アメコミとラーメン

X-MEN姉妹誌横断のクロスオーバーBattle of The Atom開始



こういう長いシリーズを取り上げると、粗筋だけ書いて、全然意見をかけないリスクがあるので危険だなと思いつつ、前半4作品をレビュー。Battle of The Atom 1号(”BOA”)、All New X-MEN (”ANX”)16号、X-MEN 5号、Uncanny X-MEN 12号(”Uncanny”)ね。

上記全ての表紙をArthur Adamsが担当。懐かしい。最近彼が描いた作品を読めなくて残念だな。今回も表紙だけ。BOAの表紙を添付画像として採用した。ANGELの翼の描き方、BEASTのメ[ズがかっちょ良い。人物の表情の描き方がまた変わったな。この人スタイルをよく変える。BOA、ANX、Uncannyの筋書きをBrian Michael Bendis、BOAの画はFrank Cho、Stuart Immonen、ANXはStuartが一人で、UncannyではChris Bachaloが画を担当している。X-MENの筋書きは、Brian Woodで画はDavid Lopezが、それぞれ担当している。

さて、粗筋。また新たなミュータントが出現したと思ったら、ミュータント殺しロボットSentinel軍団がアリゾナ州フィニックスを襲う。過去から呼び出された初代X-MENとKittyが到着するが、負け試合。そうこうするうちに、その後には、未来のX-MENが突如出現する。未来から来たX-MEN態度に不信を抱いた初代X-MENのJean。彼女は若きCYCLOPSを連れ逃避行。目的地はお尋ね者X-MENとなったCYCLOPS達。

いつものように、好きな台詞やシーン等を順不同で紹介しよう。まずは、Frankの画。相変わらず、綺麗な画を書くな。初代X-MENの一人Jean Greyが特に良い。絶対Frankはこの人書く時、時間をかけてる。

現代のCYCLOPSとKittyのあてこすり合戦が楽しいな。十分に制御できないOptic Blastに対してKittyがコメントすると、CYCLOPSも十分に訓練を受けていない初代X-MENを戦いに連れて来たことに対して、皮肉を言っている。

初代X-MENのCYCLOPSが殺されかけた時のシーンはちょっとわかりにくいのだが、BOAのクライマックス。画面がぼんやりとしてきているうちに、成長したCYCLOPSが消えてしまう。ベタだけど、視覚効果が助けてくれたな。

未来から来たX-MENの中には死んだはずのJean Greyがいたり、Xavier教授の子孫がいたり、興味は尽きない。

中年になった、自分自身の顔を見たKittyが、お肌の潤いをもっとしっかりしなきゃと思っちゃうシーンは笑える。

X-MEN 5号はちょっと中弛みながら、未来から来たBEASTが、現代のBEASTの試作した飛行機の存在を示唆するところが面白いかな。岡田准一が世代の違う4人を演じる生命保険の宣伝を思い出す。

現代のKittyと未来から来たRachaelの共通した考え方はアメリカっぽい。過去から来たX-MENが過去へ戻るも戻らないも彼らに選択させるべきというやつ。彼女達の考え方が、他のX-MEN達と異なるところが、この話を発展させる。Uncannyでもそうなのだが、自由は勝ち取るものだとか、今回はアメリカ人の基本的価値観が目立つな。

X-MENの間の諍いに国連のスパイ組織SHIELDが参戦しそうな模様。ここに出ているDAZZLERは、Ravenが変身して偽物なのかな。責任者のMaria HillがBEAST嫌いってのも面白い。

お尋ね者のX-MEN達のバラバラ感も好きだな。CYCLOPSが過去から来たJeanと自分自身に手を差し伸べることを決めた時、MagnetoとEmmaは反対する。それぞれ違う理由からね。Emmaは恐らく、Jeanに対して嫉妬しているだろう。CYCLOPSが宇宙エネルギーに乗っ取られた際に殺してしまったXavier教授の死を嘆いていることが、Magnetoの理由なのだが、ちょっとこれはおいらを説得できてないな。いずれにせよ、過去から来たX-MEN達を過去に戻そうと、未来から来たJeanがテレパシーを使ったところで、Emmaの堪忍袋の緒が切れちゃったのが山場。面白い。やっぱり嫉妬だ。CYCLOPSのJeanに対する気持ちだけじゃなくて、Jeanの力への嫉妬もね。

クロスオーバーの構成を見ていたらWOLVERINE and X-MENがUncannyの話の続きとなっている。最初は買わないつもりだった。だいたい買わなくても内容はわかるから。でも、Emmaの嫉妬が面白過ぎて追加注文してしまった。Magikの単独行動も気になるしね。あ、完全にMarvelの仕鰍ッた罠にひっかかっている。

残念な点も何点か。まずは、時間旅行ものはちょっとお腹いっぱい気味。これは自分が悪いのだが、最近Uncanny X-MEN 141号、142号を読んで時間旅行に触れたばかり。それに加えSuperior SPIDER-MANの17号、18号も時間旅行もの。そして、BOAと来る。かぶり過ぎ。

元来た時間に初代X-MEN達を戻そうとした時に、初代X-MEN達はXavier教授が記憶を消すと思っている。どうして、そう思ったのかな。その時の彼らはXavier教授に対して絶対の信頼を置いているはずなのに。
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