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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第105回全国高校野球選手権大会を振り返る

2023年08月25日 | 高校野球

慶応の107年ぶりの優勝で幕を閉じた今年の夏の甲子園。
様々なことがありました。
そして様々な改革が行われた大会でした。

今までとは違ったことが行われた大会の最後に、
これまでの高校野球を変えようと試みるチーム同士が戦い、
「変革こそが是」の超伝統校が優勝をさらう。。。。

こんな出来すぎた話があるのかと思うほどの、
今年の105回大会でした。

慶応の優勝、そして仙台育英の2年連続の決勝進出は、
確実にこれからの高校野球の流れに、
一石を投じてくれることでしょう。

これから5年、10年とたっていくにしたがって、
高校野球に携わる人たち、そして高校野球ファンは、
「ああ、あの時の大会が分岐点になったんだな」
と懐かしく振り返るのではないか、そんな風に思っています。


まず今年の大会、
3つの大きな改革がありました。(一部は選抜からすでに改革されています。)

まず大きな改革の一つが、
延長10回からのタイブレーク採用です。

これまで延長12回までは従来通りの延長戦を行い、
13回に突入したらタイブレークというレギュレーションでしたが、
今は延長に突入すると同時に、
10回からすぐタイブレークが始まります。

これは高校野球ファンにとっては「青天の霹靂」というような感じではありますが、
少年野球などの世界では「延長即タイブレーク」はお約束の規則。
そういう点においては、選手たち自身はこの流れに違和感はなかったかもしれませんね。

しかしこの規則の採用が、
従来の高校野球を大いに変えたと言えるでしょう。

今年も何試合もがこの延長タイブレーク決着となりましたが、
まだまだこのタイブレーク、
戦い方の鉄則みたいなものは確立していません。

だからこそではないでしょうが、
今年は強豪校が、
このタイブレークの末敗れ去ったという事が本当によくありました。

まだまだこのタイブレークの戦い方、
「勝つためのメソッド」が確立していくのに、
時間がかかると思います。

しかしながら、
同じような流れによってサッカーで採用されているPK戦と比べて、
まだまだ作戦の余地もあるし、試合の流れの中の方式でもあるので、
「当たるも八卦」の世界とは違う感じがします。


そして酷暑対策として採用されたのが、
クーリングタイムの採用とベンチ入りメンバー20人への増加という2つです。

もうなんだか尋常ではない「連日の35度越え」が続く日本の夏。
甲子園は関西という事もあって、
なおさら暑さが身に染みる場所です。

クーリングタイムの採用はやはり必要なものだと思いますし、
さらにベンチ入り人数の増加は「待ってました」というところではないでしょうか。

バスケ、サッカー、そしてラグビーを見るまでもなく、
現代のチームスポーツは、
決して先発のメンバーだけで戦うというものではありません。

ベンチ入りメンバーを含めて全員で同最後までパフォーマンスを落とさず戦うかというのが、
勝ち抜いていくうえで必要不可欠の要素になっているのは明白です。

そういう面において、
このベンチ入り20人というのは歓迎すべきこと。

特に高校野球は、
地方大会ではもとよりベンチ入りは20人なのですから、
甲子園でのベンチ入りが18人というのがそもそも少なすぎたと思っています。

地方大会でベンチ入りを果たし、
優勝に貢献したメンバーの二人が甲子園でベンチ入りできない。。。。。。。
こんなバカなことはねえな・・・・・・なんて、
長年ワタシも思っていましたから。

クーリングタイムは5回終了後10分間でしたが、
これによって試合時間がいたずらに延びることもなかったし、
ある程度選手はリフレッシュできたのではないでしょうか。
まあ副作用として、
あまり涼しいとこにいたばっかりに、
その後また炎天下に出て行った選手の体調が悪くなった(足がつったなど)なんてことも報道されましたが、
これらの対策は年々ブラッシュアップされていくはずですから、
大丈夫でしょう。


さて、
そんな中、
今年の大会の最大の特徴は、
ものすごい選手がいた大会ではなく、
チームとして一丸となったところが勝ち上がっていった・・・・・
というところなんではないでしょうか。

4強に残ったチームを見てみると、
慶応、仙台育英、土浦日大、神村学園の4校は、
仙台育英こそ2本柱の投球はプロも注目するレベルでしたが、
その他の学校はチームの総合力こそが柱の構成でした。

どのチームも、
「チーム一丸」を感じさせてくれる、
素晴らしいチームでしたね。

「チーム力」が、
投手は「投手陣」、野手は「代打や守備要因も含めたベンチ全員の適材適所」が貫かれており、
こういった分厚い選手層で総合的に戦っていくチームが勝ち上がっていくのだなと、
この令和の高校野球のスタンダードを見る思いでした。


そんな中で心に残ったプレーヤーはたくさんいますが、
仙台育英の橋本選手や、慶応の丸田選手といったリードオフマンの活躍も目立ちました。

投手ではなんといってもワタシの心に残ったのは、
右腕では徳島商の森煌投手、
左腕では神村学園の黒木投手ですね。

森煌投手は、
タフネスな投手で、
初戦の見事なピッチングは忘れられません。

スラッガーたちにとっては、
厳しい大会となりました。

前評判の高かった3人のスラッガーは、
2年時から注目されていてこの夏、
3人そろってこの大甲子園にやってきてくれました。

高校通算140発男の花巻東、佐々木麟太郎はその片鱗をわずかに見せただけ、
春先から悩まされた背中の痛みも悪かったのでしょう、
1本の長打も放つことなく甲子園を去りました。

3度目の甲子園に挑んだ広陵・真鍋と九州国際大付・佐倉の二人も、
スラッガーの片りんを見せることなく敗れ去りました。

わずかに履正社の右のスラッガー・森田が、
先輩の井上(阪神)張りに活躍を見せてくれたのが光りました。

そんな中で、
チームとして印象に残ったのは、
土浦日大、神村学園、おかやま山陽の3チーム。

いずれも前評判はあまり高くありませんでしたが、
土浦日大は変幻自在の戦いぶりと関東には珍しい粘りで4強へ、
神村学園は驚くようなバッティングを見せ、その打球の速さは群を抜いていました。こちらも4強入り。
おかやま山陽はこれまで甲子園で思ったような足跡を残せていませんでしたが、
ジンバブエ代表監督をも務めた異色の堤監督の下、
全国のファンの脳裏にその校名を刻み込むような素晴らしい戦いを見せて8強に入りました。

なんだか今年は、
「無印良品」がいっぱいいて、
楽しい大会でしたね。

そして最後は、
大声援をバックに伸び伸びと自分たちの「エンジョイベースボール」を貫いた慶応の107年ぶりの優勝。
これはもう、
大団円と言ってもいいのではないでしょうか。

それにしても、
甲子園の歴史を変えるようなあの大歓声、
まだ耳に残っています。


しかし高校野球おやじとして嬉しかったのは、
慶応の応援が鳴り響く中、
メインが「ダッシュKEIO」だったことかな。

このダッシュKEIOと早稲田のコンバットマーチ、
平成のしばらくまでは、
甲子園応援のメイン中のメイン曲でしたから。

今ではこのふたつとも、
応援の中で演奏する学校は少なく、
「ちょっと寂しいなあ」
なんて感じていたものですから。

そんなところにもちょっとだけノスタルジックを感じながら、
楽しく決勝戦の最後まで、
観戦することができました。

あ~ホント楽しい、
2023年の夏でした。

49校の選手の皆さん、
本当にお疲れさま。

いい思い出、悪い思い出も全部ひっくるめて、
思い出深い夏になっているといいなあ、と思います。


ということで


今年も終わってしまいました。

まだまだ秋風が身に染みる・・・・・というには暑すぎる夏が続きますが、
これからは「高校野球秋の陣」に向けて、
観戦計画を練っているワタシです。

来年もまた、
熱く楽しい夏が甲子園にやってきますように。




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