『ごーめーんっ 大谷っ』
大きな声で走りながらアイツはやってくる。
卒業してからも小泉の遅刻癖は相変わらずなんは
人としてどうかと思うけど
肩で はぁはぁと息をしながら頭を下げる姿見たら
もう怒りもなんもなくなってしまう。
(これぞ惚れた弱みかも…)
『ほんまごめん むっさごめんめちゃめちゃごめん。』
『もぅ ええから顔上げぇや』
『う…』
唸りながら顔を恐る恐るあげた小泉は
どこかいつもと違う…。
『えっと…どーかしらー(笑)』
なんて小首傾げて 上目…というか下目使いで
目をぱちぱち…。
目…
目…
『ぶーーーーーー なんや小泉。お前まつ毛の上にまたまつ毛…』
『えー』
つけまつげというのを初めてしたらしく…
朝は綺麗につけた(はず)んやけど
遅刻寸前と気が付いて 走って来てズレたらしい。
鏡を見て『ぎーーーーーゃー嘘ぉー』って叫びよった。
『折角…』
『おまえ そんないらんことしとるから遅刻すんねん』
『だ…だってたまにはお化粧とか頑張ろうって思ってんもん』
『あんなぁ…』
『… 大谷の心臓つかみたかったんやもん。』
『アホか…』
そんなんせんでもオレはお前にメロメロやっちゅうねん
ぷぅーっと頬を膨らました小泉に心ん中でゴメンってゆうて
その腕を強く引き寄せた。
end