「いじられる」のは人気があるから?
かまいやすいから?
ノリが良いからなのかな?
場の雰囲気がなごむ?
彼のまわりは笑い声が溢れていました。
いつもたくさんの友達に囲まれて、傍で見ててとても楽しそうに見えました。
耳を立てて会話を聞いてみると、確かにイチイチ友達にからかわれて笑われているようにもきこえました。
彼も楽しかった時は、それでよかったんでしょうね。
いつの日からかそんな友達関係に、彼はとっても疲れるようになり、不満や不安、嫌悪感さえ覚えるようになりました。
そう思うようになってから彼は、「自分はいじられてるんじゃなくて、いじめられてるんじゃないのか?」と疑うようになりました。
そして実際からかってくる人達もそれを聞いて笑ってる人達の事も、段々避けるようになっていました。
仲良くしたいけど、もういじられて笑われたくない。
やめてって笑いながら言ったら、余計にやってくるし、いじめだって文句言ったら、友達じゃなくなりそうで言えない。
そんなジレンマに悩んでいました。
折角勇気を出して相談に来てくれたので、どーしたら良いか一緒に考えました。
彼の場合、相手は彼のことが多分大好き!
ストレートに嫌なことはイヤだって、もっとはっきり気持ちを伝えようと言う結論になりました。
オトナがいきなり子供達の間に入ったら、話がこじれてしまうと思ったので、子供達が集まる周りのちょっと離れたところに、大人同士も集まって話をする事にしました。
いつものように彼はからかわれ、笑いが起きていました。
味方が傍にいること知っていた彼はいつもより少し強気でした。
本気でやめて欲しいと言うと、ビックリした様子で「冗談なのになんでそんなにムキになってるの?」って、ちょっと逆切れしそうな感じで場の空気も悪くなったので、偶然通りがかったふりをしてオトナも話に加わりました。
「元気ないけど、何かあったの?」さりげなく声をかけて、一通りの事情を聞いたあと、いわゆる被害者と加害者と傍観者(あえて使わせてもらいます)それぞれ別々に言い分(いいぶん)を聞く事にしました。
予想通り加害者の子達には悪いことをしてると言う意識はなく、もちろんいじめてるとも思ってなくて、むしろ彼が喜ぶからかまってると言う感覚でした。
被害者の彼の話は私は聞いていたので、違う大人にも話を聞いてもらう事にしました。
私が1番知りたかったのは、傍観者達の眼にはどう映っていたかでした。
傍観者の子達の意見は様々でした。
やりすぎだと思ってる子。
仲良くて羨ましいと思ってる子。
いつものことだから何にも思わないと言う子。
自分がやられてるんじゃないから良いと思ってる子。
口出ししたり止めたら、自分が嫌われるかいじめられると思ってる子。
たまたまそこに居ただけだからと言う子。
オトナには関係ないと言う子…等々
加害者の子達にはいじるは度が過ぎるといじめになるし、彼が本気で嫌がってるっことを、当人同士の話し合いできちんと理解してもらうから、最期まで話を聞いてあげてねってお願いをしました。
いじめだろうがいじるだろうがかまうだろうが、嫌がることはやめようと言う話し合いをして貰う事にしました。
傍観者の子達には彼にとって止めてくれないで一緒に笑ってる人たちも、加害者と同じでは?…と問いかけました。
後は子供達が話し合うのを、オトナは後ろで黙って聞いていました。
子供達の話合いは本音が飛び交っていました。
それぞれの思いやりだったり、すれ違いだったり、遠慮や自己防衛や自己嫌悪、ストレスなど涙と一緒に溜めていた思いが溢れていました。
オトナは道標で答えでは無いと思っています。
ヒントだけ与えて、どこへ向かうか本人達の選択に任せてました。
口も手も出せば早いとは思います、見守るだけはじれったいかもしれません。
でもそれも、オトナの役目では?
全員から「心配かけました。ちゃんとはなしできました。ありがとうございました。」と言う言葉が聞けたので、大人たちは子供達を残して大人の都合の愚痴をこぼしあって帰りました。
その日の話し合いの中に、わが子たちの顔はいなかったけど、相談されたら他人の子も自分の子も関係ない、おせっかいおばさんたちもいるんですよ(ノ´∀`*)
このお話は解決できたほんの1例ですが、彼はその後いじめられることもいじめることこともなく、美味しいところはいじられキャラを自ら楽しんでいるそうです'`,、('∀`) '`,、
彼もうすぐ大人の仲間入り!
子供達のどんな道標になってくれるのか楽しみにしています( ^ω^ )
みや