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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

北海道日本ハムファイターズ 壮大なる実験、再び

2012年11月30日 | プロ野球

北海道日本ハムファイターズという球団、
本当に移転してからというもの、
生まれ変わった姿を毎年見せてくれます。

『生まれ変わった姿を見せる』ためにとられた施策は数知れず。

日本にはなじまないとされたGM制をいち早く取り入れ、
外国人監督の招へいにも力を注ぎました。

戦力の整備には、
とにかく【生え抜きで強くなる】ことを徹底。
そのためドラフトでは、
『ケガの心配あり』とか、
『素行に問題あり』とか言われた選手でも、
とにかく『これだ』と思った選手には果敢にアタック。

その成果が、
ダルビッシュであり、中田です。

監督の人事にも一家言あり、
『名よりも実』を取る方針。

今年、コーチ経験すらもないキャスターであり大学教授の栗山監督を就任させ、
見事にリーグ優勝に輝きました。

そして昨年のドラフトでは、
『巨人と相思相愛』の菅野(東海大)を1位で果敢に指名。
実を結ぶことはありませんでしたが、
それでもひるまずに今年のドラフトでも、
『メジャーリーグ挑戦』を言明していた大谷(花巻東)をこれまた果敢に1位指名。
そして栗山監督の必死の”口説き落とし”で、
陥落寸前にまで持ってきています。


とにかく老舗球団でありながら【球界に新風を吹き込む】ために動くことをためらわない、
21世紀のプロ野球団の【あるべき姿】を見せてくれる、
大変に好感のもてる球団だと思っています。

その日本ハムが、
今回もまた『サプライズ』な実験を試みようとしています。

それは、
【高校野球監督のヘッドコーチ招へい】
です。

先に発表されたこの試みの主役は、
前川越東高校監督・阿井英二郎氏です。

コアな高校野球ファンにはおなじみのこの名前、
しかし古いプロ野球ファンにとっては、
久しぶりに聞く名前なのではないでしょうか。

東京農大二高で剛腕として鳴らした阿井は、
1982年のドラフト三位でヤクルトに入団。
若い時代は当時の弱小・ヤクルトで中継ぎとして活躍し、
同期の荒木大輔とともに将来を嘱望された選手でした。

しかし程なく故障を発生させ、
その後は徐々にフェードアウト。
いつしか球界から消えていました。

そして、しばらくの時間を経た90年代中盤。

阿井氏が高校野球の監督として再出発するというニュースが躍り、
その名前を世間は再度耳にすることとなりました。
赴任先は茨城のつくば秀英高校。

野球での実績はゼロの高校でした。
なぜなら、
阿井氏が学校に着たことで”野球部創部”の機運が盛り上がったぐらいの学校だったからです。

しかしさすがは元プロ野球選手。
『この部活動は、野球強豪校のような目的ではない』
事を標榜しながらも、
さすがに彼は、
数年でチームを県内で優勝を争えるチームにまで押し上げました。

ワタシ自身も野球の指導の真似事をしてみて言えることは、
さすがに名門校、大学、社会人、プロなどで野球の本筋を歩んできた人は、
野球の指導に対する『引き出し』の多さに感嘆することしきりです。

特に名門校⇒プロと進んだ阿井氏のような人は、
その時の最先端の技術論からコーチング、練習方法などを良く知っていますから、
それを生かしてチームを強くしていけるんだろうなあと思います。

(ただし、チームのマネジメントということとは、全然別の話ですがね。素晴らしい選手が指導者として失敗するのは、マネジメントということを理解できず、失敗するからだと思います。)

そんな阿井氏が次に選んだ高校は川越東高校。

川越東といっても、
公立校ではなくれっきとした私立校。
埼玉では”星野学園”と言った方が通りはいいですね。
スポーツにも一定の理解がある学校です。

そこで育てたのは、
現在早稲田で左のエースとして活躍する高梨投手。

彼を擁して2010年夏には選手権埼玉大会で準決勝まで進出。
甲子園まであと一歩のところまでチームの力は引き上げられていました。
今年の秋の大会でも県大会ベスト4.
【甲子園】という果実が収穫できる寸前まで上り詰めていながら、
今回、阿井監督はその【高校野球監督】の地位を自ら投げうち、
日ハムのヘッドコーチとしての『未来』を選択しました。

驚きの【挑戦】だと思います。

プロアマの規定により、
日ハムのコーチを辞任した後、
おいそれとまた【高校野球の監督】に戻れるわけではないので、
正に彼の決断は『退路を絶って』の重い決断だと感じています。

彼に関して、
さほど【高校野球監督】として印象があるわけではないので、
いったい日ハム球団や栗山監督がどこによさを感じ、
彼に『ヘッドコーチ』という重い責任を伴うポジションにつけたのか、
見当もつきません。

しかし【栗山色】を来年さらに出していきたい監督にとっては、
『どうしても外せない』人材だったことは想像に難くありませんね。
年齢も近く、ヤクルトで長く同僚でしたから。

たぶん【野球観】が同じなのでしょうね。


この日本ハムの実験的な人事。

ワタシは、来年野球を見る楽しみがものすごく増えたと感じています。
この挑戦、長い目で見守っていきたいと考えています。


1年後。
果たして『栗山監督の慧眼に最敬礼』となるのか、
それとも・・・・・・。

年をまたいでも、
やはりパ・リーグは日ハムが話題をさらいそうですね。



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