富山県高岡市の「ラーメン翔龍」を頂点とする「龍系」と呼ばれる翔龍出身のお店(氷見の我楽、小杉の味楽、富山の白晃、戸出の旭屋、西高岡の麺崋山)が「旭川醤油ラーメン」からいつのまにやら「富山ブラック」としてまかり通ていることにちょっと驚いています。 そこで今回はもう一度各店をまわって検証してみたいと思います。
事の発端は氷見から金沢へ移転した「我楽」が金沢市民に「富山ブラック」として認識されているという事。
そこでまず修業先の「翔龍」を直撃。 そこで分かったことはTVドラマ「恋仲」で富山ブラックのお店と言う設定で撮影に使われて以来、自他ともにそれで通しているという事。
次に龍系の古参「小杉の味楽」を訪ねました。 いわゆる4M【人 (Man)機械 (Machine)材料 (Material)方法 (Method)】に当てはめると
翔龍で修業した店主(人)が、大鍋や平ざる・コーヒードリップポットを使って(機械)、翔龍の麺工場の麺や翔龍が手配したラード(材料)で、平ざるでの麺揚げ・ラードを注ぐなど見た目の工程も同じ(方法)ことが解かった。
そして今回は高岡での2店「旭屋」と「麺崋山」を検証したいと思います。
ラーメン専門店 旭屋(あさひや)
高岡市郊外の戸出にあって、高山・名古屋へ通じる主要国道R156の路面店。

取扱いのメニューは基本「醤油」「塩」「味噌」だがバリエーションが多く、特にニンニクチップ入りで店名を冠した「旭屋ラーメン」とチャーシュー山盛りトッピングお特盛の「特選F-1ラーメン」ともに醤油が目を惹く。

もう一つの顔として、毎年福祉施設で子供たちにラーメンを振舞っている事。 社会貢献というか自らの感謝を表す行為で、店内には子供たちからの感謝の手紙も添えられている。

デフォの醤油ラーメンでの比較
ラーメン 650円

まずスープの色の違いに驚いた。
翔龍系としては異色の茶褐色のスープ、表層のラードは少な目。 味は塩味が控えめで魚介が下支えし旨みが強く、非常に食べやすく万人向けの美味しさと言えよう。

盛り付けのレイアウトはほぼ同じ、チャーシューも箸でほぐれる柔らかさ。 その上に刻みネギを載せている。
決定的に違うのは麺。
翔龍の専用製麺所製では無く「小玉製麺所」という地元麺屋さんからの仕入れ。
平打ち縮れ麺とは違う、やや加水高めの中太麺。 スープの吸い込みよりつるモチ感を重視したような作り。

ドンブリに醤油タレとラードを入れた状態を見せてもらったが漆黒のタレはまさに富山ブラックを彷彿とさせていた。しかし出汁を注ぐと褐色スープに変身。 この違いを例えると「西町大喜」の黒いスープに対して暖簾分けした「大喜根塚店」の褐色スープ、が思い起こされる。
店主によればすでに翔龍との交流はなく、独自の路線を歩んでいる。
また自身の醤油ラーメンをハッキリと「旭川醤油ラーメン」と言い切っておられたのが印象的。
大鍋で麺を泳がせるように茹で、平ざるで湯切りし、溶かしたラードを「コーヒードリップポット」で丼に注ぐ工程はどう見ても龍系だ!
これからも美味しいラーメンを通じ、身体の不自由な子供たちに人の温かさを伝えてほしいと願いながら暖簾を後にしました♪

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【お店情報】
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店名;旭屋 本店 (あさひや)
住所;富山県高岡市戸出伊勢領2365-21
電話:0766-63-5315
営業時間;11:30~22:00
定休日;水曜日
駐車場;あり
地図;