アメコミとラーメン

再開始後2年でとうとう面白くなってきた、NEW MUTANTS 25号、26号


2020年に始まったNEW MUTANTS の新シリーズ。アーティストは良いのだがどうしても話に乗り切れずにここまで来てしまった。しかし、25号にして漸くオイラ好みの話の展開になってきた。やっぱり創立メンバーが核となった話は面白い。(言い換えればその下の世代に感情移入が出来ない。)

筋書をVita Ayala、画をRod ReisとJan Duursemaがそれぞれ担当。添付画像はCarmen Carneroの26号の表紙。今回も最近のアーティストの中ではピカイチの画力Reisの画を堪能することが出来た。この人彩色までするんだな。隙がない。前半部分のIllyana、Dani、Rhaneのトレーニングシーンなんかは昔ながらのコミックブック調なのに対し、IllyanaのSoul Swordが破壊されたシーンは彩色が最大限に活かされた現代風の表現方法で同じ人が描いたのに全然印象が違う。一方のDuursemaは過去の回想シーンを担当している。凄く良い。

仲間の反対に聞く耳を持たず忘却界をGoblin Queenに引き渡そうとするIllyana。忘却界でSy’mらに襲われる彼女達。脱出した場所は地球ではなく、並行宇宙の忘却界。

忘却界のSy’mに何か仕込んでいるのはBelascoか。いずれにせよ二人とも無茶苦茶懐かしいキャラ。

ところどころに昔話風の小さな鬼の冒険シーンが出てきる。これ誰かなって思っていたがだんだんそれがIllyanaのアバターであることがわかる。この話の進め方も良し。

Daniの台詞。”What protection will Krakoa have against Limbo?” Goblin Queenを信用していない彼女は、そのリスクに対してどのような備えをしているのかを問い質している。その後にSy’m達が部屋になだれ込んできて同じ台詞を使う演出は好き。

26号でもReisの画が非常に良い。Soul Swordを召喚できないIllyanaのやるせない表情。遠くで戦いがあることを感じ取ったRhaneの顔が良いな。朝焼けが顔に反射している表現も良いね。

NM 26号の本編の話の終わり方は呆気なかった。何故Soul Swordが仕えなくなったのかを、別並行宇宙の自分の徐々に敗北している姿を見て、悟っていくIllyanaというプロットは買い。さらにSoul Swordの復活シーンなんかも元気がでるね。もう少しその流れを丁寧に描いて欲しかった。言っちゃえば80年代のアメコミはこんな感だったりするかな。

Duursemaの描く過去の回想シーンも26号にワクワクしてきた。Belascoにより姿を変えられたKittyを少女時代のIllyanaが助けようとしている。こういう小さい子が成長していく姿はオイラのスィートスポットだな。
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