Art Tree ブログ

アートツリー出版社のブログです。

堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE

2025年01月27日 | 日記
★取材レポート★

今回写真愛好家の皆さんにお届けするのは、デザイン・ことば・空間が織りなす展覧会「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」の取材レポートです。光や音の演出も楽しめる本展は、普段の視点を少し変えるきっかけになるでしょう。



堀内誠一(1932-1987)は、『anan』や『BRUTUS』など数々の雑誌のアートディレクションを手がけ、デザインの世界でも名を馳せました。そして絵本作家としても知られています。大人向けから子供向けまで、堀内の作品は一人の人物が描いたと思えないほど多彩です。絵本だけでも70冊以上ありますが、一つひとつが異なる画材や技法で描かれています。



本展は3つのテーマに分かれていますが、その一つ「FANTASY」では、代表作『くろうまブランキー』『雪わたり』『ぐるんぱのようちえん』など、ファンタジー色の濃い絵本作品が展示されています。会場設計は建築家・インテリアデザイナーの設計事務所imaが担当しました。事務所にある白い楕円形のテーブル上で思いついた企画が、本展で実現しています。
楕円の展示室には、高さ約3メートルの巨大な絵本が立ち並びます。展示空間の中央には立体的に再現された「ぐるんぱ」が登場し、まるで絵本の世界から抜け出してきたかのようです。




展示室の仕切りは絵本になっています。堀内の描いた絵本は、絵を大きく引き伸ばしても間延びせず密度が高い絵だとわかります。最近はあらゆる画像をスマホの画面で眺めることが多くなりましたが、「大きくプリントする」ことを考えることで、私たちの作品づくりが変わっていきそうです。本展から作品づくりのための沢山のヒントが得られるでしょう。



(本文中の写真は「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」の内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。)

■堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE  
会期:2025年1月22日(水)- 4月6日(日)
会場:PLAY! MUSEUM(東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟)
休館日: 2025年2月16日(日)
開館時間:10:00-17:00(土日祝は18:00まで/入場は閉館の30分前まで)
詳細:https://play2020.jp/

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本年もよろしくお願いいたします

2025年01月10日 | 日記
新しい年をいかがお過ごしでしょうか。
2025年もよろしくお願いいたします。

昨年末に『PHOTOSAI』Vol.47を発行しました。
表紙の写真は、2023年1月に長野県の諏訪湖で撮影した白鳥です。

『PHOTOSAI』Vol.47は、花と氷が織りなす感動の物語から、最新技術のトピックまで。写真愛好家の心を動かす特集満載の一冊です。

■花と氷の写真エッセイ

いがりまさしさんの「白の中の白」や谷田梗歌さんの「星の降る夜」は、深い感性に触れられる内容です。
特に冬の情景を撮るヒントが得られそうです。

■写真愛好家の作品集

参加者の作品テーマ設定や秋の撮影の様子は、ご自分の活動の参考にできます。
他の愛好家の作品を鑑賞することで、新しい視点が見つかるでしょう。

■展覧会情報

全国各地で開催される美術館の展覧会情報を掲載しています。
『PHOTOSAI』Vol.47では、青森の十和田市現代美術館、滋賀県立美術館、東京ステーションギャラリーの展覧会を紹介します。

■話題のニュース

AIや新技術を使った写真関連のサービス、写真プリントやサービスなどの最新トレンドがわかります。
プリントサービスは写真愛好家にとって特に魅力的です。

■齋藤千歳さんやさきのりりさんの活動を紹介

齋藤さんの物欲シリーズは、パソコン回りの環境整備の参考に。
さきのりりさんのフォトライブラリーでは、水辺の風景を追う楽しさを感じてください。

■アートツリー出版社の投稿できる写真雑誌『PHOTOSAI』では投稿作品を募集しています。



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板谷梅樹の世界

2024年09月21日 | 日記
★取材レポート★

モザイクアートは、普段は街中で目にすることがあまりないかもしれません。
大きなモザイク壁画などは、建物と一体になっていることが多いので、建物が壊されると一緒になくなってしまうのです。
「昭和」モダンのアートシーンを飾ったモザイク作家・板谷梅樹(1907-1963)の展覧会が、泉屋博古館東京(東京・六本木)で開催中です。



梅樹の父は、近代陶芸の巨匠・板谷波山(1872-1963)です。
波山は失敗した作品を砕いてしまったので、庭には陶片が沢山あったようです。
梅樹は子どもの頃から、美しい色彩の陶片を色々な形に砕いたり寄せ集めたりして遊んでいました。





梅樹は20代半ばから、陶片を活用したモザイク画の制作を志します。



代表作は旧日本劇場一階玄関ホールの巨大なモザイク壁画(1933年作、原画:川島理一郎)ですが、残念なことに現存していません。
その他、飾箱や飾皿、帯留やペンダントヘッドなどを制作しました。







戦後復興の中で残された梅樹の作品は決して多くはありません。
今回の展覧会は、梅樹の作品を一堂に集めた初の展覧会で、住友コレクションの板谷波山作品とともに鑑賞できる貴重な機会です。



(写真は全て内覧会時に撮影したものです。主催者の許可を得ています。)

特別展 昭和モダーン モザイクのいろどり
板谷梅樹の世界
[同時開催]特集展示 住友コレクションの茶道具
【会期】2024年8月31日(土)-9月29日(日)
【会場】泉屋博古館東京(東京都港区六本木1-5-1)

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舟越桂 森へ行く日

2024年07月29日 | 日記
★取材レポート★

彫刻の森美術館(神奈川県箱根町)は、富士箱根伊豆国立公園に位置する箱根にあります。
日本で初の野外彫刻美術館で、自然の中で人々と芸術家が交流する場として1969年に開館しました。
現在開館55周年を記念して、彫刻家 舟越桂(1951-2024)の展覧会が開催中です。



展示室は4つあります。
展示室1には、舟越さんのアトリエを再現した展示があります。
舟越さんのアトリエは木の温もりを感じる秘密基地のようだったといいます。



展示室3には、裸体像が展示されています。
舟越さんが着衣のない裸体像を制作され始めたのは2003年頃からです。
前年の2002年に、父親であり彫刻家の舟越保武さんが逝去されています。
そのことが作品に与えた影響もあるかもしれません。



舟越さんの彫刻は、静かな佇まいの人物像で知られていますが、人間のすることを丘の上から見続けているスフィンクスをイメージした《戦争を見るスフィンクスⅡ》には確かな表情があります。





「舟越桂 森へ行く日」は、彫刻の森美術館が周年を記念した展覧会にと、2023年3月に生前の舟越さんに依頼したことから企画が始まりました。
しかし、2024年3月29日、舟越さんは逝去されました。
この展覧会のためにブロンズ彫刻を制作展示する予定でした。
残念ながら完成にはいたりませんでしたが、舟越さんは最後までこの展覧会を望み、励んでいたそうです。



自然豊かな箱根の森の中で、舟越さんからのメッセージを読み解きながら作品に親しむことができる展覧会です。

(記事中の写真は「舟越桂 森へ行く日」内覧会時に撮影したものです。)

彫刻の森美術館 開館55周年記念
「舟越桂 森へ行く日」
【会期】2024年7月26日(金) -11月4日 (月・休)
【会場】彫刻の森美術館 本館ギャラリー(神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121)
【詳細は公式HP】https://hakone-oam.or.jp

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空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン

2024年07月17日 | 日記
★取材レポート★

日本での展示は約30年ぶりとなる、ジャン=ミッシェル・フォロンの大規模展覧会が
東京ステーションギャラリー(東京・丸の内)で開催中です。



フォロンは、20世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとりですが、
日本では知らない人も多いかもしれません。
フォロンの作品にしばしば登場するリトル・ハット・マンは、フランスのテレビ番組でも放映され、当時のフランスの子どもたちは日頃から親しんでいたようです。



フォロンの描くリトル・ハット・マンは、フォロンの分身でもあり、何にでもなれる存在です。
今回の展覧会では、観覧者のよき道連れとして登場します。
プロローグ「旅のはじまり」、第1章「あっち・こっち・どっち?」、第2章「なにが聴こえる?」、第3章「なにを話そう?」、エピローグ「つぎはどこへ行こう?」と展示会は構成されています。



フォロンは、自らを"AGENCE DE VOYAGES IMAGINAIRES"(空想旅行案内人)と名乗っていました。
展示会場では、フォロンが実際に使用していた名刺も観ることができます。
展示会場で、観覧者は想像力をはたらかせ、能動的に自由に考えることができます。
決まった解釈を必要としないのがフォロン流だからです。



フォロンの作品の魅力は、グラデーションや滲みなどを駆使した美しい色彩にあります。
"空想旅行案内人"の名の通り、地球上から宇宙まで、空想の世界が描かれています。
しかしその作品をよく見ると、人類が抱えている出来事や私たちのシビアな問題に、真っ直ぐ視線が向けられているのがわかります。



フォロンは、私たちの悲劇をポジティブなエネルギーに変えてゆきます。
観覧者は、フォロンの作品を通して希望を見出す旅を体験することができます。
フォロンの作品の多彩な魅力、奥深さを、幅広い人が楽しむことができる展覧会です。

(記事中の写真は全て「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」内覧会時に撮影したものです。)

空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン
【会期】2024年7月13日(土) - 9月23日(月・振休)
【会場】東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1)
【詳細は公式HP】https://www.ejrcf.or.jp/gallery/

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■アートツリー出版社の写真雑誌『PHOTOSAI』Vol.45に展覧会情報を掲載しています。



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