雨

外は青い雨
何を見たって、感じたって、予感したって
そこに居るのは　
君なんだ
いつまで続くのだろう
このあてのない旅
果てのない道

僕の名前は
宙に浮いたまま

青い屋根

日曜日。
また雨が降ってきた。

窓から見える青い屋根が、濃い青へと塗り替えられていく。
換気扇がせわしなく回って、時に姿勢をかえた変わり種の雨が
地面に着地する音に、窓の外を見やる。
なあにやってんだか。
僕ってヤツはさ、何冷静に思いを綴るってんだい。
ここに綴る衝動と、雨を眺めたい欲求。
情熱と冷静。
なけなしの情熱。
言葉にしてしまうと、なんだか・・・
安っぽくなっちまうな。

日曜日。
着地する雨粒は、生まれかわって
やっぱり
雨となって青い屋根を濡らすんだろうか？

欠伸

神様がいるのなら、今のこの僕を見て
あなたは何て言うだろう？
どんなことを思うのだろう？
青空のしたの天道虫は、紫陽花の葉の上で
退屈そうな欠伸をした。
生まれたばかりのカマキリは、睡蓮の上で
陸に渡れず途方に暮れた。
田舎の坂道は、君に思いよせた透明な景色
誰にも言わず
求めることもせず
伝えることも許されず
そして僕は今
ここで君に届く筈もない言葉を
あの日の空に向かって
贈るんだ
空の下で笑う君に送る
そのままでいてくれる
君に

何を

　今。
　この時を迎えて
　僕は
　どこをさまよっているのだろう？　　
　何に支えられて
　ここにいるのだろう？
　時空を越えた淡い闇の中で
　僕は
　何を手にして
　何を離したのだろう？
　振ったサイコロは
　花の香り辛うじて放ち
　見たことのない細い隙間
　音もさせずに
　滑っていった
　君は去って
　今。