《春季高校野球関東大会》
【2回戦】
浦和学院 2-0 日大三
専大松戸 3-1 佐野日大
桐光学園 4-3 花咲徳栄 (延長12回)
桐光学園“土手ファン”としては、
居ても立っても居られず、
栃木まで来てしまいました。
前評判通り、
朝7時半前から、
清原球場のチケット売り場前には長蛇の列が。
そして球場の中も、
外野こそ解放されませんでしたが、
内野席はほぼびっしりと埋まっていました。
まあ、
“高校野球ファン”
として、
この日の3試合は、
掛け値なしに『来て良かったぁ』
という試合でした。
春季地区大会というと、
各地でその位置づけに若干の温度差があって、
現実に『夏の甲子園には繋がらない』以上に、
大会自体が『夏の大会の顔ぶれとは全く違う』というところもありますが、
関東大会は結構夏の地方大会の『プレ大会』的な位置づけがあるのか、
顔ぶれも試合内容も、
『関東のトップを決める』
というに相応しい大会となっているように感じる大会ですね。
昨日は、
第一試合で春の選抜優勝の浦和学院が登場。
我が『地元の誇り』であり、
江戸っ子野球が持ち味の日大三高との対戦となりました。
考えてみれば、
今年の三年生は両軍ともに『全国制覇』を経験しているという、
なんとも贅沢な顔合わせ。
試合は一点を争うジリジリした展開で、
終始押し気味に試合を進めた日大三高がどうしても得点を奪えないスキに、
浦和学院が終盤相手のミスからタイムリーとつなげて2点を奪い、
さすがの試合運びで初戦突破を果たしました。
浦和学院の選抜優勝投手・小島クンは、
本当に『さすが』と唸ってしまうピッチングでした。
ワタシの目には決して調子がいいとは映りませんでしたが、
それでも日大三高打線に10安打を浴びながら完封した投球は、
彼のポテンシャルの高さを如実に表していました。
チームとして、
これ程頼りになるエースはなかなかいるもんじゃありません。
やはり浦学、
『強いなぁ』
という印象です。
ワタシがファンの日大三高。
残念な結果に終わりましたが、
彼らの強みも弱みも全部が表れたこの春の大会でした。
負けたとはいえ、
各選手の振りの鋭さはさすが。
選抜で猛打をふるった浦学打線と比較しても、
一歩も引けを取りませんでした。
夏には『強打三高』を、
全国のファンに披露できそうですね。
エースの大場クンも、
ナイスピッチング。
夏への展望が大きく開ける奮闘でしたね。
やや心配があるとすれば、
左右に限らず、
何か『苦手なタイプ』のピッチャーを持っているような感じがあるのですが、
シッカリと対策を立てて夏に臨んで欲しいと思っています。
第二試合では、
専大松戸のサブマリン・高橋投手の投球に魅了されてしまいました。
“センマツ”悲願の甲子園には、
あとは高橋クンが疲労を溜めてきた夏の大会の終盤戦に、
どう打線や他の投手がカバーできるかという事にかかっている気がします。
昨日のピッチングをすれば、
恐らくほとんど打ち込まれることはないでしょう。
しかしながら、
球が浮き始めると一転。。。
という事がどうしても頭に浮かんでしまいます。
チームとして課題を克服したその先に、
【歓喜の瞬間】
が待っているのではないでしょうか。
さて、
2試合をタップリと堪能したあと、
お目当ての第三試合が始まりました。
桐光・松井投手を目当てに、
栃木清原球場は一万人+の人達が駆けつけました。
ほとんどの人達が車での来場だったため、
球場周辺は本当に車が多かったそうです。
(我々は朝早くから球場中にいたので、あまりよくわかりませんでしたが)
松井投手がブルペンでピッチングを始めると、
そのピッチングを一目みようと、
ファンが正に“スズナリ”になって、
満員電車のような風情になっていましたが、
彼がピッチングを終えると、
皆さん蜘蛛の子を散らしたように、
サーっと自分の席に戻って行ったのは面白い光景でした。
さて、
ここは栃木県。
この松井フィーバーとも言える状況は、
遠く40年前の“江川フィーバー”になぞらえて紹介される事も多く、
球場でもベテランのファン達が、
口々に『江川の時は』
なんて語っているのを耳にしました。
『10年一昔』
なんて事を言いますが、
【何昔】
も前の事をある瞬間に思い出すなんて事も、
高校野球の楽しさだなぁなんて、
つくづく感じました。
さて試合です。
松井投手。
今年に入ってワタシは、
彼の投球を見るのは8試合目。
間違いなく昨日の投球は、
【今年に入って最悪】
の出来だったと思います。
ブルペンの時からカラダが重そうで、
明らかに球威がないのが分かりました。
しかも、あまり最近は見なくなっていた“抜けダマ”もしばしば。
先週末は遠征で宮崎県に行き雨の中の試合をやってきたなんてこともあり、
『だいぶ疲れているなあ・・・』
と若干心配していたものの、
立ち上がりは無難に立ち上がってくれます。
中盤までは0-0.
しかもキッチリと、
1イニングに2個づつ三振を積み重ね、
確か5回終了時でこの日も”二ケタ三振”に乗せてくれました。
だがセンバツ出場チームで、
この春はやや調子を落としているものの、
もともと力を持っている花咲徳栄の打線。
徐々に松井をとらえ始めました。
4回に心配されていたWPで先制されると、
6回には2者を置いてレフトに逆風をものともしないタイムリー2点二塁打を浴び3失点。
0-3
と厳しい展開となりました。
しかしワタシは、
この試合を見ていてニンマリ。
野呂監督、
『このチームの弱点になり得るのは、松井に頼りすぎていること』とのコメントを出しているように、
松井が投げている試合では、
ほとんど”ビハインドで後半戦”という試合がないのが事実。
とするならば、
このガチンコの公式戦で、
力のある花咲徳栄を相手にこの状況は願ったりかなったり。
夏に向けて、
本当に貴重な展開となったと思っていました。
花咲徳栄のエース・関口クンは、
140キロ台の速球とフォーク(?)を駆使して、
ほとんどランナーを塁に出しもしない完ぺきなピッチングを続けていました。
『もしこの相手にこの点差から逆転勝ちをすることがあれば、チーム力は1段上がる』
そんな感じで見ていた6回、
9番・竹中の3塁打から始まり、
小技を絡めてあっという間に同点。
昨夏の神奈川県大会、
横浜戦、桐蔭学園戦を見ているような打線のつながりを見せてくれて、
厳しいビハインドの状況から土俵の中央まで押し戻してくれました。
その後はライト・重村の大ファインプレーが出るなのしてふらつきそうな松井をしっかりと守備がサポート。
延長12回、
最後は竹中のサヨナラヒットでこの激戦を制しました。
松井は12回を、
あれだけ苦しみながら被安打6、奪三振18、失点3で完投。
さすがのピッチングでした。
『疲れがある時、悪いときにどんなピッチングができるのか』
が彼に与えられた高校最後の命題でしょう。
その点から考えると、
今日のピッチングはまさに”収穫満点”でした。
そういえば、
昨日は面白い対決がありました。
松井投手と花咲徳栄の関口投手。
両投手ともに”プロ注目”の選手ですが、
実は中学時代は同じシニアチームの出身。
両投手ともに、
1番手のいわゆる”エース”ではありませんでした。
そしてその投手陣の球を受けていたのが桐光の鈴木捕手。
内野の要のセカンドが花咲徳栄の楠本選手。
なんだか『同窓会』のような趣でした。
関口クンと楠本クンが打席の時、
鈴木クンと何か話しているのかなあ・・・・
なんて思って見ていましたが、
そう思って見るとなかなか配球なども興味深いものがありました。
投・松井 vs 打・関口
投・関口 vs 打・松井
の対戦の時は、
何だかにやりと『アイコンタクト』していたように見えたのは、
ワタシの錯覚?
実に面白く、
対戦を楽しめました。
春季大会ならではのココロモチですね。
夏の大会じゃあ、こうはいきません。
桐光学園は、
チームにとっても、
今日の勝ちは本当に大きいし、自信がついたと思います。
そんな試合を見ることが出来て、
はるばる栃木の地までやってきた甲斐もあるってもんです。
ゆっくり餃子を食べてから雨の中高速を飛ばし・・・・・
帰ったら10時過ぎていました。
『今週一週間は、なんだかつらそう…』
と思いますが、
疲れを振り切って、
松井クンの様に、
張り切って1週間を過ごしていきたいものですね。
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