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品質保証活動の実践活動(その2:品質目標値設定)

最終の目標は無欠陥(ZD:Zero Defects)であると言うことはいうまでもないが、
ここで述べる品質目標値は品質を確保するために各工程で実施すべき作業の目標値である。
これらの目標値は間発部門ごとに毎期見直しを行い設定する。

品質目標値設定は、
Plan(不良予防施策、不良目標値)、
Do(レビュー、不良適出)、
Check(不良分析)、
Action(対策)を設計、デバック工程から、製品検査、顧客稼働までを含む全ての段階でこれを実行しなければならない。
顧客稼働時の品質(稼働品質)管理では、社外事故件数の目標値を設定し、品質管理を行う。

PLAN:品質目標値の計画

設計/開発部門は、下記部門ごとの品質施策を計画する。
・不良予防(品質作り込み)施策の設定
・潜在不良の適出件数(社外事故分析による)の設定等

なお、品質目標値に関しては、
(1)品質目標値の設定

・プログラム不良密度の設定
・工程別不良摘出件数の設定等

各品質指標の基準値は、会社の方針及び過去の実績に基づき、品質保証部門が設定する。
品質保証部門は、品質指標及び基準値を明確にし、品質目標値の設定を各部門に指示し決定する。
品質保証部門は、必要に応じ各部門の品質目標値の審議を実施し、各部門の品質目標値について品質管理責任者の承認を受ける。

(2)品質目標値の実績管理

品質保証部門は、

・品質目標値の実績として、品質データを部門毎に集計し、品質月報にて報告する。
・未達成の項目の原因と対策をフォローし、品質月報にて報告する。
・期末の達成状況に対する各部門の見解を収集し、品質月報にて報告する。

DO:品質の作り込み
基本は、「品質は要求仕様と設計で作り込まなければならない」が、ここでは「設計、製造のレビュー」をキチンと実施することで、ヒューマンエラーを作り込まないようにしなければならない。
ヒューマンエラーの作り込み防止の一手法としてツールの事例を紹介する。

○「コードインスペクションツール」の紹介
C言語のソース・コードについてユーザー企業が定めたコーディング規約に合致しているかどうか調べるソフト「anyWarp CodeDirector for C」。
組み込み系の開発プロジェクト向けの製品で,Windows 2000以降で動作。
特徴は,調査対象となるソース・コードを,広く普及している無償のバージョン管理ソフト「CVS」から取得できること。
設定したスケジュールで調査を実行できる。調査結果はHTMLでも出力可能。
プロジェクト管理者はプロジェクトを通してソフトウエアの品質を把握できるほか,プログラマは自分のソース・コードの品質に関する情報を取得できるためモチベーションが高まる。

○「ソースコード検証サービスツール」の紹介
結合テスト及びシステムテストの段階で論理パスを検索し各種の不具合を検地するソフト「VeriSource」。
特徴は、不正なメモリアクセス、リソースリーク、未初期化、デッドコード等の不具合を検出し内容の優先順位をレベル分けし、フィードバック(レポート)する。
これにより単体テスト項目だけでは網羅できにくい論理パスに潜む不具合を結合テスト前に
解消することで結合テスト工程の生産性向上にも役立つ。

○「ソースコード検証サービスツール」の紹介
開発のテスト段階で論理パスを検索し各種の不具合を検地するソフト「InspectPro」。
特徴は、信頼性検証(不正アクセス、メモリリーク、初期化漏れ、未使用コード等)とセキュリティ検証(バッファオーバーフロー、汚染されたデータ等)に関する不具合を検出し内容の優先順位をレベル分けし、フィードバック(レポート)する。
これにより単体テスト項目だけでは網羅できにくい論理パスに潜む不具合を結合テスト前に
解消することで結合テスト工程の生産性向上にも役立つ。

CHECK:不良分析
下記観点でいろいろな角度から分析評価すること。
・作り込み要因分析
・前工程での未適出原因分析
・5W(Why)による動機的原因(根本原因)の追求

バグ情報は宝物
バグ情報は、
・ 当該プロジェクトにとって、何が問題であるかの手掛かりを掴む糸口となる。
・ 当該プロジェクトにとって、何処から取組めばよいのかを知ることの出来る糸口となる。

ACTION:
見直し観点を要求/設定、根本対策(再発防止)

□見直し観点を要求/設定すること
・不合格に対する設計への品質向上要求
・類似不良の適出
・不良多発機能/モジュールの見直し(設計に「リコーディング基準」を設定させるとよい)等

□根本対策(再発防止)を図ること
・作り込み防止対策/見逃し防止対策
・設計のテスト不良防止策等
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