写真はMcGRAW-HILL RYERSON社から1968年に出されたカナダで最初のペーパーバック版「赤毛のアン」です。ペーパーバックなので小型だけれど、ハードカバーのしっかりした装丁。
モントリオールの図書館で見付けました。
表紙のイラストは、冒頭、駅でマシューが迎えに来るのを待つアン。
痩せ過ぎで、ちょっとみすぼらしさが目立ちます...。でも顔の表情には、夢見がちで、何かしでかしてくれそうな妖精ッ子のようなアンらしさがあって、悪く無いと思ったのですが、いかがでしょうか。
ページをめくると...やっぱり半世紀近くの時を経てかなり黄ばんでます。
破れもあるし、まあはっきり言ってボロボロ...。笑)
それでも図書館では現役です。
ここの図書館には1942年に同じRYERSONから出たFirst Canadian Editionもあって、こちらも補修を施しつつ、りっぱに現役なのがすごいです。
一体、何人の人がこの本を借りて読んだのでしょうか。
書き込みも無く、とても大切に読まれ続けて来た事が分ります。
「赤毛のアン」の版権は、長らく1908年の初版を出したボストンのL.C.Page社が持っていて、その初版も最初はアメリカとイギリスで発売で、カナダではありませんでした。まあ当時のPEIのモードにとっては、同じカナダのトロントや西部カナダなどより、ニューイングランド、ボストンの方が文化的にも文学的な心の距離も余程、近かったかもしれません。
でもモンゴメリの亡くなった年(1942年)に、やっとカナダ版「赤毛のアン」が出たというのは皮肉なものです。
Report by 藤本紀子
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