実は昨日、
あるところでビジネスの話をしている時、
街のビジョンの声がとぎれとぎれに、ちらほらと聞こえてきました。
『ミスターと呼ばれ・・・・・』
『天覧試合でホームランを・・・・・』
『2度の監督を務めて2度の日本一に輝き・・・・』
ところどころ端折られながら聞こえたり聞こえなかったり。。。。。
ワタシは胸騒ぎを覚え、
話している最中気もそぞろ。
『ミスターに何かあったんじゃないだろうか』
大鵬さんのこともあったので、
ドキドキが止まりませんでした。
話が終わったすぐ後、
ワタシは一人になると、
スマホの速報を開きました。
そしてそこで、
胸騒ぎは歓喜へと。
なんと、
長嶋さんと松井さんの二人に、
≪国民栄誉賞≫
が贈られるということ。
ホッとしたというかなんというか、
予期せぬことに、
ビックリしました。
まずは心から『おめでとう』の言葉を贈りたいと思います。
国民栄誉賞は1977年に、
王さんのホームラン世界記録に対して贈られたのが最初です。
王さん、
そして亡くなった古賀正男さん、長谷川一夫さん、植村直己さん・・・・・。
このあたりまでは分かりましたが、
その後は時の政権が人気浮揚策として使うケースが増えだして、
オリンピックの金メダリストに次々と授与するようになってからは、
ワタシも『へ~』ぐらいの感慨しかない賞となっていました。
スポーツの世界で言うと、
大鵬さんの例をとるまでもなく、
昭和(末期を除く)に活躍した人達は、
『どんなに功績が大きくとも、その人が亡くならないともらえない』
という流れが定着しているようでした。
例を出して恐縮なのですが、
千代の富士、高橋尚子、なでしこジャパン、吉田沙保里。
この選手たちが、
長嶋や大鵬を凌駕した国民的英雄だったとは、ワタシにはとても思えません。
『なぜ長嶋はこの賞をもらえないのか』
長年疑問に思っていたことですが、
昨日ようやくその疑問に対する『解答』を出してくれましたね。
大鵬の時の轍を踏まず、
遅きに失する前でよかったと、
心から思います。
さて、
長嶋さんについては、
今更言うまでもない≪国民的ヒーロー≫というよりも、
50代以上の人たちにとっては『唯一無二の存在』でしょう。
ワタシは昭和40年代の生まれなので、
長嶋さんの現役の時の勇姿は、
リアルタイムではほとんど見ていません。
そして記憶にも残っていません。
球場で長嶋さんを見た事も、
両手に余るぐらいでしょうか。
しかしながら、
なぜだかあの華麗な守備や豪快なバッティングは、
心に深く刻まれてしまっています。
なぜなんでしょうね。
そしてあの引退のセレモニー。
あのセレモニーだけは、
学校から帰って、
テレビにかじりつきながら見た記憶があります。
その時の風景や息遣い、
見ていた部屋の自分の周りの様子などは、
はっきりと思い出せます。
それほど印象深い出来事だったんですね。
そして現役時代以上にワタシの心に残っているのは、
【第1次長嶋政権】の時の若々しい監督姿です。
時代も違うので今と比較はできませんが、
長嶋さんが監督に就任したのは何と39歳。
若々しいはずですよ。
当時は『常勝』の旗を降ろしかけた巨人で、
名将・川上氏の後を継いだことから、
何かと揶揄されることの多かった采配でしたが、
『若々しくて面白い野球』
だったことは疑いがありません。
中でも昭和51年は、
前年の最下位から一気に優勝。
日本シリーズでも、
敗れたとはいえ3連敗から3連勝して一気に追いつくなど、
勝っても負けても劇的な長嶋らしい野球でしたね。
ワタシの中でもずっと、
長嶋さんは【ヒーロー】でしたから、
第2次長嶋政権になるまでの10数年間は、
プロ野球に『何かが違う』と感じざるを得ませんでした。
第2次長嶋政権が出来て、
10.18があり、
メークドラマがあり、
ON日本シリーズ対決があり、
ゴジラ松井との師弟関係があり・・・・。
存分に楽しませてもらい、
最後に監督を辞する2001年には、
『本当の引退なんだな』と涙しました。
2004年のアテネ五輪に向けて「長嶋ジャパン」が結成された時は、
本当にうれしかった。
そして志半ばで病に倒れた長嶋さんは、
その後は公の席に姿を現すことがほとんどなくなり、
いつしか10年近い歳月が流れていってしまっていました。
数年前、
【長嶋ジャパンプロジェクト】
というのが幕張メッセであり、
ワタシも子供とともに参加させてもらったとき、
長嶋さんが会場に姿を見せてくれて、
胸が熱くなりました。
そんなこと、
昨日のニュースを聞いて、
一気に頭の中に浮かんでしまいました。
そしてその国民的ヒーローの薫陶を受け、
その【一番弟子】として日本、そしてメジャーで大活躍をした松井秀喜選手も、
忘れることのできない大ヒーローです。
昨年末の引退劇。
ワタシもその姿に涙しましたが、
彼の引退会見の中で、
最も印象に残ったシーンを聞かれた松井が、
『長嶋監督との素振り』
をあげてくれたこと、
本当にうれしかった。
豪快なホームランで人々を魅了した松井選手。
その人柄は、
まさに世界のファンを虜にしましたね。
あれだけ日本でもアメリカでも愛された選手は、
いないと思いますよ。
松井で思い浮かぶのは、
09年のWSでの大活躍と、
翌年のヤンキースタジアムに最初に”帰還”した時の、
ファンのスタンディングオベーションでしょう。
日本人として、
あんなに誇らしかったことはありません。
彼の昨日のコメント、
『今後数十年の時間をかけて、この賞を頂いても失礼ではなかったと証明できるよう、これからも努力していきたいと思います』
に、松井秀喜の素晴らしさが表現されていると思いますね。
甲子園から始まり、
数々の伝説を作った松井選手にも、
心からの『おめでとう』を送ります。
5月5日に、
東京ドームでセレモニーが行われるそうですね。
行きたいな~~~~~~~!
でもチケット、
これからじゃ、
手に入らんだろうなあ。
せめて他の球場でも、
オーロラビジョンで、
その様子を映してほしいですね。
プロ野球の『輝ける日』ですから。
いや~~。
それにしても嬉しい。
特別な日になりました。
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