Sin Sisters (2002作品)

08年度の最優秀アルバム賞の栄誉に輝いたのは、ジャズピアニスト、ハービー・ハンコック（Herbie Hancock）の「リヴァー～ジョニ・ミッチェルへのオマージュ」。これはどうかなと思ってたらちゃんと隠しコマンドが存在していた。このアルバムのインストの曲だろうか、すごくいいのである。前衛でもFreeでもなく、不思議なルールを持ったこのような即興は聞いている者にイメージを醸造させる。ハンコック、ショーター、デイブ・ホランドのマイルスの卒業生達はちゃんと次世代の即興コンセプトを残そうとしている意志が伝わる。

つまり短いフレーズの断片を各自、卓越した即興を組み合わせた新しいサウンドは聞いてても飽きることなく思いを訴えかけてくる。特にLionel Louekeのギターは三味線のように「障り」を最大限に利用したような音で最高。こうしたカヴァー曲を外して選曲をするUnited Airlineはさすがという感じがするが、他のビックバンドのプログラムも演奏者は聞き取れなかったが、アレンジや演奏がやはり進化している。エリントンのようなピアノに絡む管のソリはネスティコでも秋吉でもギルエバンスでもなく、一音々が倍音を超えて鋭利なナイフでザックリとやられている。しかもどこかのクラブでのライブ録音で、全くその場のいい雰囲気にうなってしまった。

と機内でウトウトしていたら急にスコールの真っただ中で雷雲の中に。今は雨期なので晴れ間とスコールの境目が100メートル位しかないので、窓から下を眺めるとバンコク郊外の明かりがメモリチップのように雲の隙間から見え隠れしながら、まるで鳴門の渦のように右回りで下降していく。もう数えきれないくらいの移動だが、こうした現代アートの曼荼羅のような動画風景は3D映画のアトラクション以来。気流が安定していないせい。空港の外へ出ると高速の入り口でタクシーが見事にヒックリ返っていた。

映画ではこうした雷雨の中、高校時代の友人の葬儀の帰りに集まった五人の魅力的な女性が食事の後でワインを飲みながら自分の性生活の失敗について赤裸裸に告白する。看護婦が病院でのレスビアンと男性患者とのセックス、美術教師は教え子とその親と同時に関係を持つなど、乳房の露出など裸の規制コードがなければ海外でも十分に通用する映像。お酒を飲んだりマリファナを吸ったり、若い独身女性が一人で暮らす大きな一戸建ても負担のないローンでの購入ができる余裕が羨ましい。
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原題は「五人の女性の罪」だけど、最後まで観ても何が罪なのか本当に理解できない。罪どころか、バイクタクシーに強姦されたり、広告会社の女社長は警備員に犯されそのビデオを海賊版で売られたり被害者そのもので日本だったら警察がすべて事件として捜査の対象ばかり。それとも美しいのが罪なのか、いやそれだったらどうして最後に・・・やはり友人の秘密は語らないことらしい。コンドーム装着推進映画のような感じもあるし、黒魔術の絡みのような・・意味不能。考えられることは構成に関して米国のストーリのある本番ポルノだったら、この程度の脚本で十分だが、これを日本語にして欲しいと言われたら本当に困って何と説明していいのか、誰か隠しコマンドを教えて欲しい。