どうしよ…
めっさ緊張して授業中寝られん。
席替えであたしの後ろは大谷になった。
最初正直 ハズレやなぁって思ってん。
今までやったら好きな時に横顔を盗み見たり
こそっと話しかけたりできたのに…
まさかがっつり後ろ向いて顔見るとかするわけもできひんし…
『はぁ…』
なんて溜息ついたら
後ろからツンツンって背中をつつかれた。
一回…『こ…』
二回… 『…いず…み』
三回目… 『おいって…』
乙女の背中をそんなに気安く触らんといてよ。
『なんなん!』って振り向けんのは真っ赤になった顔を隠す為やから
そしたら四回目…
後ろから紙切れが飛んできた。
<放課後 海坊主の新譜買にいかん?>
あぁ…
行くよ行きますとも…
あたしは大きく頷いた。
あたしの特等席
大谷が横でも後ろでも前でもええ…。
ご近所な席がええ。
大谷があたしの想いに気がついてくれるその日まで
end