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このパンガー湾にあるへんてこな石灰岩がジェームスボンド島という似つかわしくない俗称で有名になるのは後年の話で、この美しい自然を背景に若い漁師と島に漂流した娘との悲しくて身につまされるストーリーだ。人間の愛と物質的な欲望を、文明生活とはほど遠い離島の漁師生活を通して浮き上がらせる手法で制作者の情熱と精神、そして意志の強さを感じる。こんな素朴で幸せな日常も自分と一人の人間によって簡単に崩壊する。その侵入者だって、かつての恋人で運命の悪戯にもてあそばれた被害者で「姦夫」で一方的に悪者にするには酷だと思っていたら、追いつめられた母の反論。そして最後に勝利するのは女性と自然だ。エンディングロールの最後には起点と終止の意味を持つ「Sawadee」という挨拶で終わる。たぶん母はシージプシーの診療所で一命を取り止め、今度こそ3人で素朴で幸せな一生を全うするに違いない。
この映画の題名「姦夫」は古典のようにその時代での素晴らしい解釈で再映画化されているということは原作は「伊豆の踊子」のような文学作品なのだろうか。Thai Film FoundationのHPではこの初代女優に関しての情報が掲載されている。インドの父と華僑の母との間に生まれた混血の目の独特の憂いがたまらないのだろう。新映画化された「Choo」では不覚にも主演女優のスカーフ姿に一目で惚れてしまった。あんな清楚な姿と歩き方で市場を歩かれたら、人生の全てを投げ打って後を追いかけたくなる。一生この漁港で荷役をやって過ごすことになっても悔いはない。Choo1と2の比較
70年代後半のバンコクは良く覚えている。バンコクのどこにいってもディスタニ ・ホテルのあの独特な塔が見えたこと。プラザ合意の前だったので円が安かったが、土地も安かったこと、東京とバンコクの時空距離は今とは比較のできないほど遠かった。ペプリのソイにあった映像用の音楽スタジオはカビ臭くアップライトのピアノの調律の程度はこの映画の素晴らしいBGMでフンダンに堪能できる。ただ、著作権フリーの音源も多用しているので夕方のテレビのソープオペラ同様、映像とのアンバランスはアジアの作品に共通している。この監督は別の作品で「Palm Dog賞」という犬の演技についてカンヌで入賞しているのだが、「姦夫」に登場する犬は子供が意味も無く犬の首を無理矢理引っぱりあまりにも可哀想だが人生で無駄なことは一つもないということだ。
「アラビアのロレンス」で砂漠に表情があることを知ったが、海の表情を表現するのにこのスクリプトは貴重なトリガーになる。夜明け、早朝、午後、夕方とまるで人間の心のように変化する海と空のコントラストはボンド島という軽薄な俗称とは無縁のものだし、シージプシーの生活空間あまりにも祖末で美しさに満ちあふれている。モスリムが好む床の安手のビニールシートは生産されてから一度も人間の心を許したことのない必需品だし、華僑の不健康そうな薬局も極楽浄土を夢見て田舎の嫌々の日々をいまでも送っているだろう。当時田舎でもマイルスとかセロニアスモンクの海賊版カセットは屋台で売っていたし、その気になれば「ビッチェズ・ブリュー」と邂逅してトリップできたかと思うとそれだけが心残りだ。
あたしのためにですか~?!
うれしいです~。感激です~。
さっそくやってみたいと思います。
気に入ってもらえたらつき合って貰えますか?
なかなか縁がないですね。
現実社会でも映像社会でも。
見たくれが良ければ妄想をかき立たせてくれるのかもしれませんが
大抵そういう子っていうのはこちらの抱いた幻だけで簡潔するもんですわ。なのですぐ冷めます。
女は女優って言いますからね。
ダイヤの原石っていうのは、意外な場所にひょっこり落ちてたりするものですよ。
まあ、しかし見た目がいい人は性格が良い事の方が多いので
見た目で選ぶっていうのは間違いでもないのでしょうがね。
今日はグラウンドゼロの8周年なので
タイ映画より、特番であの事件を取り上げた映画をどういう風に思われたか、ブログ主さんの独特な感性を信じてぜひ感想を聞いてみたいですね。
すごいペースで観てますねぇ!!
今日は仕事がお休みです。
シルバーウイークはいかがお過ごしですか!?