第104回全国高校野球選手権大会 ~甲子園~
【決勝】
仙台育英(宮城) 8-1 下関国際(山口)
下関国際 000 001 000 ー 1
仙台育英 000 120 50× ー 8
仙台育英 盤石の攻守でついに東北に大旗をもたらす!
第104回目の夏、
第1回からずっと優勝を念願してきた東北のすべての人たちに、
仙台育英が素晴らしい戦いで大旗を捧げました。
試合は仙台育英が斎藤蓉、下関国際が古賀と両左腕が先発。
前半は見事な投球で、
両チームともにチャンスがつかめない展開が続きました。
先手を取ったのは仙台育英。
先頭の山田がレフトへ見事な2塁打を放ち送りバントで3塁に進むと、
このチャンスに4番・斎藤陽がライトへ見事なタイムリーを放ち先制点を上げました。
すぐさま5回表、
今度は下関国際がチャンスをつかみます。
6・7番が無死1・2塁のチャンスを作ると、
8番古賀にサインはバント。
しかし仙台育英の1・3塁がサインプレーで猛チャージ。
これを見せられて古賀は強いバントをピッチャーへはなってしまい送りバントならず。
次打者がダブルプレーでピンチを逃れた仙台育英は、
その裏すかさず次の矢を放ちました。
2死3塁で回ってきたのは仙台育英の核弾頭、好打者の橋本。
橋本はここで期待に応えてセンターに見事なタイムリーを放ち2-0。
そしてすかさず盗塁すると、
山田がここで追撃のタイムリーを放ち3-0。
気を見て果敢に攻める仙台育英の見事な攻撃で、
試合の主導権は完全に仙台育英の下に。
そして1点を返された7回に、
東北の思いが結実する集中攻撃を見せます。
無死1塁から、
先ほどタイムリーを放った橋本がまたも右中間を深々と破るタイムリー3塁打で、
リードを4-1と広げると、
続く満塁から、
今度は大病に打ち勝ち、甲子園でベンチ入りをつかんだ岩崎が振り抜くと、
打球は浜風に乗ってぐんぐん伸びて、
なんとこの大会でのチーム初本塁打となる満塁アーチ。
試合は8-1となり、
ここで勝負は決しました。
8回からマウンドに上がった高橋が2イニングを締め、
仙台育英は先達のだれもが成し遂げられなかった、
東北勢の甲子園での優勝を、初めて成し遂げました。
それにしても、
仙台育英の安定感のある攻守は見事。
6人の投手を擁して守りを固め、
打っては果敢に攻める時とじっくりと攻める時を使い分ける変幻自在な攻撃で得点を重ねていきました。
この仙台育英の野球は、
東北の野球の集大成というよりは、
令和の野球のスタンダードと言った方がいいかもしれません。
それほどに、
見事に仕上がったチームでした。
昨日のNHKの高校野球の実況でも、
何度も解説の大矢さんがうなっていましたが、
データをフル活用して、
攻めては前半じっくりと球を見極め、
ここぞの回にはデータから絞り出した絞り球をしっかりと振って打球を飛ばしていく。。
守備でもデータを駆使して、
相手打者によって変えながら守る位置をしっかりと固めて、
キャッチャーの配球もそこに打球が飛ぶような配球をし、
ピッチャーはその要求に応えてしっかり投げる。。。
まさにこの仙台育英、
「勝つべくして勝った」
優勝だったように思います。
下関国際は、
素晴らしい勢いで相手を飲み込んでしまう野球を展開していましたが、
この日はすべて相手に読まれ、
吸収されて行ってしまったように感じました。
新たな「令和の野球」という感じがする、
仙台育英でした。
なんとなくではありますが、
昭和の時代に広島商が細かい野球を突き詰めて、
王者に君臨したように、
この令和の時代にはこの仙台育英が、
トータル&データベースボールを駆使して、
この時代にしばらく君臨していきそうな感じ、しますね。
須江監督の野球。
仙台育英は前任の佐々木監督の時代から須江監督に代わって、
そのチームカラーに変化が出たなあと感じていました。
しかしその須江監督の野球、
これまでは「強い時は強いが、甲子園で負ける時はいつももろさが顔を出してしまっている」
と感じていて、
このもろさが必ずどこかの試合で顔を出してしまう限り、
仙台育英が頂点に届くのは難しいかもしれないなあ・・・・・・
なんて思っていました。
しかし今年。
地味ながらしっかりと県大会を勝ち抜いて、
この甲子園でもしっかりとグラウンドに足を付けて戦う姿が目立ちました。
得意の継投策も、
これまでは「継投がアドバンテージだという事は思うが、逆の面が出れば『継投は難しい』となって、弱点にもなる得る」
と感じていたものが、
須江監督の的確なタイミングと各投手の質の高さで、
全く弱点にはなりえませんでした。
すべてのことが順回転して、
この栄光にたどり着いたんだと思います。
おめでとうございます。
もともとがかなりの野球好きが多い東北の地。
初めての優勝は、
今後の東北の野球にとって、
かなりのハレーションを起こしてくれるでしょうね。
そして仙台育英は、
この選手たちのほとんどが地元、ないしは近県出身の選手たちです。
報道によると、
部内で140キロ以上投げる投手は14人もいるそう。
という事は、
しっかりとしたメソッドの下に選手育成を図れば、
これだけのチームができるという事です。
それと、
楽天ジュニアをはじめとして、
低年齢層からの野球技術の向上が、
しっかりと図られていることの証左かな。
いずれにしても、
これが東北野球の新たなる始まり。
この仙台育英に続くチームが、
これから続々と現れるかもしれませんね。
長いこと言われ続けていた、
「どこがはじめに大旗を持って帰るのか?」
という論争にも、
やっとケリがつきました。
長いこと「大本命」とみられていた仙台育英が、
やっぱり持って帰りましたね。
何せ4回目の挑戦でしたから、
悔しさもたっぷりと味わっているしね。
ということで、
本当におめでとう!!
そして、
今年もいい大会でした。
甲子園の夏は、
ブラバン、観客とともに、
ようやく正常化への道を歩み始めたと思います。
多分3年前までの「80%ぐらい」までは来たかな?!
来年は「大歓声」が帰ってくると、
いいなあ。。。。
ということで、
今年の甲子園、
大団円で締めさせてもらいます。(まだ記事は書くけどね)
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