音

月が消える。
この星の影に消える。

月の中の住人は、さぞ不安だったろう。
月から見える太陽が、光がなくなるのだ。

この星から見える月が消えるより、ずっと、恐ろしいことに違いない。

月から聞こえてくるようじゃないか？
光が戻った安堵の声が。
再び輝き始めた自分たちの姿への
賞賛の溜息が。

月の住人はきっと
美しいものが好きな、花の様な人たちに違いない。

月だって綺麗なものを見たいって。
聞こえてくるからさ。
光を放る、夜の音が。

Gold

遠い空からまっすぐやって来て、僕の中を貫いていく
何故、そんなに黄金に輝いている？

君はいつも眩しすぎるんだ。
僕はただ、そんな君を見つめるだけなんだ
どうしてだろう？

重なった空。

ego

僕は、本当に嫌な奴だって分かった。
エゴの塊だってね。

礼節を知れ。
もっと気を、頭を使え。

僕の言動に、
嫌な気持ちになっている人がいるかもしれないのに
こんなところで　のうのうと
甘ったれた自分を慰めてる場合かって。

とりあえず、ここで謝っておこう。
僕がどんな奴かも知らずに
声かけてきた、あの彼に。

僕の世界に迷い込んできてしまった
あの彼の
いくばくかの幸せを祈る。

気が向いたら、またね。
その時は、サシで良い奴ぶろうぜ。

See ya !

no title

週のはじめ。月曜日の朝。
僕は君を裏切るのか？

無常に日々は去って
無情に誰かが去る

旅路のはじめ。八月の夜。
君は僕から、いなくなるのか？

歩

世界は、本当に美しいのだと思う。
でも、汚いものも、五万とある。

どっちを見ながら歩いていくか。
どっちを目指して歩いていくか。
それによって、随分辿り着いた場所の風景は
違うんではないか。

両方を見比べつつ、歩く。
汚いものから、目を逸らしてはいけないんだろう。
美しいものばかり見ていては、先へは行けないんだろう。

僕らの自由は、そこにあるのではないか？

と、思ったところで僕は
まだまだ経験の浅い、ペーペーだ。

たまに格好つけたがる、格好悪い奴。
空に舞い上がるには、まだ準備が足りない。

美しいものを、見つける努力を
恥ずかしそうにする振りをしている。

汚いものを受け入れられる
受けとめられる己になるには、まだまだ
気が遠くなるくらいに、道は果てしない。

どっちを歩む。
何を見つめて、歩む？