私がよく見るYouTubeのチャンネルに『一月万冊』というのがあります。
メインホストの清水有高さんと、コメンテーターの人が何人かいて、主に時事問題などを話す番組構成ですが…
最近は主にコメンテーターが一人でお話をして、清水さんが前後にコメントを付けるという形が多くなっています。
そのコメンテーターの中に、東大の経済学の教授の、安冨歩さんという人がいます。
安冨さん、ひとりでお話すると、やっぱり大学の先生なので、教室での講義風になってしまうのか…
再生回数が稼ぎにくい動画になってしまうので、それを克服するための「連続講義」という動画を今やっています。
その中で、コミュニケーションというのは、情報を「受け取った側が成立させるものだ」というお話がありました。
つまり受け取った側の人に、その情報によって何かの変化が起きて初めて、情報が発せられた意味が生じるということ。
そして、その変化を受け手がまた送り手に返して、フィードバックによって、元々の情報の送り手にも変化が起きる。
その往復、連続によって相互作用を起こすことが、コミュニケーションというものなのだと。
そういう風に私は受け取ったのですが、安冨さんに報せたら、間違っていると言われるでしょうか。
それに対して、ただ一方的にメッセージを送って、受け手に押し付けるばかり。反応は受け付けないというのは…
一種のハラスメントなのだと。
たしかにそういう人、日常生活の中で、私たちの周りにもいますね。
一方的に「お説教」や「ねえ聞いて聞いて」話をするばかりで、感想も質問もはなから受け付けなかったり…
感想や質問を投げても、聞いていなくて、スルーしてさらに自分の話ばかりする人。
たしかにそれでは、聞いていてうんざりするし、時間を浪費するし。
そういうのに捕まったら苦痛だし、生産的なことをする時間も奪われるのですから…
それは確かに、ハラスメントです。
気を付けないといけないのは、こうやってブログを書いたり、SNSなどで何かを発信する際にも…
同じようなハラスメント状況が生じ得る、ということです。
ただ自分のためにだけ書く、備忘録や日記のようなものだ、という人もいらっしゃるでしょうが…
その場合、インターネットという公共空間に向けて発信する必要はないわけで。
自分のPCやスマホの中に「備忘録」とか「日記」というファイルを作って、そこに書き込めばいいわけです。
不特定多数の人に向けて発信するということは、読ませる、ということを前提にしていて…
多かれ少なかれ、誰かが読むことを期待しているのです。
ですから、ただ一方的に「これ読んで!」といって公開していて、感想も質問も一切受け付けません、というのは…
「基本的」には、どうなんだろうかと、個人的には思うわけです。
もちろん、ネットですから「荒らし」みたいな、加害的な輩が、どこからか湧いてくることがあり…
また、生活している人間ですから、精神的、体力的、時間的に余裕がない状況になることは普通にあります。
そういうときに、感想や質問を書いてもらっても読むキャパシティーがなかったり、読みたくなかったり…
あるいは自分を守る必要から、コメント欄を閉じるというのは、正当、かつ必要なことだと思います。
ただ、散見されるのは、自論をあれこれと展開しながら…
しかもコメント欄を開いていながら…
年寄りが、あるいは未熟な者が言っている「戯言ですのでご放念ください」といった断り書きをして…
どんな時も、常に、感想や質問をあらかじめシャットアウトするような「圧をかけて」書いておられる方のケースです。
そういうアカウントだと分かっていて、読みたくなければスルーすればいい、ということなのでしょうし…
実際、私もそうします。
でも、公共空間に向かって、情報やオピニオンを一方的に放り出しながら…
つまり、いろんな人に読まれる=読ま「せる」ことを前提にしていながら…
読んだ人から返って来る、感想や質問などは一切お断り。
双方向の「コミュニケーション」をするつもりは端からありませんから、という圧までかけるというのは…
やっぱり一方的な話の押し付けであって、読んだ人(読んでしまった人)に対する…
一種のハラスメントじゃないか、と私は思うのです。
書籍や、新聞、テレビといったメディアでも、読者、視聴者から寄せられるご意見ご感想は、一切お断り…
などということはないわけです。
(もしあったら、めちゃくちゃ批判されるでしょうね)
ましてインターネットという、インタラクティブ=双方向性の強いツールを利用しているのに…
ご意見、ご感想、異論反論など、ぜんぶお断りというのは…
どうなんでしょう。
便所の落書きじゃないのですから。
便所の落書きだって、公共物の汚損、という面を抜きにして考えても…
読んでしまった不特定多数の人への、ハラスメントであり、言葉による暴力だと思います。
いずれにしても、情報を発するということは、それを受け取った人に何らかの「変化」を起こすものです。
その変化の内容は、気付き、成長、共感、反感、癒し、安心、喜び、笑い、怒り、などさまざまあるわけですが…
聞いたり読んだりした人に、何らかの変化を起こすことを期待するからこそ、人は情報を発信するわけです。
そして受信した人からのフィードバックを受ければ、発信者もまた変化して、気付きを得たり、成長したりできます。
そうした自分の変化……気付き、成長、共感、反感、癒し、安心、喜び…などなどといったものを受けて、また発信する。
再び発信することで、相手に何かの影響をまた与える。そしてまた、フィードバックを得る。
その連続の中から、おそらく、新しい何かが生まれてくる。
それが、人間のコミュニケーションというものです。
人と人とがコミュニケーションをすることで…
個人の考えや心に影響を与えるだけでなく、その人たちをとりまく状況に、ひいては社会に影響を及ぼすのです。
そうした可能性を初手から全く期待しないのならば、メッセージを発信することに、何の意味があるでしょうか。
ただ物を言ってスッキリしたい、どうしても気を晴らしたいということなら、地面に穴を掘って叫ぶのがいい。
聞いてくれる人がいないとつまらない、というのなら、それはエゴの押し付けであって…
明確なハラスメントになります。
ということを踏まえて…
情報の発信にフィードバックがあるというのは、ものすごくありがたいことです。
コミュニケーションがちゃんと成立したんだ、ということを、確認できるわけですし…
それによって自分がまた変化するというのは、わくわくするような、スリリングなことです。
自分自身の、成長のチャンスです。
知的な成長、心の豊かさの成長が止まったら、それは人間にとって魂の死ですからね。
できれば肉体の死の直前まで、精神は生き生きとしていたいものです。
実際、私のブログでも、いただいたコメントを読んで、コメント欄に書いたお返事のほうが…
最初に自分が書いたものよりも内容があったり、面白かったりすることが、頻繁にあります。
コメント欄のやり取りを発展させて、新しい記事を書いたことも、一度ならずあります。
ひとりで考えて書いたものよりも、他の人と対話しながら書いたものの方が…
新しい気付きや視点が入って面白くなるのは、考えてみれば、当然かもしれません。
だから、ブログにコメントを頂くのは、とてもありがたいです。
「いいね」などのリアクションをたくさん頂くのも嬉しいですが、コメントは、さらにもっとありがたい。
話し合うことで記事がさらに発展するし、自分も情報を得たり気付きを得たり、成長することができるからです。
また、自分が書いたことが他の方に影響を及ぼし、新しい変化が起きていることを確認できるからです。
このブログアカウントは、自分の趣味を中心に書くつもりで始めたものですが…
アルファロメオについて新たな視点や、関心を持っていただけた方もいらっしゃる様子で、とても嬉しいことです。
小倉唯さんについても「布教」(ある界隈ではコンテンツのファンを増やす活動をいいます)の意図は当然あって。
たとえおひとりでも、新たなファンの方がもし出来たなら、大大大成功!
そこまで行かなくても、ただ名前を広めることができるだけでも意義があると思っていたのですが…
どうやら、今までそこまで関心がなかったのに「ほぼファン」になって下さった方が、どうやらできたようで。
万々歳です。嬉しいです!
小倉唯さんにも、所属事務所やレーベルにも、少しだけ営業的な貢献ができたということですしね!笑
そうやって、ささやかながら読者の方に、世の中に影響を与えられるからこそ…
ブログには「やりがい」があるし、意味があるのではないでしょうか。
それを確認できる、コメント欄はありがたいものです。
話にならないバカバカしいことを書いてくるコメントや…
悪意で、ただこちらを傷つけるために書かれたもの、挑発と愚弄を目的とした書き込みは、スルーしますが…
傾聴に値するまともなご意見なら、私の意見と違っても、対話からお互いの成長や理解が得られるかもしれませんから…
対応させていただきます。
最初から「論破」することを目的とした「口喧嘩」は、議論とは根本的に違う、不毛なものですが…
(それを専門にしているネット芸人もいますね)
発展性のある、お互いを成長させる可能性を前提とした、あるいは新しい物事の視座を導くための対話…
弁証法の用語でいえば、アウフヘーベン=止揚を導くようなもの。
つまり口喧嘩ではない「本物の議論」なら、喜んでさせていただきます。
ですので、これからもコメント欄に、どしどしご意見、ご感想、ご質問をお寄せください。
なんだか小難しいことも書いてしまいましたけれど…
素朴なご感想ひとことでも、とてもありがたいです。
フリック入力が苦手なので、時間があるときにする、遅いレスポンスになるかもしれませんが…
基本的に、お返事させていただきたいと思っています。
よろしくおねがいします。