ヴラド公、格好良いです。初っ端から串刺し公、トランシルヴァニアのワラキア公国君主として登場します。
既に剣の達人として先の大戦で名を馳せた人物という設定です。
でも、血の君主にも愛する妻と愛らしい息子が居て、彼を信頼する配下達に囲まれ幸せに暮らしています。
しかし、そのトランシルヴァニアにもまたオスマン帝国の魔の手が再び忍び寄っていたのです。
ストーリーは独特で、彼の領地内の山の洞窟に隠れ住んでいたヴァンパイアに、領地の民や家族を護る為、その身を委ねるという話。
かなり腐的に萌え萌えする内容です。
眷族になって3日、血の渇望へ抗えば、ヴァンパイアに隷属する事無く、元の人間に戻れるというのです。
でも、オスマン帝国の皇帝は狡猾で、ヴァンパイアの力に因って大軍を圧倒していたヴラド公でしたが、
愛する妻を密偵に殺され、愛息子は攫われてしまうのです。
妃の最後の言葉は、無情にも「まだ間に合う。私の血を吸って息子を助けて」。
3日、血への渇望を耐え、民から化け物呼ばわりされても、必死に民を、家族を護ろうとしてきたヴラドは打ちのめされるのです。
そしてほぼ全滅した教会で、生き残った民に問います。
「復讐をしたいか?」
此処からは真祖ヴァンパイアになったヴラド公と彼の眷族になったワラキア公国民の無双状態。
宿敵の皇帝を何とか倒し、愛する一人息子を取り戻しましたが、眷族達が、「人間(息子)は敵だ」と殺すよう迫ります。
初めから彼は決意していたのでしょうか。
ヴラド公がヴァンパイアながら人間の心を維持している内に滅してやると説いた牧師に息子を委ね、
彼は暗雲を裂き、眷族と共に陽の光を受け、灰になっていくのです。
オスマン帝国の兵は撤退し、残った息子がワラキア公国の君主になり、めでたしめでたしになる。
…筈でした。
しかし、彼を「わが君」と何故か崇拝していたヴァンパイアの信者が灰となったヴラド公の口許に自分の血を流し込む。
そして消し炭になっていたヴラド公の遺体が僅かに回復していく処で暗転します。
そう、真祖ヴァンパイアは灰になっても流れる川にその灰を流さない限りは死なないのです。
時代は移り代わり、現代に生きるヴラド公は、街中で妃に瓜二つの美しい女性を見初めます。
しかし、その様子を遠くから見詰めていた老紳士がいます。
「さぁ、ゲームを始めよう」
そう、彼こそはヴラド公と血の契約を交わした洞窟にいた呪われたヴァンパイア。
彼とヴラド公は契約を交わしたのです。3日血への渇望へ抗えば人間に戻れる。
でも、血を呑んでしまえば、彼に隷属しなければならない、彼の駒になるというものだったのです。
ヴァンパイアも誰かに騙され、ヴァンパイアにされ洞窟から出られず、閉じ込められたと言ってました。
彼も誰かにヴァンパイアにされたのです。
ヴラド公がヴァンパイアになれば、晴れて自由の身となり、復讐を遂げると言うのです。
老紳士になった洞窟のヴァンパイアは格好良いおじ様で、不敵に微笑みながらヴラド達二人に付いて行き終わります。
……と言うか、本編が序章で、これからが本編なのでは?と何度も思ってしまいました。
これからが面白そうなのに!と。
ヴラド公を演じるルーク・エヴァンスは「インモータルズ/神々の戦い」でゼウスを演じたように威厳があり、気品のある俳優さんです。
おまけに剣捌きも見事で、普通の人間だった時も綺麗な立ち回りでしたし、
ヴァンパイアになった後も、多数の蝙蝠になって人の姿になってとヴァンパイアの闘いを見事に演じてました。
オスマン帝国の10万の兵を黒雲のような蝙蝠の大軍で蹴散らすシーンは本当に圧巻で、全滅出来るのではと思ってしまいました。
初めてヴァンパイアになった時には、ヴラド公一人で、ホントに「一騎当千」を実際にやってくれてます。
それだけで胸熱な内容なので、ヴァンパイア好きな方は是非観て頂きたいです。
後、腐的な見方も出来るので、漫画「ヴァッサロード」をご存知な方は楽しめるかもしれません。
陽の光を浴びて、愛する者の為、灰になっていくヴラド公はホラー的かもしれませんが、私は綺麗だと思いました。
私的にはオスマン帝国という強国に要求されれば、小国の君主として呑むしかないと思うのです。
それが愛する息子を人質にと言うのであっても、民を護る為、自分もそうだったのですし、仕方無いと思うのです。
それは妃であるミレナでも小国とは言え、君主の妻なのだから、国民と自分の息子を天秤に掛ければ呑むべきだと思うのです。
拒否するという事は、イコール、国の滅亡を意味する事なのだから、それは耐えなければならない筈です。
それを結婚した時に約束したとか、見苦しく「僕は人質になる、行くよ」と潔く言い切る息子に縋って泣き喚くミレナ。
ちょっと、それ…妃としてどうなの?と思ってしまいました。
おまけに死ぬ間際、何とかヴァンパイアの力を使い民を護りつつも、人の心を失わぬよう懸命に抗う夫に、
「まだ間に合う、私の血を飲んで。あの子を助けて」
と言うのですよ。酷い妻。要するにヴァンパイアになれ、化け物になれと言うのですよ。自分の旦那に。
自分は死んで逝くと言うのに。
幾ら魂は永遠だとか、また巡り合う的な事を言ってても、私は酷いな~この人~としか思えませんでした。すみません。
後、ヴラド公の宿敵。オスマン帝国の人質になっていた頃、共に戦った戦友が次代の皇帝になっており、
安定し平和だったトランシルヴァニアのワラキア公国に再度、兵として「少年1000人」を要求してくる皇帝メフメト。
……?どっかで観たような気が……と思っていたら、
「キャプテンアメリカ」でのハワード・スターク役のドミニク・クーパーでした。特徴のある顔だから覚えてました。
トニーのお父さんって事で覚えていたし、「エージェント・カーター」にも出てましたよね。
そんな彼がヴァンパイアとなったヴラド公を恐れず銀や杭で殺そうとする恐ろしい皇帝役を熱演してました。
そして、洞窟のヴァンパイアは、最後、現代にて老紳士の姿なのですが、彼も「( ,,`・ω・´)ンンン?」と思っていたら、
「ヴィクター・フランケンシュタイン」でちらっと出ただけのヴィクターのパパさんでした。
………あれだけなのに余程強烈な印象だったのでしょうか。凄く「どっかで観た!」と思ってました。
大作と言う訳ではないのでしょうが、B級とまでは言いたくない、そんな萌えなドラキュラ映画でした。
是非、現代での古来のヴァンパイアとヴラド公と彼の愛する女性(妃ミレナの生まれ変わり)の愛憎が観たいです!
ヴラド公は彼の隷属なので、言う事に抗えない筈なのです。
彼が愛する彼女を殺せと命じれば抗えないんですよね。ヴァンパイアと眷族の関係だから絶対にです。
ちょっとその辺り、ホント続きお願いしますな感じです。
「インタビューウィズヴァンパイア」の美青年×美青年も良かったですが、老紳士×美青年ってのも有りですよね。
古来のヴァンパイア、チャールズ・ダンスに抗えず苦しむ、ルーク・エヴァンスのヴラド。
女性ファンが殺到しそうな内容かと思います。最近ヴァンパイアモノ少なかったし、どうでしょう。
ちょっとストーリー的には私の妄想と言うか、かなりはしょった処がありますので、
相変わらず詳しい内容はwiki先生を参考にして下さい。
ヴァンパイアと兵の闘いのシーンは本当に胸熱なので、是非ご覧頂きたいです。
ルーク・エヴァンス格好いいです。苦悩する姿は本当にセクシーです。
次回が「美女と野獣」のガストンなのが哀しいです。彼は確かにセクシーですが、
どっちかと言うとディズニーアニメのガストンは筋肉自慢の脳筋なイメージなので(本当ごめんなさ…)、切ない。
もっとクールな役のルークをまた観たいです。
此処まで読んで下さって有難うございます。
漫画「ヴァッサロード」もまだ公式HPも残ってて、漫画も絶版していないと思うので、是非読んで頂きたい。
未だにジョニー・レンフロとチャーリーこと、チャールズ・J・クリスフントの物語を切望している私です。
ヴァンパイアの話は怖い反面、哀しく、切ない話だと思ってしまうのは私だけでしょうか。
さて、最後はマイケルの次回作も予定されている「プロメテウス」です。
余り評価が良くないと聴きますが、人それぞれだと思うので、実際観てみたいと思います。
怖ろしい程の端正な顔のマイケルは、アンドロイド役には打って付けだと思いますし、楽しみです。