Yaowarat (THAI 2003)

マクドもスタバもないビエンチャンを脱出した途端に米国は貿易ブラックリスト国からラオスを削除するというタイミング。といってマルクス・レーニン主義以外に代わるシステムもなくオバマはせいぜい国営の先輩に仁義を切ったが、テロと麻薬の温床にならないようにという程度。

稚拙な革命スローガンの絵画がYMO風なイラストになっているのが変化といえば変化。国境のメコンに周辺はカジノに人が溢れて邪悪な気配で満たされる。レパレッジ崩壊しても影響を受けている人はほとんどいないし、米国債が紙くずになってもキープ以下にはならないだろうという下位な安心感。

ところがインドシナの事態はそんな悠長なものではなく、バンコクポストにはビルマ独裁政権が北朝鮮の技術指導で地下トンネルを掘っていたという驚きのニュース。ということはカンボジアでもラオスでもと・・・そうなればシンガポールも黙っていないし、そのうちアセアン核家族・・・という未来は想像もしたくない。

　そうなるとやはり基本は「人権」だとビエンチャンで農園直営のコーヒを飲みながらフェア・トレードについて考える。バンコクの屋台で買った「チャイナ・タウン」という映画はまさしくヤワラーの冷気茶店の権力闘争とチンピラを絡ませた、まさしく三流映画であるが、気になるのが若い女性の剃髪シーン。こういう素人のような女性を映画に引き込んで、僅かな金額で剃髪をさせ必然性が少なくクライマックスを盛り上げようとするのは・・・。まずは本人の意志、そして適正な報酬を得たかどうか国際標準の最低保証を担保する。商業映画ならなおさらFilm Festivalでの議案事項ではないだろうかと素人の発想。
http://www.loveasianfilm.com/category/movies/thailand/
ところがどっこい、Cable-TVでアッパス・キアロスタミ（イラン）監督の「10話」という短編を観てしまってから、ごく自然な流れでイスラム社会での若い女性の剃髪した姿はまさに閉塞した社会に風穴を開け、いい加減な「髪フェッチ」にドスを突きつけられたような迫力。この二人の女優の剃髪の持つ意味はどういうものだったか、本人から聞いてみたいものだ。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/1884/films/2004/ten.htm