第4回は、
強豪の名をほしいままにする近畿地区です。
現在の近畿地区のトップチームは、もちろんセンバツ連覇を狙う大阪桐蔭。
そしてこれももちろん、近畿NO1ということは、全国の高校野球界の横綱の座を、
がっちりとつかみ続けています。
そんな近畿地区。
今年も大阪桐蔭をはじめとして、強豪ぞろい。
覇権争いは今年も、近畿地区の出場校を軸に展開されそうです。
≪選抜出場校の思い出4≫
近畿代表 大阪桐蔭(大阪) 10度目(4年連続)
夏9度出場 甲子園通算52勝12敗 優勝 6回
さあ、連覇を狙う大阪桐蔭の登場です。
昨年も一昨年も記事を書きましたので、思い出はそちらをご参照ください。
今年のチームは、昨年全国制覇を成し遂げたチームやこれまでの全国制覇のチーム以上の戦力と言われ、秋のドラフト指名候補が1位候補3,4人を含み5,6人もいて、【高校野球史上最高】とまで言われる陣容を誇ります。さて、どんな戦いぶりを見せるのか。とても楽しみですね。
昨年の記事⇒https://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/025ae8447f2f17fe17754ff36d2552aa
近畿代表 智辯和歌山(和歌山) 12度目(4年ぶり)
夏22度出場 甲子園通算 57勝30敗 優勝3回 準優勝3回
かつて智弁学園を甲子園常連校に育て上げた高嶋監督が、和歌山の兄弟校であるこの智辯和歌山の開校とともに移ってきたのが1980年。それから38年の歳月が流れ、その間智辯和歌山は90年代~00年代にかけてその驚愕の強打とともに、高校野球界に一時代を築きました。現在まで34度の甲子園出場、優勝、準優勝共に3回を成し遂げ、何と一人の監督で57勝という甲子園通算勝利を挙げています。もちろんこの数字、歴代監督の最多勝利となっています。校歌にも歌われる、あの茜色が甲子園の緑のグラウンドに映え、出てくるたびに甲子園に驚きとドラマを残してくれるチーム、それが智辯和歌山です。10年代に入り、さすがの高嶋監督も齢70という古希を迎えて力を落としたかと思われる「初出場時以来」の甲子園3連敗を喫しましたが、昨夏の甲子園で初戦、我喜屋監督の興南に対して6点差をひっくり返し、次の2回戦では『王者』大阪桐蔭に対して最後まで食らいつく、かつての勢いがよみがえったかと思われる素晴らしい戦いを披露。そのメンバーがごっそり残る今年の大会では、大阪桐蔭にリベンジを果たしたうえでの4度目の全国制覇を狙っています。大ベテラン・高嶋監督はまだまだ意気軒高。『負けっぱなしでいられるか!』の気迫は、久々に智辯和歌山の快進撃を感じさせてくれるものです。今年の選抜、とても楽しみです。さて、智辯和歌山の思い出については、過年に書いたものがありますので、そちらをどうぞ。
https://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/6ad30b101ad1a707e8c1e36a99e1853f
近畿代表 乙 訓 (京都) 初出場
今回の選抜で見事に春夏通じての初出場を決めた京都府立乙訓高校。最近京都の中でも、なかなか存在感を見せていた学校なので、そろそろ甲子園出場もあるかと思っていましたが、今回見事にその夢を実現しました。京都の府立高の出場というと、最近では3年前の夏の甲子園に登場した、第1回大会優勝の流れをくむ鳥羽高校が印象に残っています。粘り強いさわやかな戦いぶりで3回戦まで進出して、甲子園を大いに沸かせてくれました。龍谷大平安、福知山成美、京都成章に京都外大西など強豪が群雄割拠の県内にあっては、なかなか甲子園に出場することもままなりませんが、かつて卯瀧監督に率いられた北嵯峨や、野村監督(ヤクルト等)の母校である峰山、75年に一度だけ甲子園の土を踏んだ桂なども、ワタシにとっては忘れられない学校です。この乙訓高校、公立校とはいえその環境やサポート体制は充実しており、静岡高校のような『公立の雄』として長く君臨できるような可能性を感じます。ぜひそのきっかけになる、初めての甲子園にしたいところですね。
近畿代表 近 江(滋賀) 5度目(3年ぶり)
夏12度出場 甲子園通算 13勝16敗 準優勝1回
近江商人を生んだ湖国・滋賀。かつては近畿のほかの5県に挟まれた「野球不毛の地」と言われ、何と甲子園初勝利は1979年まで待たなければいけませんでした。その79年というと、その前年にようやく夏の大会が『1県1代表』となった年で、その79年に比叡山が初めての夏の勝利を挙げて滋賀県の高校野球の歴史が動き出したといってもいいでしょう。そもそも、それまでもさほど弱小だったというわけではなく、夏の予選では同一地区”京滋”で1代表を争った京都勢が強かったために、頭を押さえられ続けていたという要因がありました。(一時期は福井と組んで”福滋”地区だった時もあります。)その後翌80年には瀬田工が4強、85年には甲西が4強と滋賀県勢は着実に戦績を残し続けるのですが、比叡山にしても、瀬田工、甲西にしても、いずれも「一時期の栄華」に終わって次第に力を落としてしまいました。その後一時代を築いた八幡商もしかり、です。そんな中、81年に初出場を成し遂げ、その後ずっと多賀監督の下今日まで30年以上に渡り力を維持し続けているのが、この近江です。琵琶湖の水を連想させる鮮やかなブルーのユニフォームに身を包み、大技、小技何でもござれの鍛えられた野球を見せるこの近江、春夏17度の出場を誇る滋賀の高校野球界のリーダーです。この近江、何といっても記憶に残っているのは2001年の夏の準優勝。竹内―島脇―清水という3人のタイプの違う投手を巧みな継投でつなぐ『3本の矢』が特徴的だったチームで、見事に強豪を次々に打ち破っての決勝進出でした。特に終盤に好投手阿部を打ち崩して逆転した準決勝の戦いぶりは見事で、滋賀県の高校野球氏に燦然と輝く好勝負でしたね。その後もコンスタントに甲子園には出続けていますが、今一つインパクトを残す戦い方ができていない近年です。今年はある意味勝負の年。滋賀県のチームが何と3チームも甲子園に登場するこの選抜。湖国の野球のリーダーとして、絶対にほかの2校より先に帰るわけにはいきません。プライドと意地をかけての春になる、この選抜大会です。
近畿代表 彦根東 (滋賀) 4度目(9年ぶり)
夏2度出場 甲子園通算 1勝5敗
昨夏に続いての夏春連続出場。この滋賀県屈指の進学校が、近年近江、北大津、滋賀学園らの強豪に伍して、コンスタントに甲子園切符をつかみ取っていることに、驚きを禁じ得ません。昨夏5度目の甲子園登場にして初めて「夢の1勝」を手に入れたチームは、そのチームからのエースである増居投手が今年も健在。それだけに今年にかける関係者の思いも、強いと思います。1950年、53年に2度センバツに出場していますが、本格的に強くなってきたのは近年。そのきっかけは09年センバツの21世紀枠での甲子園出場でした。21世紀枠での出場をきっかけに強豪へと上り詰めていったチームはいくつかありますが、彦根東はその『成功例』の最たるものでしょう。そして、その選抜出場時から変わらない、アルプスを真っ赤に染める熱狂的な応援。全校生徒は言うに及ばず、その父兄、そしてOB,関係者などが、本当に声をからして熱狂的に声援を送る姿は、すでに一つの甲子園の風物詩ともなっている感じですね。そういえばその21世紀枠での出場時、対戦したのはあの「美爆音」の習志野でした。相手のアルプスで奏でられる「美爆音」に、彦根東の関係者も大いに刺激を受けたのではないでしょうか。その年の習志野、その美爆音がかなり話題になっていましたのでね。思えば彦根東、出場するたび、いい試合をしてそのアルプスの大声援にこたえつつけていますね。習志野戦は9回サヨナラ負け、13年夏の花巻東線は終盤の追い上げ、そして昨夏の開幕戦での、波佐見に対する逆転サヨナラ勝ち。大声援に乗って、粘りの野球を見せる彦根東は、『出場するたび、聖地で何かをやる』好チームというイメージが全国のファンに刷り込まれ始めました。さあ今年。好投手・増居でひと波乱を起こす可能性は十分。その戦いぶりが、注目されています。
近畿代表 智弁学園(奈良) 12度目(3年連続)
夏18度出場 甲子園通算 34勝28敗 優勝1回
一昨年念願の初優勝を飾った智弁学園が、今年も3年連続で甲子園後に帰ってきます。このところライバル・天理を実績でも力でも上回っていると見られていた智弁学園ですが、昨夏は天理が意地の巻き返し。甲子園でも見事な戦いぶりで4強まで駆け上がり、復活を全国に強烈にアピールしました。智弁学園は、一昨年の選抜優勝の後、力はありながら悔しい試合が甲子園でも奈良県大会でも続いています。今年のチームは、過去数年と比較すると力的には上回るとは言えないという評価ですが、そういう評価の時に帰って力を出すのがライバル・天理の野球。智弁学園にとって、後れを取っているわけにはいきません。そういう意味で、智弁にとっては非常に大事な選抜になりそうです。勢いに乗れば上位進出の可能性は十分。思い出については、昨年の記事をどうぞ。
https://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/33a300aef5cdc428c720367957128a34
(つづく)