何故か前回のイベントの個人メモをまとめたら、このブログに異常な数のアクセス(ユニークユーザー数3000超!!)があって恐ろしくなっています。あくまでも個人用メモですよ??みんなどうしたの??
とりあえず前回の個人メモにスケールとコードの構成音の補足を追記しました(2020.2.1)。
というわけで去る2020年1月13日に行われた翻訳家・ライターの朝日順子さんと、QUEENESSのメンバーとしても活躍されているプロベーシストののまぐちひろしさんによるディーコン愛が炸裂するイベント、前回と内容を変えての開催となりました。
【注意】
※レポートではありません。自分用のメモに友人への説明用として注釈を入れたものです。補足していない用語等もたくさんありますがあくまでも自分用なのでご了承願います。話も前後しています。
※曲名の後に書いてあるものは、実演時に使ったベースに張ってある弦の種類。メモに夢中で写真は1枚も撮っておりません。
※各項目の※印はベースプレイ上のメモ。
※何かご質問あればわかる範囲でお答えします。Twiiter(@apathy_k)のDMか、このブログのコメント欄へどうぞ。
◆今回のイベント趣旨(朝日さん)
特にベースの実演が好評だったので、実演を増やした。歌詞の解説もします!
◆清水一雄さんのQUEENカバーアルバム(のまぐちさん)
QUEENESSのギタリストで、国内屈指のブライアン・メイ研究家でもある清水一雄さん個人名義による、QUEENのカバーというよりコピーのインストアルバムに、のまぐちさんが参加。
曰く「僕はただベースを弾いているだけ」。
シンセとドラムの入ったトラックを送ってもらってベースを弾いて送り返す形。
ベースはほぼワントラック、原曲にあれば重ねている(筆者註:Killer Queenの2コーラス目サビ直前のG♭から下がるアレか?)。
テンポやステレオの位相までレコーディングバージョンを再現した。
基本的にシンセ(ピアノパート含む)やドラムは打ち込みだが、テンポが変わる曲も多いので結局シンセを弾いて打ち込んでいる部分も多い。
以前K's Guitar Works(レッドスペシャルを作りたくて職人になった方が立ち上げたギター工房)用のサウンドファイル用に本家QUEEN側から許可を取って10曲程録音した際に、ベーシストとして参加したのがのまぐちさん。
そのサウンドファイルを聴いたブライアンから工房側に「Yeah!」という趣旨のメールが届いていた。
「あの時の俺らだよ!進んだの出来たよ!」とブライアンに言いたい。
◆Bicycle Race実演(のまぐちさん・ラウンドワウンド弦)
リズムチェンジ、キーチェンジが多用されていて忙しい曲。
こうでもしないと普通の人はベースに注目してくれない。歌とベースのバランスが大事。
清水さんのアルバムは本物を凌ぐ暑苦しさ、いい意味で笑っちゃう。自転車ベルの部分は当初シンセ音源で入れていたが、どうしてもしっくりいかない為、本物のベルを使った。
※♪I want my bicycle~♪部分の運指はA弦からスタート。
◆ブライアンのギターソロを模したベースソロ実演(のまぐちさん)
現場でベースソロを請われた際にネタとしてやる。
エフェクターをディストーション(筆者註:音を歪ませる)、ディレイ(筆者註:音を遅らせて出力する)の順でかけて、2オクターブ上げる。
ディレイのタイミングに合わせて5度の音を弾く。
(筆者註:ギターの音域と合わせるために2オクターブ上にしていると思われる。また、プレべだと高音域が足りない旨仰っていたので、普段は24フレットのベースを使用していると思われる※プレべは20、E♭が最高音)。
聴いた人に「ブライアン・メイですね?」とニヤリとされる事あり。
のまぐちさんはベースを始めたもののそれを後輩に譲り、高校時代にGrecoのブライアン・メイモデルのギター(曰く「究極のニ○モノギター」)を購入し、フェイズスイッチ(筆者註:しゅわしゅわする音を作るエフェクトのスイッチ)をいじっては「これは何だ?」とやっていたと。その後ベースに再転向。
このベースソロはのまぐちさんご自身のYoutubeチャンネルでも披露。
◆グルーヴの解釈(朝日さん、のまぐちさん)
無音の隙間を追求したのがHot Space(朝日さん)
「ピッタリ合っている」がグルーヴという言葉の本来の意味。「ノリが良い」ではない。
ロック系では16分等、音の刻みを細かくしてスピード感を出すが、ファンク・ソウル系は逆の方向で音を無くす(のまぐちさん)。
※前回と同様にAをルートとした演奏例。
(1)レガート気味
(2)左手と右手でミュートしてスタッカート気味(右手で弦を止める時のアタック音を混ぜるケースも有り)
(3)16分を意識したスタッカート気味(16分のフィルインが入ったもの)
間がある分、自由に動ける。ベースの隙間にドラムが16ビートを入れたりできる。
◆The Rap Of The Gods...Revisited実演(のまぐちさん・フラットワウンド弦)
開放弦のDから2オクターブ上のDが入る(筆者註:Q+ALのニールも同様だった←ライブで観察してきた)。
2オクターブ上が入るのはすごいアイディア、かなり攻めてる!ジョンすげえな!
ほとんどルート音(筆者註:根音、コードの根っこになる基本の音とでも言うべきか)で弾いている。シンプルだけど好き。
清水さんのアルバムではコーラスを清水さん(低音部)とのまぐちさん(高音部)で入れている。
各パート2本×5回重ねている。
◆Bohemian Rhapsody実演(のまぐちさん・フラットワウンド弦)
コードはシンプルで、ルート音を弾いているだけだが、B♭→G→C→Cと来てオクターブ上のFが入ることによってドラマティックに聴こえる(♪Pulled my trigger, now he's dead~の所で入るF音)。攻めてるベース。
※F音の運指はのまぐちさんはG弦、ライブでのジョンはD弦。右手もツーフィンガーのみでプレイ。今回のデモ演奏ではレコーディングバージョンを再現しているようだ。
◆Cool Cat歌詞解説(朝日さん)
タイトルは「カッコいい野郎」。歌詞はフレディと思われる。一番性的志向があからさまに出ている歌詞かもしれない。
cruising
→ナンパ相手を探して流すの意味。
後輩にアドバイスをする歌詞。
登場人物はおしゃれで目立ちたがり屋。
hit the big time
→大ブレイクする、でもこの登場人物はまだブレイクしていない。
スピード出しすぎだからスローダウンしなさい、とアドバイスしている。
フレディとジョン2人だけでレコーディングした曲。
◆Cool Cat実演(のまぐちさん・ラウンドワウンド弦)
珍しくジョンのスラップが聴ける曲(曲の一部に少し入る程度)。1コーラス目はプルのみ、2コーラス目はもう少し入っている。
初期のQUEENの曲からは考えられない音作り。ノンジャンル、節操がない。そこが面白い。この時期はフレディもジョンもブラックミュージックに傾倒していた。
(筆者註:フレディのファンク・ソウルテイストの曲は完全にそれではなく、やっぱりどこか変←褒めてる。ジョンが一人で作った曲の方が余程それっぽい)
◆Rain Must Fall歌詞解説(朝日さん)
後輩にアドバイスするというCool Catとの共通点あり。
I can see it in your stars
Life is so exciting
→こちらの登場人物はブレイクして大スターになっている。
And looking so mysterious
→フレディのインタビューに「ミステリアスにしたい」という発言がよく出てくる。
a little rain must fall
→時々雨が降る→たまには辛いこともある
Be cool
→クールに構えろ、他人の意見は変えられないから(酷評するメディアのことを指す?)
Anyone who imagines
That can blindyou with science
Bully you all over
With property and finance
→フレディが歌詞を書いたと言われているが、この部分は現実的なのでジョンが書いたのでは?
◆Rain Must Fall実演(のまぐちさん・ラウンドワウンド弦)
部分的にシンセベースが使われていると推測。Low-Cが使われている+音色から。手弾きないし打ち込み(筆者註:パソコンのシーケンサーソフトや、シーケンサー専用機を用い、音価を指定してプログラミングするもの。デスクトップミュージック(DTM))。ベースラインはパターン化されたもの。
ジョンは5弦ベースは使っていないと思われる。
(筆者註:4弦ベースの最低音はLow-E。その1音下のLow-Dが入っている曲が数曲あるが、これはE弦をDに落としてチューニングしてあるもの。ダウンDチューニング。例:Fat Bottomed Girls、White Man、Headlong。なお5弦ベースはLow-Bが最低音)
◆Anothe One Bites The Dust実演(のまぐちさん・ラウンドワウンド弦)
前回も話に出たレコーディング音源のピッチが高い件(筆者註:大雑把に言うとEとFの間のピッチで、A=440hzでチューニングすると全く合わない)。
映画ボラプでレコーディングシーンが出てくるが、テンポが遅い。また(レコーディング音源の)歌の音質は違和感がない。よってレコーディング音源のピッチを高く(筆者註:テープの回転を上げるとピッチが高くなりテンポが早くなる)してから歌を入れたのではないか?
装飾音の16分A→Gはあったりなかったり。
イントロは10小節だが、ライブは8小節でフレディが歌いだすことが多い。
(筆者註:映画ボラプはピッチが既に高めだが、レコーディング音源と比較するとほんの少し低い。この部分を弾いているのはQ+ALのニール。エンドロールでクレジット確認。弦の摩擦音が入っていたので彼のセッティングはラウンドワウンド弦使用で間違いないと思う)
◆Back Chat歌詞解説(朝日さん)
一番歌詞の完成度が高い。韻を踏んでいる。
◆Back Chat実演(のまぐちさん・ラウンドワウンド弦)
のまぐちさんが現在バックバンドのメンバーとして参加されている某シンガーT.T氏の曲に酷似しているものがあり、現在でも演奏することがある為「どっちだっけ?」とほぼ一緒のベースラインが混ざることがある。T氏の曲は最後にシンコペーションが入る。
1984年3月末にThe Worksのアルバムプロモーションでジョンとロジャーが来日した際、本人たちにT氏の曲を聴かせるとテレビ番組をリアルタイムで見た(朝日さん)
中学生の時に聴いて「やべえな」「アレンジャー遊んでるな」と思った(のまぐちさん)
※メインリフの2小節目ハンマリングオンあり
※キメのA→C→D→F→GはC以降A弦のみで上がっていく運指であった(D弦が混じると音が細くなるせいか?)
◆Don't Stop Me Now実演(のまぐちさん・ラウンドワウンド弦)
テンポはそんなに早くないがスピード感がある。バスドラムが8分で細かく踏んでいる。
ところどころF♯→Dが入ったりするのも効果的(♪That's why they call me Mr. Fahrenheit~の部分)。
8ビートでシンプルだが4小節ではなく5小節のパターンで出来ている為、初見では弾けない意外な難曲。何となくしか知らない人と演奏すると大抵途中で演奏が止まってしまう。
※イントロはプリングオフ(右手を使わず、弦を左手でひっかけて音を出す)とハンマリングオン(右手を使わず、弦を左手で叩いて音を出す)混じり。(筆者ひとりごと:フラットワウンド弦だとプリングオフがめちゃくちゃやりづらい、困る)
※♪I don't wanna stop at all~のB♭→F→2オクターブ上のB♭、運指はA弦→A弦→G弦
◆The Millionaire Waltz実演(のまぐちさん・フラットワウンド弦)
ベースラインではない、カウンターメロディー(筆者註:対旋律、オブリガード。メインメロディーと対になるようなフレーズ)。緻密なアレンジがされている。
エンディングは同じフレーズを弾いているが、楽器の構成が違うから違っているように聴こえる。
◆You're My Best Friend解説(朝日さん)
ヴェロニカ夫人に宛てられたと言われている曲。
なおジョンがインタビューで「エルビス・コステロの「ヴェロニカ」が好き、妻の名前だから」と答えているものがあるが、当該曲(ポール・マッカートニーとのコラボ曲である)は認知症のおばあちゃんを歌ったものである。
◆You're My Best Friend実演(のまぐちさん・フラットワウンド弦)
楽器をやっていない人はベース音として聴き取れないのでは?
イントロのフレーズはCメジャーのペンタトニックスケールであることに気が付いた。
(筆者註:ペンタトニックスケール→1オクターブに構成音が5個ある。メジャー=長調。ヨナ抜き音階もペンタトニックスケール)
構成音はC,D,E,G,Aだが、Hi-C→Hi-D→Hi-E♭→Hi-E→G→A→Hi-Cというフレーズで、装飾音のE♭が入っていることによってペンタトニックに聴こえない。
◆質問コーナー(参加者からのまぐちさんへ)
Q:You're My Best Friendに重音(和音)が入っているとは思わなかった(筆者註:♪You're my sunshine~のコードD部分。DとF♯の和音。運指は12/D弦+11/G弦)。
A:あくまでも自分はこう聴こえるだけであって、正解は不明。
Q:右手の使い方の件。ジョンはスローテンポの曲で親指だけで弾いていることがあるが、音が丸くなる(というか太くなる)以外のメリットがあれば教えて欲しい(筆者質問)。
A:ライブバージョンのBohemian Rhapsody等で見られるもの(レコーディングはツーフィンガーと思われる、のまぐちさんも実演時はツーフィンガーでプレイ)。
ジョンがやっていたかどうかはわからないが、利点としては次の通り。
(1)分散的にそれぞれの弦を弾くことができる(アルペジオ的)
(2)ブリッジミュートができる
(筆者註:ブリッジミュート→右手の小指側面をブリッジの上に乗せて、弦をミュートする奏法。ジョンはピックを用いて弾く場合に用いているのが見受けられる。例:Under Pressureのあのベースフレーズ)
細野晴臣氏が近年ずっと親指だけで弾いている。
◆宣伝(朝日さん)
2/2のクイーン・シンフォニックの開演前に、石角隆行さんとミニトークショー。
◆宣伝(のまぐちさん)
クイーン・シンフォニックの裏で2/1にQUEENESSライブあり、横浜パラダイスカフェ。
【こぼれ話】
会場にいらしていた石角さんと終演後少々お話を(昨年10月末の松本イベントに携わっていたのでご挨拶を兼ねていた)。
彼の開口一番が「マイ・ベスト・フレンド、あんなに動くベースラインだとは思いませんでしたよ!」
【謝辞】
当日ジャンケン大会に勝った方、「ベース弾いてらっしゃる方ですよね?」とお声掛け頂きありがとうございました。
相互フォロワーさんのお知り合いの方だったようなのですが、お名前を伺いそびれてしまったのでこの場を借りて御礼申し上げます。(まだちゃんと練習してなくて弾けません)
とりあえず前回の個人メモにスケールとコードの構成音の補足を追記しました(2020.2.1)。
というわけで去る2020年1月13日に行われた翻訳家・ライターの朝日順子さんと、QUEENESSのメンバーとしても活躍されているプロベーシストののまぐちひろしさんによるディーコン愛が炸裂するイベント、前回と内容を変えての開催となりました。
【注意】
※レポートではありません。自分用のメモに友人への説明用として注釈を入れたものです。補足していない用語等もたくさんありますがあくまでも自分用なのでご了承願います。話も前後しています。
※曲名の後に書いてあるものは、実演時に使ったベースに張ってある弦の種類。メモに夢中で写真は1枚も撮っておりません。
※各項目の※印はベースプレイ上のメモ。
※何かご質問あればわかる範囲でお答えします。Twiiter(@apathy_k)のDMか、このブログのコメント欄へどうぞ。
◆今回のイベント趣旨(朝日さん)
特にベースの実演が好評だったので、実演を増やした。歌詞の解説もします!
◆清水一雄さんのQUEENカバーアルバム(のまぐちさん)
QUEENESSのギタリストで、国内屈指のブライアン・メイ研究家でもある清水一雄さん個人名義による、QUEENのカバーというよりコピーのインストアルバムに、のまぐちさんが参加。
曰く「僕はただベースを弾いているだけ」。
シンセとドラムの入ったトラックを送ってもらってベースを弾いて送り返す形。
ベースはほぼワントラック、原曲にあれば重ねている(筆者註:Killer Queenの2コーラス目サビ直前のG♭から下がるアレか?)。
テンポやステレオの位相までレコーディングバージョンを再現した。
基本的にシンセ(ピアノパート含む)やドラムは打ち込みだが、テンポが変わる曲も多いので結局シンセを弾いて打ち込んでいる部分も多い。
以前K's Guitar Works(レッドスペシャルを作りたくて職人になった方が立ち上げたギター工房)用のサウンドファイル用に本家QUEEN側から許可を取って10曲程録音した際に、ベーシストとして参加したのがのまぐちさん。
そのサウンドファイルを聴いたブライアンから工房側に「Yeah!」という趣旨のメールが届いていた。
「あの時の俺らだよ!進んだの出来たよ!」とブライアンに言いたい。
◆Bicycle Race実演(のまぐちさん・ラウンドワウンド弦)
リズムチェンジ、キーチェンジが多用されていて忙しい曲。
こうでもしないと普通の人はベースに注目してくれない。歌とベースのバランスが大事。
清水さんのアルバムは本物を凌ぐ暑苦しさ、いい意味で笑っちゃう。自転車ベルの部分は当初シンセ音源で入れていたが、どうしてもしっくりいかない為、本物のベルを使った。
※♪I want my bicycle~♪部分の運指はA弦からスタート。
◆ブライアンのギターソロを模したベースソロ実演(のまぐちさん)
現場でベースソロを請われた際にネタとしてやる。
エフェクターをディストーション(筆者註:音を歪ませる)、ディレイ(筆者註:音を遅らせて出力する)の順でかけて、2オクターブ上げる。
ディレイのタイミングに合わせて5度の音を弾く。
(筆者註:ギターの音域と合わせるために2オクターブ上にしていると思われる。また、プレべだと高音域が足りない旨仰っていたので、普段は24フレットのベースを使用していると思われる※プレべは20、E♭が最高音)。
聴いた人に「ブライアン・メイですね?」とニヤリとされる事あり。
のまぐちさんはベースを始めたもののそれを後輩に譲り、高校時代にGrecoのブライアン・メイモデルのギター(曰く「究極のニ○モノギター」)を購入し、フェイズスイッチ(筆者註:しゅわしゅわする音を作るエフェクトのスイッチ)をいじっては「これは何だ?」とやっていたと。その後ベースに再転向。
このベースソロはのまぐちさんご自身のYoutubeチャンネルでも披露。
◆グルーヴの解釈(朝日さん、のまぐちさん)
無音の隙間を追求したのがHot Space(朝日さん)
「ピッタリ合っている」がグルーヴという言葉の本来の意味。「ノリが良い」ではない。
ロック系では16分等、音の刻みを細かくしてスピード感を出すが、ファンク・ソウル系は逆の方向で音を無くす(のまぐちさん)。
※前回と同様にAをルートとした演奏例。
(1)レガート気味
(2)左手と右手でミュートしてスタッカート気味(右手で弦を止める時のアタック音を混ぜるケースも有り)
(3)16分を意識したスタッカート気味(16分のフィルインが入ったもの)
間がある分、自由に動ける。ベースの隙間にドラムが16ビートを入れたりできる。
◆The Rap Of The Gods...Revisited実演(のまぐちさん・フラットワウンド弦)
開放弦のDから2オクターブ上のDが入る(筆者註:Q+ALのニールも同様だった←ライブで観察してきた)。
2オクターブ上が入るのはすごいアイディア、かなり攻めてる!ジョンすげえな!
ほとんどルート音(筆者註:根音、コードの根っこになる基本の音とでも言うべきか)で弾いている。シンプルだけど好き。
清水さんのアルバムではコーラスを清水さん(低音部)とのまぐちさん(高音部)で入れている。
各パート2本×5回重ねている。
◆Bohemian Rhapsody実演(のまぐちさん・フラットワウンド弦)
コードはシンプルで、ルート音を弾いているだけだが、B♭→G→C→Cと来てオクターブ上のFが入ることによってドラマティックに聴こえる(♪Pulled my trigger, now he's dead~の所で入るF音)。攻めてるベース。
※F音の運指はのまぐちさんはG弦、ライブでのジョンはD弦。右手もツーフィンガーのみでプレイ。今回のデモ演奏ではレコーディングバージョンを再現しているようだ。
◆Cool Cat歌詞解説(朝日さん)
タイトルは「カッコいい野郎」。歌詞はフレディと思われる。一番性的志向があからさまに出ている歌詞かもしれない。
cruising
→ナンパ相手を探して流すの意味。
後輩にアドバイスをする歌詞。
登場人物はおしゃれで目立ちたがり屋。
hit the big time
→大ブレイクする、でもこの登場人物はまだブレイクしていない。
スピード出しすぎだからスローダウンしなさい、とアドバイスしている。
フレディとジョン2人だけでレコーディングした曲。
◆Cool Cat実演(のまぐちさん・ラウンドワウンド弦)
珍しくジョンのスラップが聴ける曲(曲の一部に少し入る程度)。1コーラス目はプルのみ、2コーラス目はもう少し入っている。
初期のQUEENの曲からは考えられない音作り。ノンジャンル、節操がない。そこが面白い。この時期はフレディもジョンもブラックミュージックに傾倒していた。
(筆者註:フレディのファンク・ソウルテイストの曲は完全にそれではなく、やっぱりどこか変←褒めてる。ジョンが一人で作った曲の方が余程それっぽい)
◆Rain Must Fall歌詞解説(朝日さん)
後輩にアドバイスするというCool Catとの共通点あり。
I can see it in your stars
Life is so exciting
→こちらの登場人物はブレイクして大スターになっている。
And looking so mysterious
→フレディのインタビューに「ミステリアスにしたい」という発言がよく出てくる。
a little rain must fall
→時々雨が降る→たまには辛いこともある
Be cool
→クールに構えろ、他人の意見は変えられないから(酷評するメディアのことを指す?)
Anyone who imagines
That can blindyou with science
Bully you all over
With property and finance
→フレディが歌詞を書いたと言われているが、この部分は現実的なのでジョンが書いたのでは?
◆Rain Must Fall実演(のまぐちさん・ラウンドワウンド弦)
部分的にシンセベースが使われていると推測。Low-Cが使われている+音色から。手弾きないし打ち込み(筆者註:パソコンのシーケンサーソフトや、シーケンサー専用機を用い、音価を指定してプログラミングするもの。デスクトップミュージック(DTM))。ベースラインはパターン化されたもの。
ジョンは5弦ベースは使っていないと思われる。
(筆者註:4弦ベースの最低音はLow-E。その1音下のLow-Dが入っている曲が数曲あるが、これはE弦をDに落としてチューニングしてあるもの。ダウンDチューニング。例:Fat Bottomed Girls、White Man、Headlong。なお5弦ベースはLow-Bが最低音)
◆Anothe One Bites The Dust実演(のまぐちさん・ラウンドワウンド弦)
前回も話に出たレコーディング音源のピッチが高い件(筆者註:大雑把に言うとEとFの間のピッチで、A=440hzでチューニングすると全く合わない)。
映画ボラプでレコーディングシーンが出てくるが、テンポが遅い。また(レコーディング音源の)歌の音質は違和感がない。よってレコーディング音源のピッチを高く(筆者註:テープの回転を上げるとピッチが高くなりテンポが早くなる)してから歌を入れたのではないか?
装飾音の16分A→Gはあったりなかったり。
イントロは10小節だが、ライブは8小節でフレディが歌いだすことが多い。
(筆者註:映画ボラプはピッチが既に高めだが、レコーディング音源と比較するとほんの少し低い。この部分を弾いているのはQ+ALのニール。エンドロールでクレジット確認。弦の摩擦音が入っていたので彼のセッティングはラウンドワウンド弦使用で間違いないと思う)
◆Back Chat歌詞解説(朝日さん)
一番歌詞の完成度が高い。韻を踏んでいる。
◆Back Chat実演(のまぐちさん・ラウンドワウンド弦)
のまぐちさんが現在バックバンドのメンバーとして参加されている某シンガーT.T氏の曲に酷似しているものがあり、現在でも演奏することがある為「どっちだっけ?」とほぼ一緒のベースラインが混ざることがある。T氏の曲は最後にシンコペーションが入る。
1984年3月末にThe Worksのアルバムプロモーションでジョンとロジャーが来日した際、本人たちにT氏の曲を聴かせるとテレビ番組をリアルタイムで見た(朝日さん)
中学生の時に聴いて「やべえな」「アレンジャー遊んでるな」と思った(のまぐちさん)
※メインリフの2小節目ハンマリングオンあり
※キメのA→C→D→F→GはC以降A弦のみで上がっていく運指であった(D弦が混じると音が細くなるせいか?)
◆Don't Stop Me Now実演(のまぐちさん・ラウンドワウンド弦)
テンポはそんなに早くないがスピード感がある。バスドラムが8分で細かく踏んでいる。
ところどころF♯→Dが入ったりするのも効果的(♪That's why they call me Mr. Fahrenheit~の部分)。
8ビートでシンプルだが4小節ではなく5小節のパターンで出来ている為、初見では弾けない意外な難曲。何となくしか知らない人と演奏すると大抵途中で演奏が止まってしまう。
※イントロはプリングオフ(右手を使わず、弦を左手でひっかけて音を出す)とハンマリングオン(右手を使わず、弦を左手で叩いて音を出す)混じり。(筆者ひとりごと:フラットワウンド弦だとプリングオフがめちゃくちゃやりづらい、困る)
※♪I don't wanna stop at all~のB♭→F→2オクターブ上のB♭、運指はA弦→A弦→G弦
◆The Millionaire Waltz実演(のまぐちさん・フラットワウンド弦)
ベースラインではない、カウンターメロディー(筆者註:対旋律、オブリガード。メインメロディーと対になるようなフレーズ)。緻密なアレンジがされている。
エンディングは同じフレーズを弾いているが、楽器の構成が違うから違っているように聴こえる。
◆You're My Best Friend解説(朝日さん)
ヴェロニカ夫人に宛てられたと言われている曲。
なおジョンがインタビューで「エルビス・コステロの「ヴェロニカ」が好き、妻の名前だから」と答えているものがあるが、当該曲(ポール・マッカートニーとのコラボ曲である)は認知症のおばあちゃんを歌ったものである。
◆You're My Best Friend実演(のまぐちさん・フラットワウンド弦)
楽器をやっていない人はベース音として聴き取れないのでは?
イントロのフレーズはCメジャーのペンタトニックスケールであることに気が付いた。
(筆者註:ペンタトニックスケール→1オクターブに構成音が5個ある。メジャー=長調。ヨナ抜き音階もペンタトニックスケール)
構成音はC,D,E,G,Aだが、Hi-C→Hi-D→Hi-E♭→Hi-E→G→A→Hi-Cというフレーズで、装飾音のE♭が入っていることによってペンタトニックに聴こえない。
◆質問コーナー(参加者からのまぐちさんへ)
Q:You're My Best Friendに重音(和音)が入っているとは思わなかった(筆者註:♪You're my sunshine~のコードD部分。DとF♯の和音。運指は12/D弦+11/G弦)。
A:あくまでも自分はこう聴こえるだけであって、正解は不明。
Q:右手の使い方の件。ジョンはスローテンポの曲で親指だけで弾いていることがあるが、音が丸くなる(というか太くなる)以外のメリットがあれば教えて欲しい(筆者質問)。
A:ライブバージョンのBohemian Rhapsody等で見られるもの(レコーディングはツーフィンガーと思われる、のまぐちさんも実演時はツーフィンガーでプレイ)。
ジョンがやっていたかどうかはわからないが、利点としては次の通り。
(1)分散的にそれぞれの弦を弾くことができる(アルペジオ的)
(2)ブリッジミュートができる
(筆者註:ブリッジミュート→右手の小指側面をブリッジの上に乗せて、弦をミュートする奏法。ジョンはピックを用いて弾く場合に用いているのが見受けられる。例:Under Pressureのあのベースフレーズ)
細野晴臣氏が近年ずっと親指だけで弾いている。
◆宣伝(朝日さん)
2/2のクイーン・シンフォニックの開演前に、石角隆行さんとミニトークショー。
◆宣伝(のまぐちさん)
クイーン・シンフォニックの裏で2/1にQUEENESSライブあり、横浜パラダイスカフェ。
【こぼれ話】
会場にいらしていた石角さんと終演後少々お話を(昨年10月末の松本イベントに携わっていたのでご挨拶を兼ねていた)。
彼の開口一番が「マイ・ベスト・フレンド、あんなに動くベースラインだとは思いませんでしたよ!」
【謝辞】
当日ジャンケン大会に勝った方、「ベース弾いてらっしゃる方ですよね?」とお声掛け頂きありがとうございました。
相互フォロワーさんのお知り合いの方だったようなのですが、お名前を伺いそびれてしまったのでこの場を借りて御礼申し上げます。(まだちゃんと練習してなくて弾けません)