『えっと 大谷さん…』
満面な笑みと不気味な動きをしながらリサは大谷に近づく
大谷は一瞬ひるみながらも『なんやねん』と答えた。
『冬の雪山でするスポーツってなぁーんだ？』
『スノボ』
『あぁ スノボ スノボもあるよねぇ…』
『？』
リサが見せる不満げな表情に大谷はちびっと右眉を上げた。
それを見んふりしてリサは次の質問に移った。
『ほな…こう髪の毛の量をすくなーく…』
『カミソリ』
『カミソリ…それやなくて…』
リサはひとつの言葉を大谷にいわせたかった
言葉が聞きたくて簡単な質問しとるのに…
このすっとこどっこい大谷は別な言葉をなげてくる。
『う…』
『小泉 何唸っとんねん。さっきから一体なんや？』
わけわからん質問が続いて大谷は不機嫌になった。
しかし その不機嫌以上の剣幕でリサが叫ぶ。
『なんやねんって…あんたの方がなんやねんやわっ
なんでふつーに答えられんのよ。このすっとこどっこいっ』
『はぁ別に普通の答えやんけ 何逆切れしとるねん』
リサが嘆くのは意味がある。
言わせたい言葉は すき という言葉。
リサのそんな浅はかな策略に引っかかるとか気が付く大谷やないわけで…
『もぉええ…はぁ…』
リサは盛大なため息をこぼして机に突っ伏した。
『小泉？』
『小泉はいません。お休みですぅ…。』
『休みなんか 残念やなぁ 人が折角小泉の事 す…『大谷っ』』
『わっ…』
がばっ!!
リサは その言葉に思いっきり顏を上げた。
『大谷。 す…なに？』
『ん？ す…』
リサは期待を込めてじーーーーっと大谷を見つめる。
大谷の唇が開く瞬間。
目の前に大谷の手が!!!
ばちこーーーーんっ!!!
『いたぁーーーー何すんのぉ。』
リサを襲ったのは
大谷の甘い言葉ではなくデコピンという残念なもの。
『すきありじゃ あははははは…』
end
