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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

フランチャイズ プレイヤー

2019年09月03日 | プロ野球

8月下旬から、
プロ野球界隈を最も賑わわせていること。
それは阪神鳥谷の処遇についてだと思います。

今シーズンで5年契約の最終年を迎える鳥谷。
しかし今年のシーズンは、
お世辞にも好調と言えるシーズンではなく、
与えられたポジションは代打という役割。

しかしそこでも結果を出しているとはいえず、
8月下旬には新聞辞令で「放出か引退か」という文字が踊りました。

そこで持たれた球団と鳥谷の対話の席で、
今季限りでの退団、あるいは引退が既定路線になったというわけです。

鳥谷といえば、
阪神の生え抜きとしては珍しい2000本安打を達成したプレイヤー。
内野の要として連続試合出場も続けたまさに欠かせない選手で、
それゆえ処遇も難しいと思います。

もちろんプロ野球は契約社会ですから、
力の衰えた選手が契約を結ぶことはないというのが自然ではあるのですが、
それ以上に長く自分の球団で活躍してくれた「フランチャイズ・プレイヤー」の価値というものは、
その成績だけでは測れないものがあるとつくづく最近感じているところです。

ワタシは西武ライオンズという球団が所沢に移転してきてからのファン。
ライオンズは「何が何でも一番になれ」というオーナーである堤義明氏の大号令の下に出発した球団だけに、
最初のチームはとにかく派手で名前のある選手を他球団からかき集めてチーム作りをしました。

その選手たちに九州からやってきたもともとの選手を融合させて作ったチームは、
まるで「7人の侍」のような寄せ集めながらの武士のようなたたずまいを持ったチームでした。

阪神からやってきた球界のスター・田淵、
同じパ・リーグの名プレイヤー・山崎、
「生涯一捕手」を標榜する球界の顔・野村、
その他にも阪神からの古沢など、
よ~く知っているプレイヤーが大挙してチームに参加。
それに九州からの生き残りである東尾、大田、土井。

「平均年齢、何歳よ??」

というようなプレイヤーの集まりに、
それでもワタシはワクワクしたものでした。


1年目、2年目。。。。。。。。

チームとしての成績はてんで出ないものの、
なんとなくハッピーに野球自体を眺めていたワタシ。
「ああ、本当にチームを応援するって、こんなことなんだなあ。。。。。。」
と幸せをかみしめたものでした。
(ちなみに西武が来る前は、パ・リーグの試合を見る機会なんてほとんどなし。セ・リーグでは「アンチ巨人」という立ち位置での応援でしたので、ある年は阪神、ある年はヤクルト、はたまた広島や大洋。。。。ってな感じで野球を眺めていた記憶がありますね。)

3年目ぐらいからチームは一気に強くなっていって黄金時代を築いていくのですが、
その頃からチームはまさに「生え抜き天国」というラインアップに変貌。
毎年毎年入団してくる金の卵たちが次々に孵化して、
チームの骨となり牙となっていきました。

石毛から始まり、秋山、伊東、辻、清原、田辺。。。。。。。
投手陣でも工藤から渡辺、郭ら主力のほとんどは生え抜きの選手ばかり。

まあ、その頃は日本球界もFAもなければトレードも活発ではない「終身雇用」の世界でしたから、
当たり前っちゃ~当たり前ではありましたが、
ファンにとっては「おらがチームのプレイヤー」はその思い入れもひとしおという感じでしたね。

そんな彼らがほぼ固定メンバーで10年以上戦い続けて栄冠を抱き続けていたので、
その頃ワタシは「名プレイヤーがそのチーム一筋で活躍してくれること」は当たり前すぎて、
それがどんなに素晴らしいことかということに、
深く感じ入ることはありませんでした。

しかし90年代からの黄金時代晩年、
特にダイエーホークスが誕生して根本球団社長(ワタシにとっては「根本管理部長」といった方が何かしっくりくるのですが)がチームから去って以降は、
チームは瓦解の一途をたどっていきました。

そしてあのライオンズの名プレイヤーたちも、
一人去り、二人去り・・・・・・・
ほとんどの選手が西武ライオンズでその選手生命を全うすることはありませんでした。

秋山から始まったこの激震は、
石毛、工藤、清原、渡辺、辻、田辺。。。。。。。

ライオンズで引退まで全うした黄金時代(初期の選手は除く)の選手は、
結局伊東のみということになってしまって、
ライオンズのファンはあの黄金時代の選手の引退試合を、
ほとんど目の前で見ることはありませんでした。


まあ西武ライオンズという球団は、
何かファンには冷たい球団として通っていましたので、
優勝したところでファンと分かち合うパレードなどは一切なし(その代わりに系列の西武デパートでの「せこい」優勝感謝セールは毎年、お約束のように開催されていましたが。。。。)、
ファンフェスタ(当時のファン感謝デー)なんかもやったこともなし、
おまけに選手にも冷遇がまかり通っていて引退試合を見ることもなし。。。。。

なし、なし、なし・・・・
の球団でしたね。

しかしチームにかける金と根本さんをはじめとする情熱あふれる人材だけはあったので、
チームは黄金時代を長く続けることができたというわけですね。

そして長いファンにとっては、
チームリーダーだった石毛を筆頭に、
秋山も、辻も、清原も、工藤も・・・・
み~んな西武にはそっぽを向いて出て行ってしまったので、
チーム再建を託せる人材が、
伊東しかいなくなっちゃったなんて時期もありました。

そしてその伊東監督を現役引退と間を置かず監督に就任させ、
チーム再建の旗頭にしましたね。

しかし。。。。。。
いかにに伊東さんが現役時代にチームの司令塔だったとはいえ、
コーチの経験もない(兼任コーチは除く)人にいきなり「頼む!チームを何とかしてくれ!!」
なんて言ったところで所詮はムリ。

この伊東監督就任にあたって、
チームはお金も出さなければ人材も好きに組閣はさせない、
そんな「ないないずくし」であったこと、
ワタシは良~く覚えています。

伊東さんが監督の資質があったか否かということはこの際棚上げにしても、
こんな中良く監督を引き受けたもんだと、
感心してしまいますよね。
火中の栗を拾うとはまさにこのことだなあなんて、
今になってみると思いますね。

そしてその伊東監督が結果を出せないと見るや、
石もて追うように監督を解任。
解任が決まっていたシーズン最後の試合では、
伊東監督が形を取り繕うために、
自分で花束を用意して相手の王監督に「自分に渡してほしい」と託したということも、
ファンはよく知っています。(なんだこの仕打ち、あまりといえば、あまりだろう!!)

(この姿は、完全に巨人の高橋由伸氏と被りますね。彼も本当に、貧乏くじを引かされたとしか、ワタシには感じられないのですがね。)

そんな球団の体質を、
ファンも選手もよ~く見抜いていて、
その当時は球場に足を運ぶファンも少なくなり、
選手はFAを取ると我先に球団から出ようとしたということですよね。

こんな体質がようやく変わってきたのは4,5年前ぐらいから?
さすがにSBや楽天、日ハム、DeNAらの「ファンあってのプロ球団」という姿勢が成功を生んでいることを学習し、
新たな球団に生まれ変わろうと模索しているというのが、
現在の西武球団だと思います。

そんな西武球団ではありますが、
そう簡単に選手流出の流れは止められず、
いまだにFA、そして海外志向の選手はポスティングを利用して、
他球団への移籍を模索しています。

長きにわたる球団の体質を身にしみてわかっているものとしては「それも仕方ないかな」と達観はしていますが、
それでも応援してきた選手が他球団に移っていきいきと活躍している姿には、
平静さを保てなくなる時はありますがね。

間違いなくプロ野球12球団の中で、
FA(ないしはポスティング)の負の影響を受けた最大の球団は、
西武ライオンズに他ならないと考えています。

そして海外にわたった選手や他球団に移籍した選手が、
その後再度移籍するという段階に至った時、
「西武という選択肢はハナからないよ~」
って感じの露骨な態度を示すに至っては、
「どんだけ選手に嫌がられてんだよ~」
ってへこまずにはいられません。

巨人、阪神やSBのファンにはこの感覚、
わかんね~だろ~なあ。。

ということもあるので、
生え抜きのフランチャイズ・プレイヤーとして『西武で生きる』ということを選択してくれた、
栗山・中村の今季の活躍には、
涙なしにはいられないというのが本音です。

投手でいえば数年前に引退した西口。

40年にわたる西武ライオンズの歴史の中で、
一流プレーヤーで『西武のフランチャイズ・プレイヤー』と言えるのは、
この3人+伊東勤ぐらいのものでしょう。

だからこの2人(中村、栗山)については、
最後まで西武ライオンズで現役生活を全うさせてあげてほしいと思います。
「キミらは西武のフランチャイズ・プレイヤーなんだから、納得いくまで現役をやって、辞めるときはしっかりとファンの前で、引退式をやろう!」
と言ってあげてほしいんです。

「引退の花道は、俺が作ってやる!」

これは仰木監督が巨人時代の清原に言った言葉ですが、
こんな感じで男気溢れる対応を!!!
渡辺GM、頼みましたぜ。


あるいは鳥谷に対しては、
「引退の花道を西武で」
とオファーしてもいいかもしれません。

だって、
彼は埼玉・東京の西武出身だしね。
単純に彼のファンであるワタシの願望も、
多分に入っていますが。。。。。

昨年は松井稼頭央が久しぶりに西武に帰ってきて、
引退を飾ってくれました。
そして2軍監督として、育成に汗を流してくれています。

一昨年は辻監督が、
西武との一時の確執を水に流して、
西武に監督として帰ってきて、チームの再建にこれまたいい汗を流して、
チームを確実に強くしてくれています。

もし今年で松坂大輔が中日を退団するのであれば、
それこそ彼の最初の球団である西武が、
引退の花道を飾ってあげるというのもいいのではと思っています。

たくさんのいい人材が流出して、
チームが弱体化してしまったライオンズという球団。

まずは長期戦略として、
その流出してしまった人材を呼び戻すこと、
そしてフランチャイズ・プレイヤーを育てること。
それらをやっていけば、
今よりも強くて愛される球団が、
作られていくことと思います。


そんなこんなで野球を見ていて、
日曜日に栗山選手が『西武球団最多安打』である1807本目の安打をたたいたシーンは、
本当にうれしかったですね。
7月に中村選手が400号ホームランをサヨナラ弾として叩き込んだのにもコーフンしましたが。

今の西武には、
4・5番にこのチーム愛溢れるベテランがいる!!!!

彼らが活躍するこのシーズンで優勝したい!!!!
ワタシはこの思いが、
日に日に強くなってきています。
(まあ、現実的には、優勝できるような戦力を整えていないことは、よ~く知ってはいるんですが。。。。。。)


どの球団にもいる「フランチャイズ・プレーヤー」。

長嶋や王だけではなく、
ファンにとってはまさに「特別なプレーヤー」です。
大事にしてあげてほしいと思います。


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2 コメント

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そりゃねえぜ・・・ (hanahana)
2019-09-03 16:15:13
鳥谷の扱いに阪神ファンであるワタクシは憤りを感じております。
あれほどの功労者、それも近年では数少ない生え抜きの功労者です。
それを「引退してくれ」とは。

たしかに見合った活躍はできていません。
だけどね・・・悲しいぜ・・・。

OBの元キャッチャーの野口が言っています。
「彼は自分で引退を決められる数少ない選手」
まさにそのとおりだと思います。


複数年契約の最終年であるから、来季の年俸で大幅ダウンを提示すればよいこと。
さすがの鳥谷も現状の状態なら飲まざるを得ないでしょう。
その交渉で物別れになればそれまで。
それぐらいの猶予は十分あるはずですし、それぐらいの配慮はしてあげてもいいでしょうに。

関西の商売人気質なのでしょうかね。
経営重視で損得勘定が先走ってしまうのでしょうか。


古くは、川藤から始まり、八木、桧山、関本といった「代打の神様」的な役割を球団は期待していたのではないでしょうか。
鳥谷もそれを感じ取り、結果の出ない現状に相当苦しんでいるかのように思います。

いつもクールで、喜怒哀楽を出さない鳥谷の佇まいがより悲壮感を際立たせていますよね。
よけいに切ないわ・・・。


どうなるんでしょ・・・。


正直ヨソのユニホームを着ている姿は想像したくありません。
華麗な流し打ちは阪神のユニホームを着て甲子園でなければならないのです。


この発表があってから、若かりし頃の動画を見て涙しております。
かっこよかったなあ・・・
返信する
FA時代だからこそ (まめちち)
2019-09-04 07:06:30
hanahana様、コメントありがとうございます。
鳥谷の件は、なんだかワタシもモヤモヤしたものが残っていて、掛布や岡田の姿と彼の今の姿がかぶってしまいました。しかし現代のFAの時代、本当にフランチャイズプレイヤーが減りました。というか、西武に限って言うならば、最初から「7,8年ぐらいしか在籍しね~よな~」っていう感覚になっちゃっていて、それゆえ昔に比べてどうも選手に対する思い入れが少なくなっている気はします。出ていくときは、なんかファンに砂かけて出ていく感じの選手が多いですしね。選手の権利なんだからということ、頭ではわかっていても、心はついていきはしません。それがファン心理ってやつじゃないでしょうかね。
去年の菊池、浅村に続いて、今年も当たり前のように秋山が退団の意向だということ。(新聞報道ですが) いい加減嫌になっちゃいますよ。まあせめて、先々西武に指導者となって戻ってきてもらいたいとは思っています。監督は松井稼頭央から栗山という流れを待望しています。
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