オレ蒲原茂(18)の近況。
学校終わったら 駅前のコンビニへと直行する事。
それが ここ１カ月続くオレの習慣。
『いらっしゃいませーーーー あっ…。』
開いたドアからオレを見つけて小さな声あげた店員１名。
オレは 商品を探すより先にレジへと一直線する。
『小泉ちゃん。こんちは♪』
『…商品もなしにレジにこんといてください。』
『えー。ええやんお客さん誰もおらんし…
あっそしたら小泉ちゃんのスマイルひとつください。みたいな？』
今日はたまたまなんかオレ以外の客は皆無。
『笑顔は売ってません!サービスです!』
なんてうっとぉしそうに答えた女の子。
オレはここの新人バイトの小泉ちゃんが今めっさ気になっている。
『売ってへんのかぁ…。残念。それは置いといて今日こそ教えて
小泉ちゃんの下のな・ま・え(笑)』
『嫌です。』
『えーーーー。教えても減らんやろ？』
『減りますっ!!ちゅうかなんであたしの名前知りたいん?』
『可愛いから(笑)』
一目合ったその日に恋の花咲いて１ヵ月。
いまだに下の名前知らんのは不幸な話やんけ…。
まぁ名前だけやなくて小泉ちゃんの事なんも知らんという事実。
年は多分同い年ぐらい…。
メールアドレス・携帯番号知らん。
身長とか３サイズも知らん。
あと 彼氏とか…どうなんやろう。
『とにかくなんも買わんのなら営業妨害ですっ。』
小泉ちゃんに冷たく言い放たれオレはレジから離れた
(まぁ すぐに戻ってくるけど…。)
まず ぬっくいコーヒーを手に取り ついでにアイスも選択。
速攻でレジへと戻ってテーブルに2つを置いた。
『はいっ これ…買うからオレお客やで』
『…(ぴっぴっ…)ありがとうございます。220円です。』
『あっ あとサービスのスマイルも(笑)』
なんて冗談ぽく言ったら、無言で睨まれた。
『…ありがとうございました。』
あぁ…
このままやったら また名前聞けずに帰らんなあかんやんけ
『あの やっぱ名前教えて…』
『だから…なんで？』
『それは小泉ちゃんが ス…『お客様小泉がなんかしましたか？』』
告白しようとしたら…
足を怪我して松葉づえついたちっこい男に思いっきり睨まれた。
『いえ…別に…すんません失礼します。』
今日は邪魔が入ったけど明日こそ…
愛しの小泉ちゃんの名前を聞くまで頑張るぞ。
end
<おまけ>
風邪ひいて3日間コンビニに行けんかった。
学校終わり急いでコンビニに向った。
今日は夕方シフトで入っているはず…
『あの小泉ちゃんは今日休みですか？…』
『あぁ リサちゃんなら昨日でバイト終了したよ。』
『終了？やめた？』
『怪我した彼氏の代わりだったからね。』
下の名前は分かったけど…
彼氏?怪我した?
もしかして?
