「ピークは7月末」、厚労省の助言機関が見解…以降は減少傾向続く
新型コロナウイルスの8月の感染状況について、西村経済再生相は31日の記者会見で、「(新規感染者数の)下降傾向が見えてきている」と述べた。専門家らで構成する厚生労働省の助言機関は、6月からの感染拡大について、「7月末にピークとなったとみられる」との見解を示しており、その傾向が続いている。ただ、重症者数は依然多く、専門家は感染防止策を続ける大切さを訴える。
助言機関は8月24日、全国の新規感染者数を発症日別にみた研究者の分析を踏まえ、「7月27~29日以降、緩やかな下降がみられる」と指摘した。接客を伴う飲食店など感染が広がりやすい場所で行った自治体の検査や、要請を受けた飲食店による営業時間の短縮、他人と距離をとる行動の浸透などにより、下降に転じた可能性があるという。8月23~29日の新規感染者数は平均で777人と、前週の979人から約2割減った。
内閣官房の資料によると、1人の感染者が実質的に何人にうつすかを示す「実効再生産数」も8月3日現在で、感染者が多かった東京、大阪、愛知、沖縄で、収束に向かう目安となる1未満に下がった。ただ、どの地域も現状維持を表す1に近い数値で、新規感染者が急速に減るわけではない。
助言機関で座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は「(収束に向かう)ピークアウトとは言えない。大きなクラスター(感染集団)が発生すると、再び増えることもあり得る」と警鐘を鳴らす。
厚労省によると、集中治療室(ICU)での治療中を含む重症者数は7月から増加傾向が続き、8月26日時点で331人となった。うつると重症化の恐れがある高齢者の感染が増えていることが背景にある。病床の使用率は同日時点で全国平均24%だが、沖縄は63%、福岡は56%など、地域によっては高水準になっている。
脇田所長は「3密や大声を上げる環境の回避、室内でのマスク、換気の徹底などを継続すべきだ」と呼びかけている。
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