『いたっ…指刺してもた。ちぃ…』
仕事中やのに…
あたしはどうしても大谷の事を考えてしまってる
ほんまにあたしが離れても平気なんやったら
なんでキス…するん。
♪ピピピピ…
『わっびっくりした。』
携帯の音に飛び上がってそっと番号を確認する
それは 大谷の番号。
『も…もしもし…大『ごめんなさいリサちゃんあたし。』』
あたしと名乗るその人は大谷のお姉ちゃん。
取り乱した様子から何かが起きた事がわかる。
『おねえちゃんなんで大谷の電話から…』
『あのなリサちゃん あっちゃんが…゛あっちゃんか…』
事故…
一瞬にしてあたしの目の前が真っ暗になる。
心臓の音が早鐘を鳴らしはじめ 変な汗を誘導して血の気が引いた。
『おねえちゃん 落ちついて!!あたし今から行くから病院はどこ?』
『リサちゃん…』
号泣するおねえちゃんからなんとか病院の名前を聞きだし
あたしは純にいに事情を説明して急いでそこに向った。
★★★
指定された病院の受付で大谷が収容されている部屋を訪ねる。
『すみません。さっき事故にあって運ばれてきた大谷くんは…』
『…あの』
あたしの問いに看護師さんが口ごもる
嫌な予感だけがあたしを支配していたその時
『リサちゃん!!』』
おねえちゃんがあたしを見つけた。
『あっちゃんなら…こっちの病室やから…』
案内された病室に通された時 思わず息を飲んだ。
『大谷?』
問いかけても大谷は答えない。
あたしの知っている大谷と別人に見えるのは身体につけられている管のせい?
静まりかえった病室の中たくさんの医療器具に囲まれてる。
ドラマで見たあの映像が目の前にある。
ベットの横には大谷を心配そうに見つめるおかん。
あたしに気が付いて傍に来るように促してくれた。
『リサちゃん…。あっちゃんただ寝てるように見えるやろ?』
『…はい。』
『このこほんまにアホやわ。なんかちょっと出かけてくるゆうて家出て
駅んとこで信号無視のトラックに轢かれそうになった子かぼて…
自分が轢かれるやなんてほんまどんくさい子や…』
『そんな こと…』
『内臓破裂で即死でもおかしないのに…うっうっ…。』
おかんは言葉を続けることができひんくて…
『リサちゃん 仕事中ってわかってたんやけど…万が一って事もあるからあたし電話してしもて…』
『おねえちゃん 連絡くれへん方が悲しい。』
一旦家に帰って着替えとか持ってくるからと
おかんとおねえちゃんはあたしに大谷を託して部屋を出て行った。
『大谷…なんでよ。』
轢かれそうな子供かばって自分が事故に遭うって大谷らしいと言えばそうなんやけど…
ベットに横たわる大谷はまるで眠っているかのよう。
そっと手を握ってみても握り返してこない
永遠の…
『大谷 ウソ…目開けてよ』
思わず言葉にした時 大谷がうっすらと瞳をあけた
そしてあたしを見て笑った。
『リサ…』って名前最後に呼んでくれた
ありがとう大谷
アイシテル
end
ぱかーん!!!
『勝手にオレを殺すな arisa!!!』
『あー大谷。』
『せやでっいくらアホゆうても…』