寒くなってくるととても億劫な作業がある。
それは洗車だ。
寒風吹きすさぶ中車を洗うというのは本当に苦痛だが、その当の車はその寒さの中をさらに猛スピードで走り続けてボディに汚れを背負っているわけだから、やはりたまに洗ってやらないとフェアではないな、と思いながら重い腰を上げる。
しかし寒がりの私ひで氏、今回ばかりは外で冷水で洗うのがどうしても嫌だった。
しかし車は汚れているのでキレイにしたい。
そうだ、カーウォッシュに行こう。
小さい頃、カーウォッシュが好きだった。
あの巨大な機械に吸い込まれながら見る、迫りくるブラシ。あふれ出る洗剤に吹き付ける風。
かつて紹介したベランダ事件などのレジェンドがあった我が家ではカーウォッシュもまるで今で言うUSJのアトラクションに入っていくようなエンターテインメントだったのだ。
久々に訪れた近所のガソリンスタンドのカーウォッシュで思い出したそんな子供の頃の記憶から紐付いて、別の記憶がよみがえってきた。
そういえばアメリカに住んでいた頃もよくカーウォッシュに行ったなぁ。と。
アメリカのCar Washというのは日本のようにスタンドの片隅にあるのではなく、クルマ大国だけあってそれだけで店舗が成り立っている。いついってもある程度の台数の車が洗車をしているのだ。
プランもたくさんあり、詳細は忘れたが私ひで氏がいつも利用していたのは、スタンダードなコースで機械を出ると屈強な男が待ち構えており、高圧洗浄+拭き上げをやってくれるプランだ。
その屈強な男というのが非常に手際がよく、高圧洗浄をしたかと思えば両手にスポンジの手袋状になった拭き上げタオルを装着して両手を器用に動かしながら全身を上下左右に動かしながら、あっという間に1台のクルマを拭き上げてしまうのだ。
そんなCar Washである出来事があった。
いつものようにスタンダードなコースを選んだ私はクルマに乗ったまま機械洗浄へ。一通りの洗浄が終わった後、クルマをいつもの黒人のお兄さんが待ち構えているスペースにクルマを進めた。
今となっては何を言おうとしたのか覚えていないのだが、何かちょっとしたこと、たとえば「ホイールを念入りに頼んます」とかそういうことを言おうとしたのかもしれない。少し窓を開けてそのお兄さんに話しかけようとしたのだ。
向こうからすれば機械洗浄から出てきた車はただ単にこなすべき次のアイテムのようなものなので、まさか窓が開くとは思っていなかったのだ。なんの迷いも無く高圧洗浄のノズルをクルマに向けて発射した。
私ひで氏とすればちょうど窓を数センチあけて何か言おうとしたそのとき
ブシャアァァッ!!
と高圧洗浄のガンから放たれた鋭い水のビームが、奇跡的に私が開けた窓の隙間にピンポイントで入ってきたのだ。
ぶわわわ!と顔面に高圧洗浄を浴びて、声を上げてプチ暴れする私ひで氏を見て驚いたお兄さんは、オウ!と声を上げてびっくりして水を止めノズルを下ろした。
ものすごい水勢のシャワーを浴びて放心している私。ずぶぬれの車内。
日本ならここで
「す、すすみません!!大丈夫ですかッ!」
だと思う。間違いなく。
しかしここアメリカは違った。
お兄さんはしばしの沈黙を置いて、腹を抱えて笑い出したのだ。
ヒャーハッハッと。
「何で!?ジブン何でいま窓あけるん?」
という感じだ。
えーーー。。。笑ってるこの人。。。と一瞬思った私ひで氏も、
身をかがめて笑うこの人を見ているとだんだんおかしくなり
フ… フフフッ… はははは
と笑ってしまった。
これは日本ではありえないな、と思う半面、この方が人間らしくていいわ、とも思ったものだ。
実際この事件以来、毎回このお兄さんに当たると窓越しに妙なアイコンタクトが交わされるようになった。
そして向こうもわざとこちらに向かってノズルを向けて窓にブシャーと水をかけてきたり、
こちらも指を指して「やったなー」と笑顔を見せたり。
なんとも不思議な心の交流が続いた。
あるときから、このお兄さんと遭遇しなくなった。
勤務時間帯が変わったのか、辞めてしまったのか。
しかしあの出来事以降、お兄さんが居なくなるまでの間、
毎回洗車を終えた私ひで氏の当時の愛車、ASBのGoing Up to Ohioにも出てくる91年製フォルクスワーゲンの黒いJettaには、
洗車を終えた他のどの車よりも、少し多めの艶があったのは間違いない。
それは洗車だ。
寒風吹きすさぶ中車を洗うというのは本当に苦痛だが、その当の車はその寒さの中をさらに猛スピードで走り続けてボディに汚れを背負っているわけだから、やはりたまに洗ってやらないとフェアではないな、と思いながら重い腰を上げる。
しかし寒がりの私ひで氏、今回ばかりは外で冷水で洗うのがどうしても嫌だった。
しかし車は汚れているのでキレイにしたい。
そうだ、カーウォッシュに行こう。
小さい頃、カーウォッシュが好きだった。
あの巨大な機械に吸い込まれながら見る、迫りくるブラシ。あふれ出る洗剤に吹き付ける風。
かつて紹介したベランダ事件などのレジェンドがあった我が家ではカーウォッシュもまるで今で言うUSJのアトラクションに入っていくようなエンターテインメントだったのだ。
久々に訪れた近所のガソリンスタンドのカーウォッシュで思い出したそんな子供の頃の記憶から紐付いて、別の記憶がよみがえってきた。
そういえばアメリカに住んでいた頃もよくカーウォッシュに行ったなぁ。と。
アメリカのCar Washというのは日本のようにスタンドの片隅にあるのではなく、クルマ大国だけあってそれだけで店舗が成り立っている。いついってもある程度の台数の車が洗車をしているのだ。
プランもたくさんあり、詳細は忘れたが私ひで氏がいつも利用していたのは、スタンダードなコースで機械を出ると屈強な男が待ち構えており、高圧洗浄+拭き上げをやってくれるプランだ。
その屈強な男というのが非常に手際がよく、高圧洗浄をしたかと思えば両手にスポンジの手袋状になった拭き上げタオルを装着して両手を器用に動かしながら全身を上下左右に動かしながら、あっという間に1台のクルマを拭き上げてしまうのだ。
そんなCar Washである出来事があった。
いつものようにスタンダードなコースを選んだ私はクルマに乗ったまま機械洗浄へ。一通りの洗浄が終わった後、クルマをいつもの黒人のお兄さんが待ち構えているスペースにクルマを進めた。
今となっては何を言おうとしたのか覚えていないのだが、何かちょっとしたこと、たとえば「ホイールを念入りに頼んます」とかそういうことを言おうとしたのかもしれない。少し窓を開けてそのお兄さんに話しかけようとしたのだ。
向こうからすれば機械洗浄から出てきた車はただ単にこなすべき次のアイテムのようなものなので、まさか窓が開くとは思っていなかったのだ。なんの迷いも無く高圧洗浄のノズルをクルマに向けて発射した。
私ひで氏とすればちょうど窓を数センチあけて何か言おうとしたそのとき
ブシャアァァッ!!
と高圧洗浄のガンから放たれた鋭い水のビームが、奇跡的に私が開けた窓の隙間にピンポイントで入ってきたのだ。
ぶわわわ!と顔面に高圧洗浄を浴びて、声を上げてプチ暴れする私ひで氏を見て驚いたお兄さんは、オウ!と声を上げてびっくりして水を止めノズルを下ろした。
ものすごい水勢のシャワーを浴びて放心している私。ずぶぬれの車内。
日本ならここで
「す、すすみません!!大丈夫ですかッ!」
だと思う。間違いなく。
しかしここアメリカは違った。
お兄さんはしばしの沈黙を置いて、腹を抱えて笑い出したのだ。
ヒャーハッハッと。
「何で!?ジブン何でいま窓あけるん?」
という感じだ。
えーーー。。。笑ってるこの人。。。と一瞬思った私ひで氏も、
身をかがめて笑うこの人を見ているとだんだんおかしくなり
フ… フフフッ… はははは
と笑ってしまった。
これは日本ではありえないな、と思う半面、この方が人間らしくていいわ、とも思ったものだ。
実際この事件以来、毎回このお兄さんに当たると窓越しに妙なアイコンタクトが交わされるようになった。
そして向こうもわざとこちらに向かってノズルを向けて窓にブシャーと水をかけてきたり、
こちらも指を指して「やったなー」と笑顔を見せたり。
なんとも不思議な心の交流が続いた。
あるときから、このお兄さんと遭遇しなくなった。
勤務時間帯が変わったのか、辞めてしまったのか。
しかしあの出来事以降、お兄さんが居なくなるまでの間、
毎回洗車を終えた私ひで氏の当時の愛車、ASBのGoing Up to Ohioにも出てくる91年製フォルクスワーゲンの黒いJettaには、
洗車を終えた他のどの車よりも、少し多めの艶があったのは間違いない。
普通なら、怒ったり涙ぐんでしまいそうな状況を
笑いと優しさに変えるヒデ氏!流石です
ベランダ事件に改めてホロリ
相変わらず状況を想像しちゃうイラストですね‼
新旧ブログ両方楽しんでいただきありがとうございます!
今年は少し多めに書きたい!イラストブログ
>なおとさん
アメリカでの車にまつわるトラブルは山ほどあって書き切れないです笑。また描きますね!いつもありがとうございます!