雲

日がな一日　雲の流れだけを眺めて
草の上で
何を考えるでもなく
自然の中に、溶けていけたら

ばかばかしいことばかり　考えるでもいいや
シンプルに呼吸して
たまに　面白いこと
無意味なこと　考えるでもいいや

口笛　吹きながら
パリッとした青空の中に浮かぶ
柔らかそうな雲を眺めて

穏やかな大地に染み込むほど
同化したい

永久なる
君と

カフェオレ

秋晴れの朝。
斜めに差し込む光が、窓から部屋を覗きこんでいる。
いつも通り、換気扇は静かに回り、食器乾燥機はやおら賑やかに唸っている。
雀は、光の中で機嫌良さそうにさえずっている。
カフェオレの香りは香ばしい。

清々しくて、温かい朝。
車の中のＣＤケースのファスナーが潰れていたことを、思い出す。
また　買わなきゃな。

今日の昼は、何を食べよう。
今　カフェオレを飲んでるからか、和より洋がいいな。
いや、敢えてそこを　和でいってみるか？

ぬくぬく　してんなぁ。
こんな静かで、穏やかな光を気にしていられる朝である。

遠い国では、デモだか何やら物騒なことがあっても
この国では
換気扇回り放題、食器乾き放題、カフェオレ飲み放題　である。
（ま、それは僕個人のことだが？）

世界の格差、この国の格差。
精神面の格差。

長が替わって、静かに渦巻きながら手探りする　国。

歳をとったら、僕は
何を考えながら、朝の光や、カフェオレの温度に
身を委ねているだろう。

ぬくぬくぼけぼけ　している暇に
遠い国では、国と人とが真剣に向き合っている。
暴と考と　国について
柔らかな口調で語ったあと、ディナーに行く。
ぬくぬくした　僕ら。

カフェオレ飲み干したし
では
今日という一日と、向き合うとするか？

食器乾燥機は、まだ唸っている。
窓からの光は…
雲が隠してしまったらしい。