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版画の青春 小野忠重と版画運動

2024年03月15日 | 日記
★取材レポート★

1930-40年代に版画に熱中した青年たちの作品を紹介する企画展が、町田市立国際版画美術館で開催中です。



「新版画集団」と「造型版画協会」による版画運動を、リーダーであった小野忠重の旧蔵品を中心に紹介しています。
彼らは、まだ芸術としての地位が確立していなかった版画を大衆化しようと、様々な試みをしました。



新版画集団が発行していた版画誌『新版画』は、価格の安い印画紙を使用して、200部ほど発行し安く頒布していました。
最初は月刊で発行していましたが、時間がなく作品制作にかける時間がなくなってしまうことから、途中から季刊とし、作品制作と展覧会に力を入れていきました。



小野は版画について莫大な資料を集めており、版画に関する研究者でもありました。
プロレタリアートに影響され、労働者を表現した作品を制作するなど社会派らしい一面も持っていました。
版画の大衆化は、自分の身近な事柄を題材にしていくことだという考えでした。



小野の作品の他、一緒に組織的に活動した版画家の作品も展示されています。
藤牧義夫は線描を活かした作品、武藤六郎は東京銀座の都市風景など、それぞれが独自の表現を追求しています。





戦後に制作された作品も展示されています。
戦前から戦後に至っても彼らは版画活動を続けていましたが、
戦後の新しい時代になっても彼らの作品に大きな変化は見られません。
海外の現代美術と共鳴する戦後の新しい作品は、戦後に版画を始めた新しい世代によって制作されてゆきました。



版画の青春 小野忠重と版画運動
―激動の1930-40年代を版画に刻んだ若者たち
【会期】2024年3月16日(土)-5月19日(日) *月曜日は休館。ただし4月29日(月祝)・5月6日(振休)は開館、4月30日(火)・5月7日(火)は休館
【会場】町田市立国際版画美術館(東京都町田市原町田4-28-1)
【詳細は公式HP】https://hanga-museum.jp/

■2024年3月27日発行の『PHOTOSAI』Vol.44に展覧会情報を掲載しています。



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