『ごめん…洗面所借りるっ…。』
借りたタオルで顔を隠しながら駆け込んだ。
押さえつけてたせいで案の定タオルが黒くなったけど…
鏡に映る顔は そう崩れてへんかった。
『ここのマスカラ…美々ちゃんのゆう通りやったわ(笑)』
<伊達にウォータープルーフ名乗ってません。
美々のオススメ★くるるんマスカラ>
美々ちゃんがCMやってるのをこの間貰ってん。
うん 次は自腹で買おうっと…
♪トントン…
『小泉 はいんぞー』
ノック2回鳴らして大谷が洗面所に入ってきた。
『これ 新しいタオルと…オレのシャツでよかったら…
あと風邪ひいたら困るから今すぐ風呂入れ…』
『えっ…ええってそんなん。』
『アホは風邪ひかんってゆうけど…服かわかさんな気持ちわるいやろ』
『そりゃ そうやけど…』
『…裸でおる気かっ!!とにかく…』
身体あっためて来いってタオルと着替え押し付けられた。
なんか不機嫌?
『大谷?』
『何?』
心なしか右眉があがっとるやん…。
とっさに大谷のトレーナーの袖口掴んだ。
『ごめん…』
掴んだ指先に力を入れた。
…沈黙の中
大谷のため息が聞こえてきてあたしは一瞬硬直した。
そっか…
ずぶ濡れでおうち訪問
迷惑やったよな…
『ほんま ごめん…迷惑やんな。傘…買えばよか…『ちゃうっ』』
『えっ…』
『ちゃうって…悪いんはオレや。』
今度は大谷があたしに謝ってきた。
なんも悪くないのに…
『小泉濡らしてしもたやんけ…約束しててんから
迎えに行ったら濡れんで済んだ。可哀相な事したなと…あ゛ーーー』
照れ隠し?
大谷はあたしの濡れた服をタオルでふき出した。
今から乾燥機で乾かすのに…
『…デヘヘヘ♪』
『おまえはーーー笑うな。ちゅーかケイタイは何のためにあんねん
迎えに来てとかかわいく連絡できひんのか』
『ごめん…少しでも早く逢いたくて…なっ』
ぎゅっと大谷に抱きついた。
end
品薄らしいわ(笑)
大谷さんずっと大谷さん