１１月の拍手★くしゃみ１００回

ヒック…ヒック…

さっきから大谷が　ずーっとシャックリが止まらんって苦しんでる。
鼻つまんで水のんでも…砂糖水飲んでも…　とまらんのはとまらんくて…

奥の手!!

背後から　そぉーーーーーっと近づいて耳元で叫んでみた

『わっ!!!!』

その声が　おっきすぎたみたいで

『リサ　おまえは　ヒックオレの耳の鼓膜破る気ヒック　アホ』って殴られた

暴力反対や。

『だって脅かしたらシャックリ止まるってゆうやん』
『…　そりやそうやけど』

『それにシャックリ１００回したら死ぬゆうやん』
『あのなぁ…とにかく　ヒック　そのうちとま…ヒック　ヒック』

気にせんように　なんて言いながら大谷は本を読み始めた。
(海坊主特集の音楽雑誌やで)

大谷は本読みながら無意識に息を止めたり深呼吸したり寝ころんだり…
体制変えてもしゃっくりは止まらへん。

なんとかしたい。
どうしたら止められるんやろ…

『せや　ええこと思いついた。ナイスアイデアや』あたしは大谷の横にちょこんっと座って語りかける。

『なぁ　大谷今　ちょっとええかしらー』
『んー　なん　ヒック…　ヒック』

返事しながらも本から目離そうとしてない。
あたしは　自分の中で最大の深刻そうに聞こえる声で言葉を発した。

『大谷　あたしと別れて!!!』
『ヒック　ヒツク　ゲホホホホホ…』

しゃっくりと共に急き込んだ大谷はあたしを睨みつける。

『あ゛ーーーやっぱりあかん？』
『おまえの　ヒック考えそうな事は　ヒックお見通しぢゃック…』

『やっぱし？』
『リサがオレと別れヒック　なんてゆうはヒックないやヒッ…グッ』

『大谷だいすきっ!!!』
『ちょ…リサ　ック』

あたし…嬉しすぎて思わず大谷に抱きついてぎゅーぎゅーしめてもた(笑)

『あっ　このまま占め続けたらシャックリとま…『らんわドあほ　ック』』
『名案やと思うのに…』

『それよりマジ苦し…ヒック　水　ヒック持ってヒツク…』
『あーお水ね　待っててなぁ。』

で…

結局大谷のシャックリを止めたのはアルカリイオン水

『あーぁ　どうせならリサに口移しとかしてもろたらよかったわ(笑)』
『そ…そんなんしたら』

大谷のシャックリより先に　あたしの心臓止まってしまうわ



END