≪第94回全国高校野球選手権大会≫
【準々決勝】
東海大甲府 8-4 作新学院
東海大甲府が作新との関東対決を制して4強入り。
駒大苫小牧に屈した2004年以来8年ぶりのことです。
あの時のチームと比べ、
投手を含めた守りでは今回のチームの方が断然上の戦力を誇りますが、
泣き所は『力はあるのに得点力イマイチ』の攻撃陣。
しかし昨日は、よく打ちました。
打線が目覚めれば、
今後の戦いも楽しみです。
昨年の東海大甲府。
今年のチームよりもずっと、
注目を浴びる存在でした。
それは、
『高校NO1スラッガー』
と言われた高橋周平選手(現中日)を擁していたから。
地方予選時、
今年の花巻東・大谷投手のように、
その一挙手一投足が話題になった高橋周平。
甲子園のファンも彼の登場を心待ちにしていましたが、
残念ながら地区予選で無念の敗退。
彼が甲子園を沸かせることはありませんでした。
しかしここから1年、
たくましく成長した後輩たちが、
TOKAIのタテジマのユニフォームを身にまとい、
聖地で暴れまわっています。
【超高校級選手】在籍のポスト年、
監督にも難しいところはあったとは思いますが、
見事にチームを成熟させましたね。
東海大甲府と言えば、
昭和56年に甲子園に初登場して以来、
名将・大八木監督に率いられ、
【山梨の顔】として甲子園でいつも暴れまわる存在でした。
82年の2回目の出場で初勝利を挙げ、
敗れはしたもののあの荒木大輔(早実)をバンバン打った姿は衝撃的で、
『これは強くなるなあ』
と予感させたチームでした。
案の定それ以降の活躍はすさまじく、
85年の夏は準決勝進出。
87年センバツの準決勝進出と、
その準決勝でのPLとの激闘。
そして90年センバツでの近大付属との激闘と、
『優勝まであと一歩』
のところまで来ていた強豪として、
全国にその名をとどろかせました。
しかし90年代に入り大八木監督が退任すると、
その後はなかなか地方予選を突破できなくなりました。
92年の選手権を最後に、
03年まで11年間の”お休み”。
04年に村中監督に率いられ久々に4強進出とその存在感を見せますが、
その後はまた今年まで8年間の”お休み”期間がありました。
その間常に、
地方大会では【優勝候補】の一角を占めていたにもかかわらず、
常に涙を飲んできたのは、
村中監督が東海大相模出身だからじゃないよなあ・・・・・・
なんて勝手に思っちゃったりしています。
(相模も長~い間、期待されながら・・・・だったもんなあ。)
しかし山梨県の高校野球ファンにとっては、
東海大甲府は特別な存在感を持っているのではないでしょうか。
何しろ戦前から『野球不毛の地』と言われた山梨県。
東海大甲府が登場する前までは、
全国大会で2勝したのがわずかに1度。
『出ると負け』
あるいは、
『出場もままならない』
状態が続きました。
2県1校の時代には、
静岡や埼玉のチームに、
頭をたたき続けられました。
それを変えたのが東海大甲府。
『この山梨の地から全国制覇を』
が合言葉で、
グングン力を伸ばしていきましたね。
その後『東海甲府に続け』
とばかり各校が力を伸ばしましたが、
やはり甲子園では実績を残せず。
一時市川高校が甲子園で『ミラクル』と呼ばれ激勝を繰り返した時期がありましたが、
その後東海甲府と並び4強と呼ばれた甲府工・山梨学院大付・日本航空は、
力はあると言われながらも甲子園での上位には全く進めない状況が続いています。
県民にとってはやはり、
『東海甲府なら何とかしてくれる』
という意識は、
強いのではないでしょうか。
今年のチームは、
投の2本柱である神原、本多を、
『大会屈指』の二遊間である渡辺・新海がしっかり支えるという、
安定感のあるチームになっています。
そして応援が素晴らしい。
ブラバンが奏でる各回攻撃前のシンフォニー。
甲子園に爽やかな風を送り続けています。
他の学校がブラバンを派遣しない大会にも来て応援を続けている彼らのチカラ、
選手達にも十分伝わっていると思いますよ。
さて、
東海大甲府。
選抜を含めて、
4度跳ね返されている【4強の壁】に、
今日5たび挑みます。
過去の4回、
いずれも激闘になり『あと一歩』で敗れ去った悔しい思い出ばかり。
果たして【5度目の正直】なるでしょうか。
そして山梨県勢悲願の決勝進出へ。
元祖タテジマ出身の監督が挑む、
悲願への挑戦です。
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