を果たしたと言われる。
ギルドは彼の経験と助言を元に条文を作成し、今後もより良い形での協力関係を築いていきたいとしており、ギルドにはハンターの活動に魅せられたアイルーたちが次々と登録に訪れている。
オトモアイルーとひと口に言っても、その役割は様々。 堂々と大型のモンスターに挑む者もいれば、アイテムを使って主人をサポートする者もおり、ハンターと同じく個々の性格が立ち回りに大きく影響する。
なかには武器を手にしているものの、 モンスターは一切狩らず、 ハンターの回復や採集ばかりしている者も。 彼らに言わせると「ご主人を守るためにオトモをしているのニャ!」 とのことで、立場はハンター見習いだが、ハンターになりたいという思惑を持つ者ばかりではないというのが実態のようだ。
また、健康なアイルーならギルドに登録さえすればオトモアイルーになることができ、 審査などは特に存在しない。
そのため、料理人として限界を感じていた者がオトモアイルーに転向するなど、比較的気軽にこの職に就く者も多い。
アイルーは狩人と比べて体格で劣り、また技術や知識も乏しい中でモンスターの狩猟を行うことは大きな危険を伴うため、実際に一人前の狩人として生計を立てられるアイルーは極一握りしか存在しない。
そこで人間のハンターズギルドと提携し、各地のハンターと個人契約を結び、教育・指導を受けることで人材育成を図るのがオトモアイルー制度の目的である。
ハンターは各地でオトモアイルーを斡旋している仲介人を通じてオトモを契約・雇用する事が可能である。
ハンターは契約したオトモアイルーに住居やトレーニングスペースを貸し出し、またクエストに同伴させたりトレーニングの指示を出したりすることで狩猟の技能を指導する。
対価として、オトモアイルーはクエスト中に収集した素材を全てハンターに提供する義務がある。
なお、ギルドとの協定により、オトモアイルーは何度力尽きてもペナルティが発生しない。
オトモアイルーたちは、普段から真面目に鍛錬に励んでおり、主人の家のキッチンで訓練をこなすアイルーたちを見てみると、腹筋や腕立てなどで身体を鍛えるだけでなく、瞑想でのイメージトレーニングを取り入れるなど、精神力にも磨きをかけている様子が窺えた。
これらのメニュー内容は主人であるハンターが決めるそうで、地域によっては飛び道具の練習をさせたり、調合を教えたりと、アイルーたちのハンターとしての能力を探る試みが活発だという。
また、オトモアイルーたちが身に着けている武具は、都市部の武具屋で働くアイルーたちが善意で制作したもの。 オトモアイルーにとっては同胞の想いを乗せた大事な品で、手入れを欠かしたことはないという。
オトモアイルーは、自らの体躯に合った大きさの武器を携帯している。
全てアイルー自身で制作したもので、 使用している素材はハンターが採集してきた物や武具製作の際に出る端材であったり、アイルーが採取してきた物である。
マカライト鉱石をピッケル状に、ドスランポスのトサカを鎌状に加工していたり、ドングリや樽をハンマーのように加工はしているものの、 構造は簡素で、木材に素材を紐でくくりつけただけである。
しかし、その強度は非常に高く、 多少乱暴に扱っても崩れないため、武具工房の職人から密かに高い評価を得ているらしい。 その強度の秘密はアイルー族の秘密とされているため、いまだ明かされていない。
狩猟に伴うアイルーの仕事と言えば、モンスターの攻撃で気を失ってしまったハンターを即座に救い出し、キャンプへ届ける “荷車アイルー"が有名だ。
ギルドとの契約で、 ハンターが倒れた際には即座に対応する必要があるため、怒り狂った大型モンスターの目前に飛び出していかなければならないことも多いという。
1回につき、ハンターがクエスト報酬として契約しているゼニーの3分の1がアイルーたちのものになるため、危険なクエストほど支払いも高額となる。
しかし、賃金以上にスリル感が魅力で病みつきになり、この職に就いている変わったアイルーもいるらしい。
狩場で力尽きたハンターをキャンプまで護送するこの組織はネコタクと呼ばれ、その運転手であるアイルー達と救助活動の契約を結んでいるのはハンターズギルドである。
いかなる環境で力尽きようとも、アイルーたちしか知らない抜け道からハンターをキャンプまで護送してくれる。
アイルーの用いている武器の中には人間のハンターの武器として利用されるものもある他、アイルーそのものを象った武器も少なくない。中にはアイルーそのものを武器に収め、共同で狩りを行うという変わり種の武器も存在している。
・ソース
MH3G
MH4G
MHXX
MHR:S
復刻ハンター大全 pg.46.47.52.104.260
ハンター大全4 pg.18