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第101回全国高校野球選手権大会 予選展望8 【四国】

2019年07月01日 | 高校野球

≪第101回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望8 四国地区 -

 【香川】(参加38チーム)  
実力ある高松商がダントツの筆頭候補。四国学院大香川西、尽誠学園、英明らの強豪が打倒を誓う。

◎ 高松商
 
〇 四国学院大香川西 尽誠学園   
△ 英明 丸亀城西 三本松  
▲ 藤井 寒川 大手前高松

華麗なる名門復活を果たした3年前から常に県内トップを走り続ける高松商。今年も秋の四国大会を制して選抜でも活躍。県内では向かうところ敵なしと思われる。エース香川は計算の立つ素晴らしい左腕。ほぼすべての試合を3失点以内で抑えることのできるこのエースがいるので、チームは打撃に専念できて好循環を生んでいる。その打線は言うまでもなく四国屈指。どこを探しても穴は無さそうだが、唯一の心配は香川をサポートする控え投手陣。必死に底上げを図った春の成果が夏に出るようだと、久しぶりの春夏連続出場に盤石な体制を築ける。春の県大会は四国学院大香川西が制したが、チャレンジマッチで香川が先発しなかった高松商に逆転負け。夏も厳しい戦いが予想される。エース青山は好投手だが、打たれだしたら止まらない悪癖をどう克服するか。一発勝負の夏はビッグイニングを作られるようだと致命傷になる。準優勝の尽誠学園も名門復活に躍起。今年は強力打線が看板のチームで、勢いに乗って一気に頂点を目指したいところだ。英明のエース黒河は好投手。好調なら県内のどのチームとも勝負できる投手だが、故障がちなだけに心配も。一昨年の代表三本松、昨年代表の丸亀城西と公立の有力校も優勝へ虎視眈々。特に丸亀城西は昨年のメンバーが多数残り、チームの軸を形成している。藤井、寒川、そして昨年は筆頭候補にも挙がっていた大手前高松などが有力校に名乗りを上げている。



【徳島】(参加30チーム)  
強敵の鳴門勢をしり目に、選抜出場の富岡西が春夏連続出場を目指す。

◎ 富岡西 
〇 鳴門 徳島商  
△ 鳴門渦潮 川島 徳島北 
▲ 池田 生光学園 板野

5連覇を成し遂げたあと1年休み、また昨年復活の甲子園をつかみ取った鳴門は夏の戦い方をよく知っている。今年は秋に敗れただけではなく春も8強敗退と実績は皆無に等しいが、やはり県内各校の指揮官の口からは「夏は鳴門」の名前が出てくる。何しろ昨夏の甲子園メンバーが半数の9人を数え、夏の勝ち上がりの経験は十分だ。西野・竹内の左右の2枚看板が躍動すれば、連覇が十分に見えてくる。そして今年の徳島で常にトップを張るのは、選抜に出場した富岡西。選抜では県勢5年ぶりに出場を果たすと、初戦で優勝した東邦と大熱戦を展開。最後は力尽きたものの、これでチーム力が一段も二段も上がった。続く県のチャレンジマッチでは県大会を制した徳島北をものともせずコールドで圧倒、四国大会でも見事な戦いぶりで今治西、高松商を連破し、決勝でも明徳と中盤まで接戦を展開して、その力を見せつけた。エース浮橋はマウンドに君臨。昨夏の吉田(金足農)のような存在感を見せるが、投手陣が彼一人に頼っているのが心配といえば心配。しかしながら、実質4試合の勝利で優勝が見込める大会だけに、大エースの存在でライバルを押し切る展開も十分に考えられる。継投全盛の時代にあって、大エースがどこまでチームを引っ張り上げるか。秋春ともに県決勝進出の名門・徳島商も面白い。投打の大黒柱であるエース村田が、8年ぶりの夏を見据える。秋優勝の河島は春の初戦敗退をどう受け止めて夏に向かうか。その川島を春初戦で破り勢いに乗って県を制した徳島北だが、続くチャレンジマッチで富岡西にコールドの完敗を喫して評価を落とした。久しぶりの夏を狙うには、打線の底上げが急務か。名門復活を狙う池田は頂点が見えるちょっと前ぐらいの位置までは上がってきた。秋春ともに県4強はなかなかのもの。92年以来という夏の選手権復活はなるか。

 

【愛媛】(参加58チーム)  
松山聖稜が、聖カタリナの”新しい風”が吹き荒れるか?

◎ 松山聖陵  
〇 済美 今治西
△ 聖カタリナ学園 帝京五 宇和島東  
▲ 八幡浜 今治北 松山商 川之江 

選抜に2年連続出場して通算3回目の甲子園の土を踏んだ松山聖稜だが、まだ甲子園で校歌を聞いていない。その忘れ物を取りに行くため、この県大会で負けるわけにはいかない。かつてアドュワ、土居ら大エースがいた年と違い、今年のチームは大黒柱になるような投手はいない。しかし総合力は過去2回の時よりも高く、安定した戦いがおくれるのが強みだ。力で押し切られる展開に持ち込まれなければ、簡単には負けないチームになっている。昨夏甲子園で4強に上り詰めた済美は、今年はそのメンバーがごっそり抜けて苦戦を強いられているが、昨年のように勢いに乗ることができれば今年も勝ちあがる可能性はある。春優勝の今治西も名門復活へ視界は良好だ。コンビネーションで勝負の粘り強い投手陣を強打と細かい技を駆使した攻撃陣が支えるチームカラーは健在。ライバルとの直接対決での攻略法を、着々と練り上げている。秋に決勝を争った帝京五と聖カタリナ学園も初出場へ気合を入れる。聖カタリナ学園は1年時からマウンドに立つ田中が最後の夏を迎える。宇和島東も新監督を迎えて雰囲気ががらりと変わった。八幡浜は春準優勝。かなり打てるようになってきて、戦い方が変わり夏向きのチームになった。何とか巻き返したい”夏将軍”の松山商、そして川之江はどう戦うか。

 

【高知】(参加26チーム)  
緻密な野球にパワーが加わった明徳が盤石。エース森木で一発逆転を狙う高知に注目。

◎ 明徳義塾 
〇 高知
△ 高知商 
▲ 岡豊 土佐 高知中央 

昨夏は「全国制覇も狙える」というチーム力で絶対視されながら、決勝で高知商の勢いに飲み込まれた明徳義塾。明徳の夏の戦いをずっと見てきて、あんな感じでチームが崩れる姿を初めて見た感じで、その衝撃が長く残った。それを引っ張ってしまったわけではないだろうが、秋は県3位で四国大会敗退。何とも消化不良で「明徳王国にも陰りか」と言われた秋を過ごしたのだが、どっこいタダでは転ばないのが明徳の明徳たるゆえん。馬渕監督は今年、ウェート場を新設して、長年のち密な野球からパワー野球に鞍替えて春に登場した。そして県大会、四国大会では圧巻の好守を見せて完璧に優勝。他の追随を許さない”ニュー明徳”の体制が出来上がった。それはこれまで、パワー野球全盛の時代にも緻密な、そして総合力、野球力を極限まで高めて臨んでいた明徳野球が大転換したことを意味するものなのか、それともこれから3年間「宿命のライバル」になるであろう高知・森木対策で「力には力勝負で」と腹をくくったものなのか。。。。。いずれにしても、明徳は「高知で最大のライバルを倒し、全国ではパワーで勝ち切る」方法論に転換したと見えるため、とても興味深い県大会となりそうだ。少なくともまだ森木が本格化していない今年の段階では、明徳が圧倒的な力を見せて2年ぶりの夏をつかみ取る公算が高いと見る。一方ライバルの高知は、まだ森木に無理をさせる段階ではないという育て方で、今年はマウンドで八面六臂の活躍を見せるということろまでは至らないと見る。まさに「3年計画」ではないが、それに近い育て方で徐々にギアを上げていくのではないだろうか。ゆえに1年時より2年時、そしてそれよりも3年時・・・・・・・グレードアップする森木がだんだん明徳に追いついていくという「3年間の壮大な物語」の今年は序章である、今大会はそんな位置づけになるのではないだろうか。昨年代表の高知商は、センセーショナルだった昨年に引き続き代表の座を狙う。打線は相変わらず活発だが、投手陣の層が薄いのが悩み。追っていく各校の中では、県大会でその高知商に土をつけた岡豊あたりが面白いか。エース植田は好投手だ。名門復活を狙う土佐は例年通り全員野球できびきびとした攻守を見せる。上位校に力負けしなければ、そこそこやれそうだ。

 

 


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