今年のセンバツ高校野球、
97回を迎えるこの大会の出場校が1月24日に決まりました。
昨年来出場校の変更が行われて、
東北地区と東海地区で、
それぞれ3校の出場となっています。
東北地区は、
近年の躍進ぶりを見ても、
3校は妥当ですね。いやっ、むしろこれでも少ないかも。
多分これから、
選抜では「東北地区の3校目の代表」が、
ジョーカーのように大会を盛り上げてくれるかもしれません。
かつて関東の5校目が毎年上位に進出していたように。
さて、10回目となる、
選抜出場校に対するワタシの思い出。
最初はなんというか、
各校それぞれに思い出があるので、
つらつらと覚えていることを書き綴っていたのですが、
回を重ねていくと、連続出場している学校については、
ほとんど書くことがなくなってしまいます。
それから21世紀枠を中心として、
まったく思い出というか、そのチーム自体を知らない学校もいくつか出て来て、
困ってしまう事もあります。
そんなときは、
その学校ではなくて、関係する出来事(例えばこの地区のこれまでの初出場の軌跡とか)を書くことにしています。
それでもまだまだ、
選抜には久しぶりに出てくる名門校、伝統校なんかが毎年いますので、
そんな学校のことになると、
腕が鳴っちゃいます。
「書きた~い」ことがいっぱいですからね。
ホント毎年思うのですが、
昔のことを思い出して書くのって、
楽しいので。。。。
さあ、今年も選抜が始まります。
その前に、今年の出場校は、
いったい甲子園にどんな足跡を残してきているの?
≪選抜出場校 思い出編 1≫
北海道代表 東海大札幌 7回目(10年ぶり) 準優勝1回
夏5回出場 甲子園通算 9勝11敗
東海大札幌(旧校名;東海大四)については、10年前に選抜で準優勝した時に、いろいろとその思い出をつづりました。この学校で特筆すべきなのは、最初の甲子園出場から5回はずっと初戦敗退だったのに、その後の5回、すべて初戦を突破。そして直近の最後の回、2015年の選抜では、なんと準優勝を飾ったということでしょうね。北海道の中ではもう名門の域に差し掛かっているこの東海大札幌、しかしながら、この2015年春を最後に、今回迄10年間甲子園から遠ざかっていました。ワタシは2015年の時、「これで完全に一皮むけて、これからはどんどん活躍が期待できるな」と思っていたのですが、それから今大会まで、長かったですね。いつも優勝候補に名を連ねているのに、最後の一歩を踏み出せない状態が長く続いて、OBはかなり歯がゆかったことと思います。近年は毎年好投手を擁し、守りからしっかりと試合を作っていくチームです。今年のチームは、明治神宮大会でも見ましたが、はまればかなりやれるまとまりをもったチームと見受けられました。さて、目標は2015年越えでしょう。どこまで甲子園で暴れることができるのか。東海大といえば相模、そして札幌と言われる活躍を期待しています。
東海大札幌(当時の校名、東海大四)に関するブログ記事 ⇒ 東海大四高についても、ちょっと書かせて。 - SPORTS! SPORTS! 寝てもさめても
東北代表 聖光学院 (福島) 7回目(3年ぶり)
夏19度出場 甲子園通算29勝25敗
聖光学院といえば、今や全国で最も甲子園出場頻度の高い学校ですね。初出場が21世紀に入ってからなんて信じられないほど出場を重ね、21年に選手権の連続出場が止まった後も、すぐに立て直して22年からまた3年連続して甲子園に出場してきています。前回選抜の記事を書いた後、夏の選手権で久々に上位に進出しました。そして準決勝では、同じ東北の仙台育英と対戦。斎藤監督としてみたら、「東北初の全国制覇は俺たちだ」という強い気持ちがあったでしょうから、この時の敗戦はかなり堪えたのではないでしょうかね。聖光学院の、オーソドックスながら基本がすごくきちんとした、野球らしい野球というのは、全国のチームのお手本になっているのではないでしょうか。守備、小技、戦術。。。。どこをとっても水準の高い聖光学院。狙いは常に「全国制覇」これしかありません。大会で波に乗れば、それはすぐ手に届くところにある気もしますし、逆にそれは遠い遠いところにあるような気もします。しかしながら、聖光学院の毎年のチームを見るの、本当に楽しみですね。今年のチーム、明治神宮大会でこっぴどいやられ方をしましたが、これで黙っているようなチームではありません。捲土重来、大いに期待できそうですね。
前回の記事 ⇒
聖光学院といえば、福島では敵なしの絶対王者として君臨したチーム。大会自体が中止になった2020年夏の選手権まで、なんと13年連続で夏の福島県代表を独占してきたチームです。その強さは、単に投攻守のレベルが高いというだけではなく、選手一人ひとりの野球力の高さ、意識の高さ、そしてそこからくる驚異の粘り強さ、それらがすべて揃って空前絶後ともいえる夏の甲子園13年連続出場という偉業が成し遂げられたのです。2020年は夏の甲子園こそ中止になったものの、聖光学院は独自大会で県優勝、そして東北大会も制し、その強さを見せつけました。しかし昨夏、まさかの準々決勝敗退で、14年連続夏の甲子園出場(15年連続夏の県大会制覇)の夢は潰え、新たなスタートとなった昨秋でしたが、そこで再度気持ちを入れ替えて覇権を握るところがまさに聖光らしいところ。結局東北大会でも決勝まで進出し、4年ぶりのセンバツを手にすることができました。我々高校野球ファンの興味は、「3年ぶりに見る聖光は、果たしてこれまでの聖光と同じなのか否か。」ということ。しっかりとしたエースを中心として複数の投手陣が相手を抑え、小技を駆使しつつ得点を奪って、しっかり勝ち切る・・・という聖光の「王道野球」をまた甲子園で見られるという期待は、膨らんでいます。しかしながら、今世紀に入ってからの初出場ながら、春6回、夏16回と回数を重ねるもののいまだに全国8強の壁を破れないでいる聖光学院。しかし一度立ち止まる機会を与えられた今年のチームは、新たな機軸をもとに今までの壁を突破できるかもしれないという期待も、高まっています。2010年前後からずっと、「東北勢初の大旗は、聖光学院によってもたらされるのではないか?」と言われてきました。しかしここ5年程、ライバルの仙台育英、花巻東、八戸学院光星、盛岡大付らにやや押されている印象も拭えません。聖光学院が栄冠に輝けるのか?まだ甲子園で3勝を挙げたことは一度だけ。そのあたり、どう改善されているのか。注目が集まる今年の大会となります。
その前の記事 ⇒
5年ぶりに選抜に出場する聖光学院。選抜は07年、08年、12年、13年に続いての出場ですが、なんといっても特筆されるのは夏の大会。昨夏まで11年連続の出場。群雄割拠の高校野球界にあって、11年連続出場というのはまさに金字塔という以外にはない快挙です。毎年毎年、県大会で追い詰められた場面は必ずあるのですが、その都度素晴らしい粘りと集中力を発揮して王座を守る。そんなシーンを、何度も見せられてきました。聖光学院の試合を見ていると、福島県大会の方がチームの「ド迫力」を感じられて、甲子園ではまだまだその真価を発揮していない、という気持ちがワタシにはあります。あの”ド迫力”を甲子園で見せられれば、もうとっくに4強、決勝・・・・いや、優勝まで届いているのになあ、というのが偽らざる気持ちです。それぐらい、戦力としてはもう「いつ全国制覇してもおかしくない」という戦力を整えている気がします。仙台育英、花巻東、八戸学院光星、盛岡大付らと『どこが東北勢として初めて優勝旗を持ち帰るのか』を常に競っているチームですが、まだその栄光に手をかけるところまでは来ていません。
思えば聖光学院が初めて甲子園に登場したのが01年夏。そう、21世紀に入ってからなんですね。最初の登場で明豊に0-20という屈辱的な負けを喫してから、聖光学院の快進撃は始まりました。この屈辱をばねにして・・・・斎藤監督は、本当に究極の「負けず嫌い監督」なのでしょうね。3年後の2度目の出場では、初出場時の「チーム全体が甲子園に対して、引いてしまっている」姿はどこにも見られず、「よくも3年で、こうも違うチームを作ったものだな」と感心しました。その後は甲子園出場が「日常のこと」になるにつれて選手の質も高くなり、たびたび甲子園でも「ダークホース」に上がる存在となってきました。歳内投手を擁した大型チームは全国制覇を狙いましたが、その年に東日本大震災が起こって調整どころではなく、結果を残せませんでした。しかしそのチームが敗れ去った時に斎藤監督が残した言葉が、ワタシの心に残っています。正確に言葉を思い出すことはできませんが、「この監督は、本当にいい監督だなあ」と思ったのを思い出します。その後は常に全国の上位をうかがうチームを作り続けており、「いつ全国制覇してもおかしくない」という空気をまとったチームとして毎年甲子園に登場してきています。斎藤監督も油の乗り切った50代中盤に差し掛かるころ、そろそろ「聖光学院の年」になってもおかしくない気も、しています。特に今年のチームは、監督自身が自信を持つ戦力とのこと。甲子園の風が聖光学院側にフォローに吹いてくれば、面白いことになってきそうな年です。
東北代表 青森山田(青森) 4回目(2年連続)
夏12度出場 甲子園通算 17勝15敗
昨年まさに華麗に復活した青森山田。エース関を擁し、選抜8強、そして選手権4強と、一気に名門復活を成し遂げました。昨年だけで甲子園で5勝をあげ、甲子園通算成績でも勝ち越しとなりました。昨年はホント、大型チームの魅力にあふれたチームでした。選抜では初戦の京都国際戦、そして2回戦の広陵戦で連続サヨナラ勝ち。特に広陵戦の驚異的な粘りはすごかったですね。選手権でも準々決勝の滋賀学園戦で、押されに押されながら1点を守り抜いて勝ち、準決勝では敗れはしたものの優勝した京都国際を押す展開の試合を展開しました。それまでずっと甲子園で存在感を発揮できなかったのがウソのような昨年1年間でしたね。さて、今年はどうでしょうか。強かった年のポスト年。しかし高校野球では、往々にしてそういった年に「このチームがなぜ?」と言われながら、前年の実績を上回る活躍を見せたりするものです。青森山田の今年の戦い方は、今後10年の青森山田にとってとても大切になると思います。
昨年の記事 ⇒
さあ、青森山田が17年夏以来の甲子園登場です。00年代までは青森の雄として、八戸学院光星と「青森2強」時代を築きましたが、それ以降は大きく水をあけられて、10年代に入ってからは甲子園出場はわずか2度、勝利もわずか1勝に終わっています。現在栄華を極めるサッカー部が今年の正月を含めて、高校野球界でいう大阪桐蔭のような『絶対王者』に君臨しているのと比較すると、非常に寂しい成績になっています。しかしこの秋は八戸学院光星を県大会と東北大会の決勝で2度連続で破り、東北No1に輝いての甲子園帰還となりました。青森山田といえば強打の光星に対して堅守の山田というイメージがあります。活躍する年は必ず好投手がマウンドを死守し、堅く守りを固めて主導権を握っていく野球です。思えばサッカーもそうですね。堅固な守りで相手に得点を与えないことをベースとしたサッカーです。あのサッカーのように、野球も聖地・甲子園で輝きを放てるのか?注目度は高いですね。個人的には、サッカーの決勝を戦った近江と、野球でも甲子園で、激突してほしいところではあります。
前回の記事 ⇒
青森山田というと、かつて昭和40年代、あの三沢高校以降ずっと≪野球弱小県≫と言われた青森の野球界に大革命を起こして全国レベルに引き上げた大功労高という印象です。センバツはなんと2度目。初出場の時は、プロ注目の柳田投手を擁して期待されたものの、初戦で沖縄尚学に完全に攻略されての完敗。意外ですが、その時しか出場がありませんので、完全に『夏型』のチーム作りを進めている高校ということですね。初めての甲子園登場は93年夏のこと。この時は青森山田と聞いても全くピンと来ず、また当たった相手が優勝候補の近大付(大阪)。案の定大敗して苦い”初体験”となるのですが、その時覚えているのが、若い監督に率いられユニークな練習をする高校ということ。ニュースで見た映像の中では、選手たちはグラウンド練習の時、事あるごとにグラウンドの土を顔に塗りつけていたということ。確か『グラウンドと一体になり、普段の力を出すため』の練習だったかと。。。。。『ユニークだなあ』と思ったのをよく覚えています。しかしこの青森山田、90年代後半から00年代にかけて黄金時代を築きます。95年に兵庫代表に競り勝って初勝利を挙げたのにも驚きましたが、99年には好投手を擁した粘りの戦いで8強に進出。翌年ライバルの光星学院が4強に進出し、翌々年も8強に進出して、すっかり青森代表は『強豪』という認識になる契機となった大会でした。1,2,3回戦はもとより、敗れた準々決勝に至るまでの4試合、すべて九州の強豪に当たり、そして次々と撃破していったその戦いぶりは見事なものでした。04年からは6年連続の甲子園出場。強豪の名をほしいままにして、『全国制覇』の夢に一歩近づいたと思われましたが、その後は強烈な巻き返しを図った光星学院に押されて、今大会までは6年間まるまる『甲子園欠席』という厳しい期間を体験しました。その苦しい時期を乗り越えての今回の久々の甲子園帰還だけに、関係者の喜びはひとしおでしょうし、やったるでの気持ちも強いのではないでしょうか。期待できますね。
東北代表 花巻東(岩手) 5回目(3年ぶり) 準優勝1回
夏12度出場 甲子園通算19勝16敗
昨年はドジャースの大谷が2年連続でMLBでMVPを獲得、佐々木は進学したスタンフォードで全米の新人MVPを獲得するなど、菊池も含め、広く世界にスーパースターを輩出し続ける花巻東。今年のチームも、投打に好選手を並べ、コンディションさえ整ってくれば、かなり期待できるチームと見えます。まあしかし、佐々木監督の狙いはいつも夏の選手権だけに、チーム作りの「途中段階」と言える選抜で、どこまで総合的なチーム力を仕上げてくるかは未知数です。それにしても、花巻東の選手は、本当に先に行ってから活躍しますね。それだけ素材のいい選手がいるという事なんでしょうけど、何か活躍する選手は皆自我が確立しているというか、見据える目標の高さが高いというか、そんな感じがしています。高校時代の教えが、先につながっているように感じますね。花巻東が選抜に出場した時は、その先の夏を見て、その成長の度合いを「あ~凄く成長したな~」なんて感じで見るのが、楽しみでもあります。いつもワクワクさせてくれるチームですね。
前回の記事 ⇒
花巻東といえば、2009年の選抜で菊池雄星をエースに決勝まで駆け上がったチームから、全国にその名をとどろかせ始めました。この大会ではエース菊池の素晴らしいピッチングだけではなく、見事なまでの野手のカバーリング、そして攻めては常に全力疾走、さらにベンチでは笑顔で素晴らしい声を掛け合って仲間を鼓舞するなど、いくつものセンセーショナルなシーンを演出して、全国の高校野球ファンを虜にしていきました。そして12年には今をときめく二刀流のエース・大谷翔平が躍動。さらにその翌年の13年は、全員野球とファールカットの職人・千葉選手などを擁して4強入り。あと一歩で全国制覇というところまで、チームは階段を駆け上がっていきました。その後も花巻東の試合はいつも注目を集め、チームはそれに応えて忘れられない試合の数々を甲子園に残していきました。13年夏は選抜準優勝の済美・安楽を見事に打ち崩し、15年夏も選抜優勝校・敦賀気比を堂々と寄り切り。18年選抜3回戦では、彦根東のエース増居に9回までノーノーに抑えられていながら相手にも点をやらずに延長10回サヨナラ勝ち。何しろ花巻東は、「何かをやるチーム」として目が離せない存在です。しかしここ数年、甲子園での勝ち星に恵まれず、その存在感も少し薄くなってきたかなと感じられていた今年、秋の東北大会で優勝を飾り、堂々と甲子園に凱旋してくることが決まりました。そのチームの中心は、佐々木監督の息子である佐々木麟太郎。新2年生、まだ高校野球の1年を経過もしていないのに、すでに通算本塁打数は50本という、とてつもない怪物として甲子園の土を踏みます。選抜の紹介雑誌も、軒並み表紙にはこの佐々木麟太郎選手の写真が。それだけ注目されている今年のチーム、悲願である「東北に大旗を」も、現実的につかめるところまで実力を上げてきました。大先輩であり、世界で活躍する菊池雄星も大谷翔平も、甲子園の大旗までは届きませんでした。その宿願を達成できるのか否か、また今年の大会も、花巻東の試合には目が離せません。
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大谷翔平、そして菊池雄星。その輝ける日本の星を生み出した花巻東というチーム。佐々木監督に率いられ、本当に話題が多く、そして感動をたくさんくれるチームです。その野球に対する取り組み、そしてあの全力疾走とベンチでの声がけ。笑顔いっぱいのプレーぶり。そんな「愛されるチーム」だと思いますが、上の聖光学院らと同じく、「東北勢初の全国制覇」を本気で狙っています。今年はいったいどんなチームで甲子園に登場するのか、今から楽しみです。花巻東については、菊池雄星で夏4強進出した時の記事をどうぞ。
https://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/61d20598e68dd303cb37895e9be6423c
(つづく)