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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

大相撲初場所  貴景勝 大関の矜持

2023年01月23日 | 相撲

大相撲初場所千秋楽。

結びの一番で、
大関・貴景勝が平幕の琴勝峰を見事なすくい投げで一回転させ優勝。

大関の威厳と矜持を見せて、
見事に23年初めての場所を締めくくりました。

それにしても、
貴景勝は今場所、
見事な「気持ち」を見せてくれました。

不安のあった首の状態も良さそうで、
さらにワタシには「太りすぎてもいない、やせすぎてもいない」という、
理想の体重で土俵に上がっているように見えて、
体調の良さが調子のよさにつながっていたと思います。

今場所は横綱・照ノ富士が休場し、
2場所前まで同じ大関として相撲を取っていた御嶽海、正代が相次いで陥落。

大関以上がなんと貴景勝ひとりという「まさに非常事態」の中での相撲でした。
ワタシは貴景勝が、
大関の地位と責任感を意識するあまり、
硬さが出てバタバタの相撲になるんじゃないかと危惧していましたが、
早々の1敗の後はずっと安定した相撲で勝ち星を重ねましたね。

個人的には、
とかく星を落としがちな7,8日目に当たった、
翠富士戦、そして錦富士戦がポイントだったのではないかと思っています。

この両日、
翠富士、そして錦富士の両伊勢ケ浜勢は、
とにかく「大関を倒してやる」の気迫満点で、
バチンバチンと委細構わず突っ張り、張り手を繰り出してきました。

これに応戦した貴景勝、
ギリギリで勝ちを手繰り寄せた後は、
連日の血まみれの顔面で勝ち名乗りを受ける、
苦しい相撲となりましたが、
ここで再度「大関としての矜持」を見せつけた形となりましたね。

その後前半の激戦の疲れからか動きが鈍くなり連敗を喫しましたが、
13日目に優勝を争う昔からのライバル・阿武咲を破り復活。

千秋楽では堂々とした「横綱相撲(どっしりとした動じない相撲、の意)」を見せて、
同星の琴勝峰を寄せ付けませんでした。
見事な優勝だったと思います。

もちろんこの優勝で横綱に上がれるかというと、
星からしても安定感からしても、
ちょっとまだ早いんじゃないかという気はしています。

しかし来場所優勝すれば、
横綱に推挙されることは明白。
このチャンス、
逃さないでほしいですね。

何しろ貴乃花の最後の弟子。
厳しく鍛えられていたのですから、
角界最高峰まで、上り詰めてほしいものです。

ワタシの心配は、
もし来場所貴景勝が横綱昇進を決めたら、
「大関不在」
になってしまうという事。

期待の関脇・若隆景と豊昇龍は、
勝ち越しこそ決めたものの、
『3場所32勝以上』
という基準に照らせば、
大関取りは最初から・・・・・・という事になってしまった感じですよね。

わずかに小結の霧馬山が、
安定した相撲で今場所11勝を挙げて、
大関候補の一番手に躍り出てきたのが明るいニュースですかね。


今場所を総括すると、
貴景勝が頑張ってくれたものの、
やはりほかの役力士の星が思うように上がらなかったですね。

関脇4人に大いに期待したのですが、
9勝の若隆景、8勝の豊昇龍と、
ほか2人は負け越し。

小結は霧馬山の11勝を筆頭に、
4人のうち3人が勝ち越したのはよかったですけどね。
琴ノ若は新三役で苦しみながら勝ち越し。
大関候補として、
飛躍の年になりそうな予感がします。

若元春も、
本当によく勝ち越しました。
実力がついてきていますね。

平幕では東筆頭の翔猿が千秋楽に勝ち越しを決め、
西の大栄翔も10勝。

実力者の玉鷲、阿炎も勝ち越しを決め、
来場所はさらに上で優勝をも狙ってくるでしょう。

優勝を争った琴勝峰は、
ようやく「大器」と言われた片りんを見せてきましたね。
先を行く琴ノ若を、
追っていけるでしょうか。
阿武咲も大きく水をあけられてしまった昔からのライバル・貴景勝に、
どこまで迫っていけるでしょうか。

そして今場所最大の話題をさらったのは、
14勝1敗で十両優勝を飾った元大関の朝乃山。

NHKの動画再生回数で連日、
幕内の対戦をしり目に「その日最も見られた取り組み」を続ける人気ぶり。
6場所出場停止という、
力士生命をも奪いかねない厳しい活動停止期間を乗り越え、
見事に復活してきました。

その姿は、
横綱・照ノ富士が復活してきたときと重なり合います。

もともと日本人は、
苦労して上がってきた選手(力士)が大好き。
朝乃山の人気、
大関在位期間よりもずっと上がっています。

果して来場所は、
幕内に上がれるのか否か。

星を見ると少し厳しいかな?という感じもしますが、
相撲を盛り上げるという事ならば、
上げてもいいのではないかと思います。


そして驚いたのが、
幕下付け出し15枚目格でデビュー場所を迎えた19歳の落合。
相撲っぷりを見ていると、
もう完全に幕下の域は越えていて、
十両でもかなりいい相撲を取る感じがしますね。
まさに大器です。

速さ、重さ、キレ。

宮城野部屋ですから、
白鵬にしっかりと鍛えてもらって、
早いうちに幕内でその相撲を見たいですね。

大相撲も完全に新時代を迎える準備という期間になっているようで、
その混沌がワタシ、
面白くてしょうがありません。

来場所は一体、
誰が優勝争いに飛び出してくるのか?

ますます目が離せなくなってきています。

連日の満員御礼も、
コロナの制限が撤廃されたという要因だけではなく、
面白い大相撲にみんなが注目している、
と見て取れるのではないでしょうか。



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