「ハムカツ」という昭和レトロなタベモノがある。
プレスハムにパン粉をまぶして揚げたもので、まだ肉の貴重な時代、
魚肉ソーセージなどとともに庶民のお腹を満たしたオカズ兼おつまみ。
熱々だったらまあ食べれるけど、別にすんごく美味しいもんでもない。
そのハムカツのいとこみたいなのに、この国で出遭ったのは昔の話だ。
ハムチーズカツ。冷食コーナーに必ずある。いかにもダメメシ。
そのくせに「聖ヤコブ」などと仰々しい名前がついてる。聖人に失礼や!
ホームステイ先の夕食で飽き飽きするほど出てくる、やっすい簡単メニューだ。
「いやいや、アレは廉価版であってね、本来はハムじゃなくて牛豚肉ですよ…」
といわれ、はいはいあのフランスのコルドン・ブルーとか気取った名前のチーズカツね、
と納得する。
あれがなんで聖人の名前をつけられ(一説にはサンティアゴ巡礼道で提供されたというが)
肉なしペラッペラのハムだけになったんねん!?とは…言えないでしょう?肉がない時代、
進駐軍のアメリカさんが食べてるソーセージが羨ましくて、安い雑魚肉でソーセージを作ったうちら日本人が。
まあそれはおいといて。
今年になってなぜか「アストゥリアスのカチョポ」の話をよーくグルメコラム、番組で見聴きするようになった。
アストゥリアスというのは、イベリア半島北北西あたりにある州。スペイン国の元祖ここにありきの地方。
古くは炭鉱業で栄え、緑と海に囲まれた豊かなる、結構地元色濃い大いなる田舎である。
「カチョポ」とは??
↑前記したチーズカツ、もしくはチーズハムカツのアストゥリアス地元版。
そしてこれがなぜ今更、全国紙、TVにて「今、カチョポが熱い!」「カチョポ流行の兆し」などとと騒ぎ、
マドリッドで“カチョポ・イベント”開催、カチョポ愛する会、カチョポオタクはカチョパーなる自称名を誇るまでとなってる…
(…だれだよ、仕掛け人w…とすぐ思うのが広告屋に振り回されるのが常の日本人ですが)
さて、そのご本人のいろんな画像…
パソコンのキーボードの写真じゃないです、はい。巨大です。ギャル曽根仕様でしょうか?
そしてめでたく本年度のカチョポ最優秀賞を受賞された、アストゥリアス州都、オビエドのレストラン、
La corte de pelayoのカチョポはこれ↓
ちなみに肉は牛肉。中身は地元産チーズ、赤ピーマン、生ハム、白アスパラガス。上には青唐辛子の酢漬け。
1947年からの変わらぬレシピで大賞受賞であります。
美味しそう…だけど大き過ぎだしww!
そもそもアストゥリアス地方=レストラン、バルで出てくる食べ物のサイズ量が半端ないです!
ホテル朝食でバスケットシューズサイズのトーストを出され、
トルティージャは厚み5センチ45度角のこれでもか!サイズ、
煮込み、スープ類は1人で行っても土鍋ごとだされます。
どんなガリバーな国に来た自分?!サイズが全然違うぞ?(←すべて自分の経験談)
…ということでこのカチョポなる巨大カツ話をしてたら、南出身の友人がいやいや、うちらのフラメンキンも
忘れちゃ困るね、といいだす。
南に行くとロールするのね!主にコルドバ地方ときく。
具はハム卵、野菜といろいろ変えることができるらしいですが。
あとこれは全国区なんですが、Pollo a la Villeroy(鶏胸肉のビルロア風)という、
鶏肉にチーズ風味のベシャメルソースを合わせたものをフライにする、ってのも番外ででました。
これも料理屋の昼メニューによくでてたりします。
そもそもパン粉料理自体、ほぼ世界どこでも似たようなもんがある。
あまり上等でない肉、ちょっと古くなったのも、パン粉をまぶせばほら!
ってことで、シュニッチェル、ミラノ風カツ、コルドンブルー、コトレータ、トンカツとあちこちに広まった経済料理。
地元、郷土愛がハンパない国、加えてタベモノ話が大好きな人が国民性も手伝って、
随分このカツレツ話一つで一晩盛り上がりました~。(なんか全体的に茶色のページになっちゃったw)