『あっ かゆっ…やられたっ。』
『ん?リサどうしたん』
『蚊に刺されて腕かゆい…。』
夏服に変わった昼下がり。
大学でバスケの試合あるからって大谷に誘われた
張り切ってお弁当作って 一緒に外で食べてたら
蚊に刺されてしもた。
なーんかさっきから ぶーんってやな音してたと思った。
スキンガートしとるのに刺してくるやなんて…
『どこ刺されたん?』
『ここ…。』
大谷に右の二の腕の内側を見せる。
赤くぷっくりと腫れ上がるソレを見ると余計にかゆくなってくる。
『ぅう かゆーーーー。』
『リサ掻くなっ もっと腫れんぞ。』
『だってかゆいもんっ。かゆーーーーー。』
蚊の奴。微妙に袖でかくれん場所に刺してくるんやもん。
虫刺されの薬買って来て塗った方がええかなぁ…。
立ち上がろうとした時 大谷にその右腕を掴まれた。
『大谷?』
じーーーっと虫刺されのあとを凝視した大谷はいきなし…
あたしの右腕の虫刺されの場所に唇をつけてきつく吸い上げてきた。
『ぎゃーーーーーーーーー大谷なななななななな…』
何事なん?
あたしの目の前に見えるんは大谷の長い睫とか柔らかい茶色の髪の毛とか…そのセクシーな顔して何吸い付いてんのぉー
感触を感じる暇もなく鳴り響く心臓の音。
暫くして大谷は唇を離した。
『大谷ぃ…なにしたん?』
『何って 消毒…。こんだけ吸ったら毒も出たやろ』
『しょうどく?』
というか それは毒蛇にかまれたとかハチに刺されたときの対処法で
蚊には有効じゃないと思う。
思うんやけど…
『あぁ 消毒。唾つけたら治りますぅみたいな?』
『おぅ』
右の腕にあるのは蚊に刺されたのと大谷の…
2つ並んでいてめっさ恥ずかしい。
袖にかくれん微妙な位置で並んでるんですけど…
『首筋じゃなくてよかったな(笑)』
『なっ…』
そうゆう問題やなーーーーーいっ
今度絶対仕返ししたる
end