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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

センバツ2021 準々決勝  優勝候補。相次いで苦杯

2021年03月30日 | 高校野球

≪第93回選抜高校野球大会≫  ~甲子園~

【準々決勝】
第1試合  天 理  10-3  仙台育英
第2試合  東海大相模 8-0  福岡大大濠
第3試合  明 豊   6-4  智弁学園
第4試合  中京大中京 6-0  東海大菅生


甲子園は準々決勝の4試合。

ワタシはこの8強の激突の前、
ひそかに「優勝は仙台育英、智弁、中京の争い」とみていました。

いずれのチームもここまでの戦いぶりがよく、
スキのないチームに見えたからです。

しかし本当に高校野球は・・・・・いや、野球というものは、
「やってみなければわからない」スポーツですね。

まずは第1試合。
初の大旗の白河の関越えを狙った仙台育英。
1・2回戦ともに強さを見せつけての快勝で優勝候補一番手に推す声も多かったのですが、
この試合は後手を踏む展開となって主導権を握れませんでした。

明徳戦で好投を見せた左腕古川を先発に立てて必勝を期しましたが、
その古川を天理の打線が初回に打ち込んで2点を先取。
その古川を早々とあきらめてエース伊藤が2回から登板。
しっかりと天理打線を抑えて流れを引き戻すと、
3回には八巻の一発から反撃を開始して連打で同点に。

しかし追い越すことはできず同点どまり。
野球の格言にある通りの「追いついても追い越さなければ試合の流れは変わらない」試合展開となりました。

4回に伊藤が2死満塁からタイムリーを打たれると、
その後気持ちの修正が効かず次々にタイムリーを浴び、
気が付くと6回で2-10と大きなビハインドを追ってしまっていました。

大きな得点を追いかけるとなると、
足を使いつなぎで得点をする仙台育英としては厳しい展開。
最後まで天理・達投手をとらえるには至らず、
3-10の大敗となってしまいました。

達投手は決して本調子ではなく、
仙台育英としては付け入るスキはいくらでもあったのですが、
16残塁と「あと一本」が出ずに苦しい試合となりました。

天理は仙台育英の伊藤投手の投球にぴったりと合っていて、
ここぞの時にタイムリーが効果的に飛び出しました。
ちなみに天理の残塁はわずか6で10得点。
攻撃に関しては満点の出来でした。

第2試合は東海大相模が主将の大塚の胃腸炎による欠場から、
逆にチームがまとまりを見せて快勝。

初回に得意とする速攻が今大会初めて出て、
3回までに11安打を集めて7得点。

あとは初先発のエース石田がスイスイとテンポよく投げ込んで3安打14三振で完封。
今大会初めてともいえる「相模らしい野球」が出ての勝利は、
今後の戦い方に光明を見出せそうですね。

石田も本来の投球ができていますし、
1・2戦に先発した投手陣も好調。
打線のつながりが出てくれば、
今後もいい戦いができそうです。

福岡大大濠は、
馬場を先発に送り込んで、
リードして毛利で逃げこみを図るゲームプランだったと思いますが、
試合の流れをつかみ損ねました。

今大会はいい戦いを繰り広げてくれましたが、
夏に向けてはやはり打線の強化でしょうね。

それにしても、
第1試合の天理、第2試合の東海大相模ともに、
秋季地区大会では準々決勝で敗れてこのセンバツは激戦の「最後のイス」を射止めての出場。

しかし近畿、関東・東京という、
大票田のレベルの高い地区だけに、
「最後のイス」を射止める力のある8強敗退校は、
やっぱり甲子園でも上位に来るだけの力を持っているという事ですね。

かつて00年の智辯和歌山は「まさかの近畿最後のイス」を射止めセンバツにやって来ると、
強打と継投で見事に決勝まで進出。
決勝では敗れたものの、
夏は超絶な猛打で全国制覇を達成しました。

関東でもかつては「関東のワイルドカードは強豪ぞろい」と言われ、
86年の宇都宮南や93年の大宮東なども、
確かこの「最後の枠」からの出場で決勝に進出しています。

そんな両地区の「ワイルドカード同士」の準決勝、
本当に楽しみです。


そして第3試合。

こちらは不利な予想もあった明豊が、
初回先頭打者ホームランで先制すると、
チャンスをことごとく点に結びつけて前半で5-0とリード。

後半は強打・智弁学園の鋭い追い上げに何度も窮地に追い詰められますが、
その都度3人の投手が粘りに粘って失点を最少失点にとどめて逃げ切り。
前回大会から2大会連続での4強入りを果たしました。

明豊の川崎監督は智辯和歌山出身。
2回戦では市和歌山の好投手小園を攻略して逃げ切り、
この日は”兄弟校”でもあった智弁に対してまたも大接戦を逃げ切り勝利を上げました。
勝負強いですね。

一方の智弁学園。

序盤から試合のペースをつかみ損ね、
焦りから強力打線が空回りをしてしまいました。

初戦で優勝候補の大本命であった大阪桐蔭との「優勝候補対決」を制しましたが、
この1回戦とは真逆なことを準々決勝でやってしまっての、
無念の敗戦でしょう。

何度も何度も訪れた逆転のチャンスに、
中軸がことごとく快音をとどろかすことができず、
追いつくことができませんでした。

試合の流れとは恐ろしいものです。
前の試合までは自信満々に見えた打線が、
この試合ではチャンスで力みかえって空回りしているように見えてしまいました。
やはり試合というのは「入り」がとても重要だという事ですね。


第4試合は、
第1、第3試合で盤石に見えた優勝候補が相次いで「試合の入り」に失敗して敗れ去る姿を見ていたので、
この試合に登場する「最後の優勝候補」中京大中京の戦い方に注目していました。

しかしこの試合では、
中京大中京は初回から東海大菅生のエース本田の独り相撲に付け込みあっという間に先制。
こうなるともう、
戦い方は楽になってきます。

3点を先制した初回を終わると、
エース畔柳がスイスイと気持ちよく投球してアウトを積み重ね、
実力の差を見せつけて6-0と快勝しました。

畔柳は2安打完封。
しかもほとんど強い打球を打たせることなく、
「大会No1は俺だ」
と力強くマウンド上で宣言しているような見事なピッチングでしたね。

中京は守り、走塁、バッティングの狙いや決してボール球に手を出さないことが徹底されていることなど、
今大会の中でもずば抜けて高いチームの総合力を見せてくれました。
チームの熟成度としては圧倒的に4強の中でもこの中京大中京がNO1ですね。
優勝に一番近いチームだと思います。


東海大菅生は、
いっぱいいっぱいの戦いだったと思います。

このチーム状態でこれ以上は、
さすがに厳しいでしょう。

帰京してからは、
エース争いが非常に活発になることと思います。

本田の状態が戻らなければ、
2年生で2試合に先発した鈴木や、
ベンチ外からベンチ入りを射止めたうえに、
3試合とも見事なピッチングを見せて完全に覚醒した松永などが、
「夏の1番」
を背負う可能性が十分にありますね。

また3か月、
競争の日々が始まります。

ということで、
準決勝は第1試合が天理ー東海大相模、第2試合は明豊ー中京大中京と決まりました。

第1試合は92年の準決勝で同じ対戦がありました。
この時は好投手・吉田道擁する東海大相模が、
前日の準々決勝で松井率いる星稜を下した天理に1点差で辛勝。
最後まで試合の行方が分からない好勝負でした。

そして決勝で天理と中京大中京が対戦という事になれば、
97年の再現という事になります。

天理と明豊との激突という事になると、
17年の準々決勝がなんといっても思い起こされますね。

天理に圧倒されていたミラクル・明豊の9回の大反撃には、
なんだか鳥肌が立ったものでした。

明豊と中京大中京も、
04年の選手権1回戦での対戦がありますね。
この時は中京大中京が勝利を収めています。

ということで、
どんな対決になろうとも、
『甲子園初対決』ではないこの4強勢。
なんだか”甲子園オヤジ”ゴコロをくすぐる、
今大会のフィナーレとなりそうです。




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