コンプレックス-大谷敦士の場合-2

好きな子…か

それより　オレは吉井や中尾とほたえとるんが楽しい。

そう楽しい…。

『なぁ　大谷きのうテレビ大阪のイケイケナイトみた？』
『イケイケ？って何時からのアニメ』

『アニメちゃうよ。２２時から大人の時間のバラエティ』
『ふーん。』

『って大谷ヤル気ないなぁ』

大人のバラエティーとは　ちょっとHな…番組らしく
クラスで早熟な奴らはみんなみとるという人気番組。
中尾はアニメよりもそっちのほうが詳しい(笑)

『ヤル気って…』

『中尾だめだって　大谷おこちゃまなんだから背とおんなじで…』

『吉井!!背はこの際関係ないやろ　背は…』

『わりぃ　わりぃ　あははは…』

背の事言われて膨れるオレの前に中尾は１枚の写真を差し出した。
それは　真っ赤なビキニきて胸を強調してる女の子

『な…なかおっ!!』
『このこ　その番組に出てるねん。かわいいやろ。』

『か…かわいいって　その…』

ひょいっと吉井がその写真を取り上げ見つめる。

『この子会員番号６５番のみーなちゃんか？』
『そうそう　吉井しっとるん？』

『知ってるよ　オレは５５番のナナちゃんがええなって思ってる。』
『えー吉井って貧乳好き？』

２人で盛り上がってくれ
勝手に盛り上がってくれ。オレはそんなんに興味…

ないわけやないけど　ちょっと違うねん。

『なぁ　大谷って　どんな子がええん？』
『えっ？』

『この４４番あっちゃんなんて可愛いと思わん。』

中尾が指差す子もなんか違う。

オレは…