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第95回全国高校野球選手権大会 予選展望5 ≪中国・四国≫

2013年06月23日 | 高校野球

第95回全国高校野球選手権大会 予選展望5


【岡山】(参加57校)
やはり関西が力で上回る。試合巧者の倉敷商が猛追。

◎ 関西 倉敷商
〇 岡山理大付 倉敷工 
△ 玉野光南 岡山城東
▲ 玉島商 興譲館 

関西は本来、全国大会で上位に行ける戦力を揃えて選抜に臨んだはずだが、思い通りの結果は得られなかった。しかしそれは、2年前の自チームの姿と重なる。あの時もあえなく選抜では初戦敗退をしたが、捲土重来を期した夏は選手権4強。初の全国制覇一歩手前までたどり着いた。その経験を踏まえて臨む今年の夏も、本命はやはり関西で疑いない。エース児山は左腕本来のキレのあるスライダーが武器で、球の出し入れができる好投手。森川・土井の中軸がしっかりとエースを支えることが出来れば心配はない。連覇を狙う倉敷商は、今年も分厚い投手陣で殴り込みをかける。接戦得意で、夏の戦い方も熟知する”候補”だ。春Vを飾った岡山理大付は、最近は好選手を輩出する人材の宝庫としての評価が高い。その反面甲子園にはなかなか届いていないが、今年は打線が活発で十分に狙える位置までチームが上がってきた印象だ。ベテラン早川監督が11年ぶりに狙うのは、甲子園の土を踏むだけではなく、99年選手権準優勝の再現だ。ここ数年悔しい負け方が続いた玉野光南も、創立30周年の節目の年に甲子園を誓っている。岡山城東も久々の登場。興譲館が初めての夏を狙えば、玉島商はなんと昭和49年以来の甲子園を狙う。創部半年で選抜を射止めた創志学園は、あれから3度目の夏を迎える。昨年の悔しさを忘れず再出発したナインに、夏の栄冠は輝くのか。

 

【広島】(参加93校)
安定感抜群の広陵の攻守。春の中国大会制覇の瀬戸内、大型チームの如水館が追う。

◎ 広陵
〇 瀬戸内 如水館
△ 広島工 広島商 
▲ 広島新庄 崇徳

センバツで済美に延長の末敗れてから、しばらく広陵の足取りは重かった。しかし選手の質、采配の妙、選手育成能力など、どれをとっても県内ではピカイチを誇る広陵は、夏に向けてしっかりと戦う態勢を整えてきた。Max145キロのエース・下石はセンバツで済美の安楽に一歩も引けを取らない投球を見せた。打線も一発の打者を揃え、しかも小技も効くチームだ。その広陵に挑戦状をたたきつけたのが、春の中国大会準Vを飾った瀬戸内だ。エース山岡の存在がなんといってもチームの支えだ。下石に強烈なライバル意識を持つこの右腕、Max147キロを投げ、おまけにスライダーのキレが抜群。36イニングで52三振と”驚愕の数字”を残した相手が、広島商、広陵、如水館、新庄というんだから恐れ入る。広陵とガチンコ勝負のできる大型チームは、この瀬戸内しかいない。今のところ、その力は五分に見える。さて、この2強はかなりの力を持ったチームだが、後に続くチームもまた、なかなかのもの。1年生の時、聖地で4番として3試合を経験した島崎を擁するのが如水館。毎年夏にはベテラン迫田監督の元チームを仕上げてくるこの強豪、今年も広陵、瀬戸内には負けないと気持ちも強い。そして注目なのが、『左腕では西日本NO1』と言われる新庄のエース・田口。桐光・松井と並び称されるこの左腕、Max145キロの速球にスライダーを絶妙に配し、相手打線をキリキリまいさせる。上位に比べてどうしても打線は見劣りするものの、”田口仁王立ち”のシーンが増えれば、確実に大会は盛り上がりを見せるだろう。昨年の代表広島工は今年も夏での逆転を狙い、昨年準Vの崇徳も、悔しさを胸に勝負をかける。





【山口】(参加59校)
連覇に発進、宇部鴻城。高川学園、早鞆に、岩国勢も戦力充実。

◎ 宇部鴻城 高川学園 早鞆
〇 岩国商 岩国
△ 周防大島 華陵 宇部商
▲ 南陽工 柳井学園 

昨夏初出場の甲子園で大暴れした宇部鴻城は、その時のメンバーが残り連覇を狙う。エース甲斐は140キロに届こうかという速球が武器で、相手に容易に得点を与えない。『ノッてくると強い』という昨年同様の打線が流れを掴めれば、十分に連覇が考えられる戦力だ。春の中国大会Vの高川学園は、旧校名・多々良学園の時以来の甲子園を狙う。接戦に強いしぶとい好守が持ち味だが、無駄な点をやらないという投手を含めた守りは一級品だ。大越監督の薫陶を受けて投手陣が整備された早鞆も候補の一角。大槻・高須の2枚看板は、気持ちが前面に出てくるようになってその投球の精度もアップした。夏の苦しいときにその気持ちを出して相手を抑え込んでいけるかがカギ。選抜であの履正社を完封したエース高橋を擁する岩国商は、その再現を狙いたい。高橋はコントロールされたカーブ、スライダーがよく決まり、相手に的を絞らせない投球ができる好投手。しかし巷間言われるように、センバツはちょっと『出来すぎ』の感もあり、迫力不足の打線がエースを鋭くカバーできないと、苦しい戦いが続くことになる。まったく無名の周防大島に、どえらい投手が現れた。193センチの長身から140キロの剛球を投げおろすエース・藤谷だ。春はこの藤谷を前面に押し出して選抜帰りの岩国商を破るなど堂々と4強に進出。その勢いが継続しているなら、夏も面白いことになるがどうか。そのほかでは全員野球が持ち味の岩国、名門の宇部商、エース岡田の南陽工などが甲子園に向けて調整を続ける。一昨年の代表校、柳井学園は今年も人材の宝庫。波乱を演出できるか。




【鳥取】(参加25校)
25校参加の全国最小予選。米子北が勢いを持続か。

◎ 米子北
〇 八頭 鳥取城北
△ 米子松陰 鳥取商
▲ 鳥取西 倉吉総合産

25チームが参加する予選は、今年も全国最小。【大票田】の都市の地区と違い、シード校は4試合を勝ち抜けば甲子園まで届く。それだけに、戦い方はライバルに照準を絞ることが出来、独特の地区予選と言える。そして今年もまた、飛び抜けた実力を持つチームは現れなかった。県大会は秋、春ともに米子北が制したものの、春の中国大会では初戦でコールド負けの屈辱。【大本命】とは言い難い状況を演出している。そこそこの投手力を打率の高い打線が支えるチーム構成だが、夏に勢いに乗ったチームを止めきるほどの力強さは持っていない。その点からは、上位にはどのチームにも甲子園のチャンスが広がっているとみている。名門の八頭は、投打の中心である山根の出来次第。彼の活躍が甲子園への最短キップとなろう。昨年の覇者、鳥取城北は力強い打球を放つ打線は昨年並みの破壊力を持つ。しかしながら、今年は投手陣に柱がいないのが気がかり。秋の準優勝、米子松陰は投打にさほど穴が見当たらないのが特徴。これといった特徴もないが、試合に強いタイプのチームだろう。このタイプは県内にはかなり多く、鳥取商、鳥取西、倉吉総合産なども同じタイプ。『高校生らしい総合力のチーム』ということも言えるが、どこかがバーンと力強い戦力を持てば、一気に混戦を駆け上がりそうな気配もある。




【島根】(参加39校)
開星・立正大淞南の2強時代に挑む、公立の名門・浜田、大社の夏。

◎ 開星
〇 立正大淞南
△ 浜田 大社 石見智翠館
▲ 益田翔陽 隠岐 出雲西

『ヤクザ監督』といわれた野々村監督から引き継いで2年目。チームは山内監督のイズムがようやく浸透してきて、春は優勝を飾った。毎年好選手を輩出した歴史は脈々と受け継がれたようで、今年の2年生エース・黒川も素材としてはいいものを持っている。Maxは140キロ超。甲子園で投げさせてみたい投手の一人だ。打線も大技、小技で攻めつける伝統は健在。今年のチームも、本命の位置をガッチリキープだ。昨年の代表校、立正大淞南は、春準優勝。やはりだんだん調子を上げて夏に挑む。昨年よりも長打力はないが、つなぎの野球で得点力はアップとの声も。2年連続で決勝で涙を飲んでいる岩見智翠館は、3度目の正直に賭けて聖地を狙う。今年はほとんど実績を残してはいないが、勝ち上がり方を知るだけに怖い存在だ。ことし活躍が期待されるのは、かつて県勢を引っ張ってきた公立の名門、浜田と大社だ。両チームともに今年は久々に勝ちあがる態勢を整えた。大社のエース片山は上位にとっては嫌な左腕の好投手。両校ともに、昔から『こうやったら勝てる』という高校野球メソッドのいっぱい詰まった、全国の高校のお手本になるようなチーム作りをしてきた。ぜひ勝ち進んで、甲子園を狙ってほしいところだ。選抜に21世紀枠で選ばれた益田翔陽は、その舞台で現実を思い知らされ、帰郷してからはやや低迷中。『いま一度』の強い気持ちが持てれば、その経験は生きてくる。隠岐、出雲西や松江商、浜田商など、上位を狙っているチームは数多い。



【香川】(参加40校)
尽誠学園の復活か!英明、寒川に高松商、丸亀城西など。追手は次々にその首を狙う。

◎ 尽誠学園
〇 英明 寒川
△ 高松商 丸亀城西 香川西 
▲ 琴平 丸亀 小豆島 

春の四国大会を制した尽誠学園が、低迷を抜けて6年ぶりの甲子園を視界にとらえた。武田、土肥に中山、新納と誰が投げても試合を作れる投手陣の厚さは県内随一。打線も破壊力があり、久々に尽誠らしい野球が見せられると監督の意気込みは高い。近年初出場を果たした強豪は、今年もガッチリと照準を夏に定める。”新3強”の英明、寒川、香川西だ。この3強、いずれも評判の低い年でもしっかりと夏にはチームを仕上げてきている。今年はターゲットを尽誠学園に絞って対策を練っていることだろう。1・2年生中心ながら、『甲子園に最短距離』ということで近畿圏中心に集めた戦力が厚い英明は、今年は打線で勝負の年。香川西、寒川もエース不在に苦しむものの野球の質は県内ではとびぬけて高く、夏は本命の一角に入ってくるはずだ。17年ぶりの出場を狙う高松商は、かつての勢いを取り戻すきっかけにしたい年だ。丸亀城西も8年ぶりの名門復活へ、質の高いバッテリーで勝負。春準優勝の琴平、昨年話題をさらった小豆島、春4強の多度津、秋4強の丸亀などの公立勢は、接戦に持ち込めば強豪とも十分に勝負できるとの目論見だ。




【徳島】(参加31校)
鳴門が優位も、侮れぬライバルたち。生光学園悲願の”私学初”キップか、それとも池田の華麗なる復活か。

◎ 鳴門 
〇 生光学園 徳島商 
△ 池田 川島 鳴門渦潮
▲ 小松島西 海部

4季連続の甲子園を狙う鳴門は、勝負強さが売り物。『戦力的にどうなの?』と言われている時でも、気がついてみれば勝っているという戦いぶりができるのが特徴だ。今年もセンバツを経験して、チームは一回り成長した。昨年のチームと比較すると全体に小粒感は否めないが、1番手の位置はがっちりと占めている。県内初の『私学代表』を狙う生光学園は、いよいよ勝負をかける年だ。中学で実績を残すチームをそのまま高校に引き上げて作る中高一貫の好チームだけに、一度は甲子園の風を感じさせてみたい。同じ流れで聖地を掴み取っている常葉橘(静岡)に続けと、意気軒高だ。名門の2校はどうだろうか。徳島商はエース坂本を軸に名門復活を狙う。甲子園を経験している主砲・瀧田はキャッチャーとして他校ににらみを利かせる存在に。今年のチームで秋春ともに県4強に進出した池田は、復活を遂げるのか。もう20年も聖地への進出が閉ざされ、昔日の面影はすっかりなくなったが、甲子園の指揮を経験した岡田監督が復帰してから徐々に復活への機運は見えてきた。『やまびこ打線』の最強チーム時ではなく、『さわやかイレブン』のチームに近い昨今の池田。甲子園でぜひ見てみたいチームのひとつだ。21世紀枠で出場したセンバツ以来県内でしっかりとした地位を維持し続ける川島は、今年も健在。春準優勝に輝いた力を見せると監督は力こぶ。合併2年の鳴門渦潮は、まだ合併効果を出せていない。しかしながら、例年夏にはしっかりとしたチームを作り上げてきており、今年も猛練習でつまらないミスがなくなってきて、チャンス到来だ。




【愛媛】(参加59校)
”打倒安楽”に燃える各校。迎え撃つ超高校級・安楽はセンバツの疲れを残していないかがカギ。

◎ 済美 
〇 今治西
△ 松山聖稜 川之江
▲ 松山商 宇和島東 丹原 

安楽の存在を抜きにして、今年の愛媛は語れない。熱投に熱投を重ねて全国準優勝までたどり着いたこの剛腕に、全国のファンは胸を熱くした。まだ2年生の安楽だが、その存在感は全国規模で見ても屈指。しかしそうやすやすと”聖地”に再登場を許すほど甘くないのも、また『全国勝率NO1』を誇る野球王国・愛媛の厳しさだ。まずは昨年に続いて連続出場を狙うのが今治西。昨年は甲子園には出たものの桐光の松井に22奪三振を喫し、すっかり引き立て役に甘んじてしまったこの名門が、復権をかけて臨んでくる夏だ。例年通り”小粒ながらピリリと辛い”戦力で臨む夏だが、安楽に対するライバル意識は相当なもの。『絶対甲子園までたどり着き、今度こそ松井を倒す』と意気盛んなところを見せる。まだ甲子園にたどり着いたことはないが、県内では強豪として名高い松山聖稜も今年は戦力を整えた。打線の底上げが『最後に残されたオプション』だ。名門も黙っているわけにはいかない。まず『夏将軍』松山商だが、元川之江の重沢監督を迎えて四度目の夏。そろそろ結果が欲しくて、OBたちもジリジリしているころだ。その川之江も10年間聖地には届いていない。11年前の夏、鮮烈に選手権4強に勝ちあがった勇姿は、ファンの目に焼き付いている。そろそろ暴れまわってもいいころだ。その他では、二度目の夏を狙う丹原や、宇和島東などの名前があがる。




【高知】(参加32校)
『実績は互角以上』で臨む高知の夏。照準はやはり、明徳一本。

◎ 高知 明徳義塾 
〇 高知商 土佐
△ 室戸 岡豊
▲ 中村 伊野商

苦しみながら高知が選抜で4強進出という実績を残した今春。これまでどうしても、甲子園での実績を積み上げられなかった高知に、これで自信が芽生えたのではないかと思う。島田監督やナインに巣食っていた『最後は明徳』という潜在的な脅威を取り払うことが出来れば、互角以上の戦いは十分に可能だ。その高知、坂本、酒井という投の二本柱ががっちりしていて、実に骨太のチームになった。もとより打線は和田恋を中心に強力。今年の戦力は、明徳と比べても一枚上回るように見受けられる。その高知に『立場逆転』されないよう、明徳義塾も秘策を練り込む。エース岸がどうしても安定できなかったこの1年だが、夏は伝統の猛練習で培われた自信で必ず復活してくるはず。昨夏終了時には、『今年の四国は、明徳で決まり』とまで言われた戦力で、高知に戦いを挑む。打線の鋭さ、守備の安定度では昨年の甲子園4強のチームをも上回るといわれる今年のチーム、甲子園”欠席”は許されない。この2強がどうにも充実した戦力を誇りマッチレースの様相だが、センバツで優勝した浦和学院と『最も競った試合』を見せた名門・土佐も意気盛んだ。土佐の力は、夏の大会になってこそ発揮されるというもの。他校にはない在校生・OB一体の大声援、全力疾走で一般ファンも味方につけ球場の雰囲気を支配するその戦いぶりは、他校にとって脅威に映るはずだ。名門と言えば、この所押されっぱなしの高知商。期待されたエース津村は期待ほどには伸びていない印象だが、春の県大会優勝などの実績を残し、今年は2強に一泡吹かせたいところだ。そのほかでは室戸、岡豊などの上位常連組や、復活を狙う中村、伊野商などの戦いぶりも注目だ。  


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