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第98回全国高校野球選手権大会  予選展望Vol6 ≪北信越≫

2016年06月25日 | 高校野球

≪第98回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望6 北信越地区 -


 

 【新潟】(参加86校) 
日本文理と新潟明訓の2強対決が濃厚。北越・中越がどこまで迫れるか。

◎ 日本文理 新潟明訓
〇 北越 中越
△ 村上桜ヶ丘 長岡大手 東京学館新潟
▲ 新潟県央工 長岡工 加茂暁星

長く県高校野球界をけん引した日本文理、新潟明訓の両校による”宿命の対決”が、今年は復活しそうな気配だ。秋は日本文理、春は新潟明訓が県大会を制し、両校の実績、戦力のほとんど差はない。新潟明訓は打線にパワーがあり、投手陣にも豊富な陣容をそろえる。名将・佐藤監督退任後なかなかトップの座に返り咲けなかったが、今年は満を持して送り出せる戦力が整ったといえる。対する日本文理。ベテランの大井監督に率いられ、今年も狙える戦力にチームを整えてきた。エース不在時に投手陣の底上げを図った春の成果が出て、夏は厚い戦力で勝負できそうな感じだ。打線は左打者が中軸に並び、右腕偏重の投手陣を持つライバル・新潟明訓との勝負になれば『分がいいのでは』と自信を持っている。両校の直接対決が最も注目を浴びる県大会となりそうだが、昨夏代表の中越や初の代表を狙う北越なども虎視眈々。中越は左腕今村の成長が連覇のカギ。北越はバランスの取れた戦力だが、強豪には力負けする可能性もある。秋準優勝の村上桜ケ丘は、秋の勢いをもう一度取り戻したいところだ。長岡大手、長岡工の長岡勢も面白い戦力を持ち上位を狙う。新興勢力である加茂暁星は、今年も下級生をずらりとメンバーに並べた布陣で、秋からの”本格化”への布石を打つ大会となりそうだ。東京学館新潟のエース山田、新潟県央工の切れ目のない打線なども夏を戦ううえで注目されるところだ。




【長野】(参加84校)  
エース復調で連覇狙う上田西。夏に強い佐久長聖も”隔年甲子園”は譲れない。

◎ 上田西 佐久長聖
〇 松商学園 松本第一
△ 長野商 長野日大  
▲ 東海大諏訪 都市大塩尻

昨年2年生ながら甲子園のマウンドで素晴らしい投球を披露した上田西のエース草海。その草海の出来に大きく左右される大会になりそうだ。連覇を狙うその上田西は、どう見ても昨年より打線の迫力は一段落ちる。そのため中軸も務める草海にかかる負担は大きく、彼の二刀流が最大限威力を発揮しないと甲子園は見えてこない。一方過去4年連続で夏の決勝に出場し2度制覇している佐久長聖は、分厚い戦力で総合力での勝負をかける。エース小林の右腕と主将・元山の2枚看板は頼りになり、戦力的には県内トップを行く。春の県大会を制した松本第一は、初の聖地に向けて今年は勝負の年。左腕3枚を擁する投手陣は強力で、それを援護する打線もようやく形になってきた印象だ。栄光への階段を登り切ることができるか。そうはさせじと名門の松商学園も狙いを一つに定める。春は打線が機能して準優勝を飾ったが、昨選抜のように好投手には打線が”完黙”する危険性もはらんでおり、安定感という点では今一つか。長野商は秋の大会で優勝。春は実績を残せなかったが、選抜を寸前まで手繰り寄せていた好チームだ。”3本の矢”といわれる投手陣に足を絡めた攻撃力で、一気に頂点まで駆け上がりたい。長野日大は春4強。エースで4番を任せられる坪井の活躍に期待。都市大塩尻も圏内。そして校名変更最初の夏となる東海大諏訪が、夏は久々の代表の座を狙っている。




【富山】(参加47校)  
富山第一は3年ぶり2度目を狙う。高岡商も急上昇で、レベルの上がった楽しみな大会。

◎ 富山第一 
〇 高岡商
△ 富山商 滑川 富山東 富山 
▲ 富山国際大付 新湊 砺波工 

進境著しい富山県の高校野球界。今年の春季北信越大会でも、高岡商が準優勝、富山第一が4強と存在感を見せつけた。夏の覇権争いは、この両校が中心になると思われる。春の県大会を制した富山第一は、3年前の甲子園8強のチームとよく似た好チームに仕上がった。エース中津原は140キロ台中盤の速球で押す本格派。そして2番手にも同タイプの森が控え、万全の2枚看板となった。打線は相変わらずの積極的な攻撃力で、得点能力は高い。大事なところで勝ちきれないメンタル面での弱さだけが心配と監督も語る。その春季北信越大会で準優勝まで上り詰めた高岡商は、実りの多い春となった。昨夏甲子園であの関東一相手に大逆襲をした打線は、北信越大会でも9回3点差を大逆転するという離れ業を見せ、すっかり逆襲という試合展開に自信をつけている。投手陣が若干心配ではあるが、メンタル面での強さを持つナインは、連覇に自信満々だ。2強対決が濃厚とは言うものの、他にもなかなかの好チームがそろっている。筆頭格は富山商。伝統の守りは健在だが、投手力に一抹の不安を残す。聖地帰還へのカギは投手陣の整備か。滑川は秋春ともに4強入り。安定感抜群の戦い方を見せるが、逆に言えば『最後の壁』を破れてもいない。その壁を突破する要因を探して、チームを鍛えている。秋に富山第一を破った富山東が、一躍ダークホースの座へ。技巧派左腕のエース帯刀を軸にした守りの野球で、春の再戦でも富山第一打線を延長まで抑え込み、その力を見せた。富山第一にとっては、最も当たりたくない相手だろう。進学校の富山も春は4強入り。元富山商の名将・沢田監督が指揮を執る注目株で、夏の大会での活躍が楽しみなチームだ。その他では富山国際大付のエース若杉の投球に注目。プロ注目の184センチ大型左腕だ。覇権奪回を狙う新湊や砺波工も、優勝を見据えた戦いをする。




【石川】(参加50校)
名門・星稜が盤石。実力派・遊学館も打線の破壊力はNO1。

◎ 星稜
〇 遊学館
△ 金沢 小松大谷 金沢商
▲ 金沢西 北陸学院 日本航空石川 金沢学院東 小松 

星稜・遊学館の2強が他を引き離し、夏の覇権は両校の決着戦の結果如何か。星稜は秋は早くに敗退、春も最初はどことなく自信なさげな戦いぶりだったが、接戦を制して勝ち進みだして、ナインが完全に自信を持った。北信越大会で敦賀気比のエース山崎を完全に攻略してコールド勝ち、勢いに乗って北信越大会を制した力は本物とみてよいだろう。2年生がチームの中心に座る構成だが、それだけに勢いの付き方がハンパじゃなかった。夏もその成長曲線は、とどまるところを知らないと考えるのが、妥当な線と思われる。対抗馬には連覇を狙う遊学館が上がる。こちらは昨夏の甲子園メンバー4人を残し、経験で勝負。昨年の小孫のような絶対のエースはいないが、打線の破壊力はむしろ今年のほうが上との評価もある。夏の戦い方を肌で知っているという意味からは、遊学館がむしろ星稜より有力との見方も、できないことはない。今年は春にかけてこの両校がぐっとチーム力をアップさせ、夏もこのままのマッチレースだと思われるが、追っていく各校も黙っているわけにはいかない。”3強”から近年ややこぼれ落ち気味な名門・金沢は、2年生エース今村の成長に期待だ。一昨年夏、昨年夏と星稜とともに歴史に名を刻む激闘を繰り広げる小松大谷は、今年こそはの期待も大きい。過去2年に比べやや戦力的には小粒になったとはいえ、『夏は何かやってくる』というイメージは、対戦するうえで各校の脅威になるかもしれない。春準優勝の金沢商は、その後の北信越大会で大差負けを喫してやや勢いが止まった印象。金沢西のエース砂山は今年の石川大会屈指の好投手。早いうちの対戦は避けたい、上位校泣かせの好投手だ。ダークホースの中では、新興勢力といえる北陸学院の戦いに注目。また新たな好チームの出現は、県内各チームを活性化する。金森監督3年目になる金沢学院東の、今年の戦いぶりにも注目している。



【福井】(参加30校) 
絶対の大本命・敦賀気比に迫る福井工大福井。大八木監督が今年にかける啓新も圏内へ。

◎ 敦賀気比
〇 福井工大福井 啓新  
△ 福井商 
▲ 美方 北陸

昨年の選抜で県勢悲願の全国制覇を成し遂げた敦賀気比。圧倒的な打力とプロも注目する剛腕のコラボは、県内の他校に、プロ野球のソフトバンク並みに『かないっこね~よ』という感情を植え付けたことだろう。今年も圧倒的な強さで秋の北信越大会を制し、選抜連覇を狙って甲子園に勇躍乗り込んだが、昨年と違って何か守りに入ってしまったような野球に終始して聖地で2回戦敗退。そこから現在まで、今一つ『乗り切れない』日々を過ごしてきた印象だ。敦賀気比にとっては、この夏途切れることなく甲子園に出続けることができるか、それとも盛り上がりを欠いたまま他校の軍門に下るかは、これからの敦賀気比の県内での立ち位置を決めるためにとても大切だと考えている。もし今年も県大会を圧勝するようだと、しばらく福井の高校野球界には『絶対王者』が君臨すると思われる。高知や和歌山のように。敦賀気比はプロ注目のエース山崎のコンディションが今一つではあるが、それよりも心配なのは攻撃陣の方か。選抜でまさかの敗戦を喫した要因は打線の湿り。各校はかなり彼らの選抜や北信越大会での戦いぶりを研究しているはずで、包囲網を強いてくるはずだ。その包囲網の中、敦賀気比はどう戦うのか。追ってくる一番手は選抜出場の福井工大福井。このチーム、打力、投手力ともにそこそこ全国レベルにあるが、突き抜けるものは持っていない。敦賀気比との”頂上決戦”になった時に、秘策はあるか?一方かつての東海大甲府の名将・大八木監督が率いて5年目を迎える啓新は、そろそろ結果が欲しいところ。確かに選手の質はいいものがあるが、いつも感じるが戦いぶりが安定しないのが弱点か。トーナメントを戦ううえでは、『今日はだめな日』を作らないことは最も大切かと思われる。壁を破れるか。名門の福井商は、ライバル・敦賀気比に若干水をあけられているという印象がある。名門といえども公立校だけにいろいろな苦労があるとは思われるが、北野前監督はそんな中で結果を何十年にもわたりだし続けてきた。ぜひとも優勝争いに加わり、”炎のチーム”の矜持を見せてほしいものだ。


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