Der König Hat Eselsohren

石田徹也展@三菱アルティアム



今回、これがこのGWの目玉かな~?と楽しみにしてました。
なかなか、まとまって観る機会がないもんでね。
実際、これが、九州初上陸らしいです。

そして、いつものアルティアムらしく、混んでいるわけでもなく、かといってガラガラというわけでもなく…(笑)


全200作品という膨大さなんで、いくら何でも網羅的な個展は無理だろうけれど(笑)、最初期の作品(どころか小学生時代の入賞作!!)から晩年まで(っつっても若いけど)、ある程度まんべんなく並んでいるという感じ?
作風の変遷がよくわかります。

それに何より、初期の代表作「ビアガーデン発」「飛べなくなった人」「燃料補給のような食事」が並んだのは、この規模にしてはすごいかも。

「飛べなくなった人」は昨年も実物を下関で見たけれど、なにぶん、私もTVで観て知ったクチなんで、実物の意外な大きさが衝撃的だった。
自画像っぽい人物が、ほぼ等身大だったり、それ以上だったりするんだよね。

しかも年代を経るに従って、彼の目がどんどん虚ろになり、内容も抽象的になり…。
着ているものも、最初はずっとネクタイ姿のサラリーマン風だったのが、最後の方は全裸だったり。
抽象化と内面化が急速に進行していったのがよくわかる。

で、もう一つ思ったのが、ちょうど年齢的に、高校時代にバブルが終わってる世代なんだよね。
その影響も大きいかも。

そういう自分だって、大学時代に、バブルの恩恵をまるで受けることもなく、まるで都内のエアポケットのような大学で貧困にあえいでいたんだけど(笑)、それでもその外の空気というのは、どこかに確実に影響を残していて、大局的には物凄く社会の閉塞感を感じる割に、実際の自分の身の周りには、なんだか楽観的な空気が漂っている気がする。
なので、その目から観ると、ここまで追い込まれてるの???と。


亡くなったのが2005年なんでねぇ。
もし生きていたら、その後どんな作風に変化していったんだろう?
生きているうちに、大人気になっちゃってたら、どうなってたかな?
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