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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

3人の全力疾走が引っ張る、新生西武。

2013年04月11日 | プロ野球

プロ野球は開幕から4カード目。

ケガや故障が出だして、
誤算続きのチームもあれば、
開幕から快調に飛ばすチームもあります。

ワタシのごひいき、埼玉西武ライオンズは、
評論家諸氏の低評価にもかかわらず、
今のところはなかなかの戦いぶり。

昨年までの『打線偏重型』を脱皮して、
投手を中心としたトータルバランス型のチームに生まれ変わるべく奮闘中です。

中島、中村というこれまでの軸を欠いた打線は、
やはり迫力不足なのは否めませんが、
新しい”チームの顔”になりつつある、
22~24歳の3人、
秋山、浅村、金子が奮闘して打線を引っ張り、
何とか戦える体制を整えつつあります。

あとは外国人選手の爆発と、
下位打線の底上げがされれば、
そこそこ【混戦パ・リーグ】の中でもやっていけるんではないかな、
と希望的観測を抱いているところです。

さて、
昨日の千葉ロッテ戦を見ていて、
ひとつ嬉しいことを発見しました。

それは、
金子選手、秋山選手、栗山選手が『ほとんどアウトになるのが分かっている』打球に対しても、
全力疾走をしていたことでした。

これは、
プロ野球選手にとっては、
本当にわかっていてもなかなかできないこと。

球界を見渡してみても、
シーズンを通して実践しているのは、
ほんの一握りの選手のみだと思います。
(稲葉選手や、元阪神の金本選手なんかがそうですね。イチロー選手も、そういった姿勢の持ち主です。)

要するに、
本当に試合に対して集中できている選手が、
これを実践しているということも言えるでしょうね。

そしてこういうことは、
必ず実戦の中で生きてくる場面があるということです。

昨日の試合では、
8回の試合を決めた場面で、
1塁ランナーの栗山選手が、
ライト前のポテンヒット(2塁手とライトがお見合い)で、
1塁から長躯、
悠々とホームインしたシーンに象徴されました。

考えてみれば西武ライオンズ。
黄金時代と言われる80年代後半~90年代前半にかけては、
こういった『走塁での意識の高さ』が強さの源泉でした。

87年の巨人との日本シリーズ、
クロマティの緩慢な外野からの返球を見越した、
センター前ヒットで1塁から生還した辻の走塁や、
センターフライで2塁からタッチアップしてホームを陥れた清原の走塁などが思い出されます。

92年のヤクルトとの日本シリーズでも、
1点ビハインドの最終回、
1塁ランナーの大塚が秋山のセンター前ヒットで同じく長躯ホームイン、
同点に追いついたシーンもありました。

いずれも普段から走塁での『全力疾走で次の塁を狙う』意識付けが出来ていなければ、
とてもできるプレーではありません。

当時の『鬼軍曹』、
走塁コーチの伊原氏が選手たちの意識を、
極限まで高く保ってくれたおかげです。

その当時、
西武の試合っぷりを見ていると、
投打のタレントが揃っていたことよりも、
守備、走塁といった一見”地味”に見えるプレーに、
【王者としての質の高さ】
が垣間見えたものでした。

野球の質が他のパ・リーグのチームとは大きく違っていたため、
ワタシはいつもペナントレースを見ながら、
『最後は絶対に西武が優勝をものにする』
ということを確信していましたっけね。

主砲が打てないとか、
エースが勝てないなんてことは山ほどありましたが、
チーム力の高さというものは決してぶれることはありませんでした。

いつぞやの優勝の時は、
森監督や石毛が、
『シーズンを通して集中力を保ち、全力疾走を怠らないという基本を忘れなかったことが優勝の要因』
と語っていたこともありました。

『意識の違い』が、
9年間で8回のリーグ優勝という結果に跳ね返ってきていたのだと思います。


その後、
オーナー自らが何をトチ狂ったのか、
『【面白い野球】の方が【強い野球】に勝る』
とでも言いたげな言動などを繰り返し、
チームは明らかに方向性を見失って弱体化していきました。

西武球団も親会社の経営危機から球団を存続させることに躍起になり、
『勝つよりも人気のあるスター作り』
にまい進していったように思います。

その方針通りのチームは出来上がったと思いますが、
失ったものも大きく、
結局は【スター頼み】の一見派手なチームになりました。

これが『面白い野球』と言えばそういえるかもしれませんが、
『面白い』というよりも『わかりやすい』と言い換えたほうがいいかもしれない野球とも言えるでしょう。

分かりやすい野球は、
派手ではありますが同時に、
本当に『勝負弱い』という、
かつてからは考えられない副産物も生み出してしまったと思います。

守備、走塁、抑えや中継ぎ・・・・・・。

最も試合における『キモ』の部分がすっぽりと抜け落ちてしまったチームは、
ワタシには長期に迷走しているように見えていました。

その象徴、
中島選手だと思っています。

彼のバッティング、
本当にセンス抜群で高い能力を有していると思います。

しかし彼の守備力、
できるのにしない走塁など、
チームが強くなるためにしなければならないこと、
彼はやっていたのでしょうか。

ワタシは良く、
彼をかつての”ミスターライオンズ”石毛選手と比較してみていました。

『野球選手としての能力』を比較すると、
明らかに中島選手の方が上だと思います。

しかしながら、
チームリーダーとして、
チームに与えるトータルな能力を考えると、
明らかに石毛選手の方が上のような気がしますね。

まあ、
石毛選手は【昭和型】で、中島選手は【平成型】の選手ということも言えますけどね。

石毛選手は、
『勝っていくチームのリーダー』で、
中島選手は、
『下位球団の中心選手』のような風情があると思っています。

中島選手には、
デビューの時からずっと見続けていて『いい選手だな』とずっと思っていたので、
彼が【スター】と世間から言われるようになったある時期以降、
全力疾走を行わなくなったことや、
何かチームを勝たせるためにプレーしているということが希薄だと感じるようになって、
本気で応援できなくなっている自分がいました。


しかし・・・。

今年は栗山、秋山という『トータルレベルの高い』選手がチームを引っ張り、
そこに金子選手という『次代のスター候補』が入団して来て結果を出しています。
この3人の今シーズンの守備や走塁時の『意識の高さ』を見るにつけ、
『ライオンズ新時代』がやってくる予感を、
ビンビン感じて嬉しい限りです。

躓いていしまっている永江選手も、
必死にもがき苦しみながら這い上がってきてほしいですね。

そして彼らが名実ともに【チームの顔】になった時、
【ライオンズの逆襲】は始まると思います。

『プロ野球は、やっぱり勝ってなんぼ』の世界。


ワタシは本音では、
今年はもしかすると勝てないかもしれないと思っていますが、
チームの変革を目の当たりにすると、
応援に足を運びたくなってきますね。

ライオンズの今シーズンの戦いぶりが、
一層楽しみになってきました。


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