Catch the words

from Shizuoka/name is "slide"

手を

2007-08-10 | Weblog
時々、手を伸ばすんだ。
何に向かってか分からないが、手を伸ばす。

何かを求めているのか。
何かを呼び止めようとしているのか。

君はいつも急いている。
僕はいつも佇んでいる。

違う者同士。
違うようで似た者同士。

どうしていいか分からないから
もう祈るしかない。

君が幸せになることを。
幸せが君になることを。

そう願いながら
実は そう言い聞かせながら
僕は今日も 無言でこの世界に生きながらえるのだ。

決まってその先には
君がいる。

どれだけ宙に浮いたまま 考えあぐねいていたか
君に言うつもりはないが 言いたくなる時があるよ。
苦しかったのは君だけじゃない。

言うつもりはないが
時々言ってしまいたくなる。

時々さ。

手を伸ばす。
君に向かってだろうか。
神に向かってだろうか。

朝が来るのが早すぎるんだ。
まだ僕は何も考えがまとまっていない。

決心すら 
揺らいだままで
君のあとを追いかけることも 
するつもりはないのだ。



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空の人

2007-08-07 | Weblog
会ったことのない人。
 
母の父は、もう遥か昔 異国の大地の上で 
戦いの空の下で、散ってしまった。

いつか 会えるだろうか。
母に似ている あの人に。

一度も声を聞いたことはなく
優しい声だったのかも、知る由もなく

古ぼけた 風が吹けば消えてしまいそうな写真
大勢の中で こちらを見つめる顔だけを
知っている。

祖父を知って育ったいたら、母は どんな人になっていただろうか。

数学と美術が好きだった祖父が
なんだか、写真の中から抜け出せない祖父が
会ったことないくせに
好きである。

穏やかだったという祖父が 消えてしまった異国を旅した母は 
少し悲しく 嬉しそうだった。

穏やかな祖父が経験した戦いは どんなに苦しい世界だったか
勝手に想像しては 遥か昔の空のしたで
おどろおどろと行われた出来事に
言葉は なんとも軽率に感じるんだ。

感じるのに、この世界にはまだあるんだよな。

祖父は、どんな顔して見てるんだろう。
時代さえ違えば 祖父と母は笑っていられたのか?

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畔にて

2007-08-07 | Weblog
天の川の畔では、噂の二人が片寄せ合って
この世界のお祭り騒ぎを 囁き合う。
愛を語る前に、世人の憂いごとに心を傾ける。

空想は必要だ。
想像はもっと必要だ。
人にとって大事なものは、想像力と人を思う心。
その両方でもって、人になりえるんじゃないか。

猿だって持っているかもしれない。
夢を見る生き物は皆 想像できる。

これを贈ったら、どんな顔するだろう?
このコラムの筆者は、どんな人だろう?
こんなことを言ったら、あいつはどう思うだろう?

日々、想像 司る脳はフル回転。

想像出来なきゃ、何も出来ない。
人さえ愛せない。

愛することが出来れば、それは目的を達せる。
何でもいいから、愛してみようぜ。

行きつけの喫茶店のあの席を 愛する。
隣の犬の尻尾の丸まり具合を 愛する。
兄の子供の頃からの癖を 愛する。
今 心に浮かぶあの人を相変わらず 愛する。

全て想像出来る人としての目的。
通帳の額や、身長や、ネクタイの趣味は関係ない。

堂々と大地の上で、緑に抱えられて想像するこった。
それが人の 人である所以。

爆弾の価値がいかほどか 想像出来たら
どんなにいいか。

古代から続く祈りは、想像力とも似ている。

そんな気が、しないか?



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行い

2007-08-05 | Weblog
えてして
自分のしていることがどんなことなのか
分かっているのだろうか?

何も言わないだけ。
形がないだけだ。

いつか降ってくるんだろうな。
誰かの涙が。

やはり晴れた空がいいけどな。


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この夏

2007-08-04 | Weblog
この夏は、絶えず風が吹いてるな。

明るすぎる向日葵も、強い風の中で夏の役目に追われている。
萎み掛けた朝顔は、夏の憂いを教えてくれる。
早すぎる赤トンボは、蝉の泣き声聞きながら季節を先取りだ。

ガソリンスタンドの気温は上がって
オープンカーは、赤く蜃気楼の向こうからやってくる。
サングラスのフレームは、流線型。

僕は、この夏の中で煮詰まっている。
どう過ごせばいいか、通り過ぎる人たちに聞きたいぐらいだ。
バスを待つ彼は、少し疲れ顔だが。

こんな夏でも、君はいる。
きっと、夏の中で笑ってるんだろう。
じゃあ、僕も笑おう。
笑う振りでもいいから
明るすぎる向日葵を飾るんだ。
萎み掛けた朝顔は、見えない様に
君だけを思うのだろう。

この夏は、絶えず波が打ち寄せる。


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