
先日「アンを探して」の未完成版テスト試写がカナダ大使館で行われました。この企画は直販雑誌「いきいき」の読者を限定に200名を招待し、未完成の編集作品に対し意見を聞いて参考にしたいと計画したものです。日本ではおそらく初めての試み、カナダでもここまで大規模のものは初めてです。参加者を募ったところ数日で満員になる程の期待度でした。
上映日にそなえ、一週間まえのある日、カナダ大使館のオスカー・ピーターソンシアターにてプロジェクターテストをしたところ、素材がデーターを圧縮したDVDだと言う事もあってプロジェクターにかけると、色はとび、映像は少しボケていて、音もすっきりしないものでした。映写技師の方にいろいろ調整をしてもらっても、素材がこれでは限界があるとのこと。今回は参加していませんが、映像を担当したスタッフ達がこれを見たらきっと卒倒するに違いないと思う程でした。企画のアイデアは良かったものの、この日から私はハラハラ、ドキドキ、後悔の毎日を過ごす事になります。カナダに連絡をとって、持って来る素材はなるべく質のいいものにして欲しいと注文。それ迄も編集、字幕作り、DVD作りで数日間徹夜続きの監督に、更なる苦労を与える事となりました。また、そこまでして来日した監督に結果が散々で、評判もよくなければもう致命的な打撃を与える事になります。主催してくださった「いきいき」の編集部の方、カナダ大使館の方達にも申し開きがたちません。何と言う無謀な事を企画したのだろうと、、、我が身を責める思いでした。
上映会の前日にようやっと監督ができたてのDVDを持って到着、翌日上映会を迎えました。
開場一時間前から、受付には長蛇の列、客席はほぼ満杯になり、カナダ大使館、『いきいき』編集部両主催者のご挨拶のあと、私と監督がスピーチをし、いよいよ映画が始まりました。質的には1週間前にくらべると少しは良くなった、程度です。上映中生きた心地がしませんでした。
『赤毛のアン』に影響された4世代の女性たちの物語、、、と言う事以外殆ど情報もなく集まって下さった読者の皆様。心から感謝いたします。温かく、知識欲溢れた素敵な方達でした。
熱心な質疑応答のあと、ほぼ200名の参加者のうち、167枚のアンケート用紙が手元に戻りました。85%の回収率です。熱い思いが綴られたアンケート用紙の山、宝物として大切にいたします。

以下、数件を抜粋し、掲載させていただきましたが85%が感動した、面白かった、とても面白かった。92%がもう一度見たい、人に勧めたい、、等でした。
それまでの心配は一気に吹き飛び、どれだけ監督が感動したかは察していただけると思います。ハラハラ、ドキドキがいきいきとした気分になった一夜でした。
「さあ、これから頑張って3月完成を目指そう」と言う思いを新たにいたしました。
