「大谷くーん。あんな…」
「ん?」
あの子は 隣のクラスの女の子。前田さん
小学校の時大谷と一緒のクラスやったらしい…
(引っ越しして中学は別やったみたい。)
最近よくうちのクラスにやってきては大谷としゃべってる
ちっこくて それこそ神崎さんみたいに可愛くて
間違っても大口開けて笑う…てな事ない。
「数学の教科書 貸してくれへん？」
「数学？」
「うん数学の教科書。」
女のカン。前田さんは大谷が好き…。
大谷は どうなんやろ?
やっぱちっこくてかわいい女の子好きやろから…
「小泉!」
「…「こーいーずーみっ!!!!」」
突然の声にむっさびっくりして振り向くと大谷が立ってた。
「…びっくりするやんかぁ」
「お前 数学の教科書持ってへんか?」
「持ってるけど…なんで?」
「オレ持ってへんから 前田に貸したって欲しいねん。」
大谷が指差した先には 前田さん。
なんか睨んでる気がするんは 気のせい?
「ええけど…」
「前田。小泉が貸したるって ほな小泉頼むわ(笑)」
大谷は そうゆうてどっかへ行ってしもた。
「もぉー。大谷」
あたしはロッカーから数学の教科書取り出して 前田さんに手渡した
「はい どーぞ。」
「… やっぱええわ。小泉さんから貸りてもしゃーないし」
「しゃーない?って授業でいるんやろ?」
「大谷くんのがええの。」
「教科書なんて誰のん借りても一緒やん」
「違うもん。好きな人の…あ゛ーとにかくもうええわ。」
って意味深な言葉残して自分のクラスに帰って行った。
