ずいぶん回り道してしまったが、京都行きの本来の目的である南座顔見世について書いておかねば。
もう1か月たってしまったので、記憶もあやふやですが…。
それより、タイトル良いのが浮かばなくてくやしい(笑)。
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<南座名物 「招きあげ」。江戸時代、その劇場(座)で向こう1年間契約した役者を披露するのが顔見世興行といい、その役者たちの名前を劇場正面に札にして披露したのが「招きあげ」。>
チケット取る前は「顔ぶれがちょっと地味かな~」と行くかどうか迷った今年の顔見世。
何より、演目が上方っぽくない。
「お江戸みやげ」「隅田川」「与話情浮名横櫛」・・・って、お江戸の香りがぷんぷんなんですが…。
それでも、存在自体がお江戸の香を発している菊五郎丈が「蝙蝠安」を演じ、仁左衛門丈が与三郎で付き合うと聞いたら、この顔合わせを見逃すのはあまりに惜しく思え、やはり京都に向かってしまった私。
舞台は期待以上に楽しめましたよ。
冒頭の「寿曽我対面」は、お約束として顔見世の開幕にふさわしく華々しく。
まあ、お約束すぎて、のっけから睡魔に襲われてしまったのはご愛敬。
昼食後の演目として、爆睡を懸念していた「隅田川」もしっかり通して見られたし(^^;)
藤十郎丈、あの体型なのに、失踪した子供を探してやつれてしまった班女の前の風情を感じさせられるのがすごい。
(…って感動のポイントずれてる?)
「お江戸みやげ」は新橋演舞場でも見たばかりの感があったが、働き者で金銭に細かいお辻の情に、またまた涙してしまった。
お辻=三津五郎、おゆう=翫雀のメインキャストはそのままだったが、あまりにはまりすぎていて、この二人以外で演じるのはちょっと想像できない。
梅枝丈が、しっかりとお紺を演じていて、ついこの前まで子役だったのに立派になっちゃって…と感慨深かったですね。
これからの花形歌舞伎は、彼らの世代が担っていくのだろうなあ…。
さて、今回のメインイベントの「与話情浮名横櫛」。
仁左衛門丈は、さすがの与三郎。
養子のわが身が実子を慮って、わざと放蕩を尽くす与三郎のやりきれなさがひしひしと感じられる。
ファンとして厳しいことを言わせてもらうと、これが海老蔵丈だと、やりとりの面白さに笑いが起こるというより、海老蔵丈がそのセリフを言うこと自体に違和感を覚えて笑えてしまうのだ。(奮起を促したい!)
まあ仁左衛門丈とはキャリアも違うので、単純に比べては気の毒ですが。(繰り返しますが、私は海老蔵丈もファンですよ)
仁左衛門丈自身の役柄は、どこか人としての悲しみみたいなものが感じられる。
役作りには、役者さんは誰もがよく考えて人物像を造形するのだろうけれど、それが理屈ではなくて腹から体現しているように見えるのが、仁左衛門丈のすごいところだと私は思っている。
菊五郎丈も同じように体現の仕方が見事。彼の場合は、表現しているのは江戸っ子の気風の良さややせ我慢的格好よさだけれど。
時蔵丈も何とも色っぽく、やっぱりこれだけの年増の色気は若い人には出せないわよね、私もまだまだ頑張らないと(?)…などとくだらないことも考えたのでした。
さて、総じて(演目がお江戸的であることを除けば)よくまとまった舞台だったと思う。
昨年までは、夜の部を見たりなんかすると、帰りは新幹線の東京行き最終には乗れないほどの長丁場だったげど、昼の部を見る限り、今年は全体的に、昨年までほり短めな印象(ほんとうのところはどうなんでしょう?)。
注文つけるとしたら、東京方面から京都にわざわざ出かけた身からすると、やはり上方らしい演目を入れてほしいこと。
来年に期待(←来年もすでに行く気まんまん(笑)。お金貯めなくては…)
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<やはり南座顔見世は、普段よりやわらかものが多いけど、私はあえて(?)黒の大島紬でお江戸風情を前面に(^^;)>
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<帰りしなに南座前で>
南座新装開場二十周年記念
京の年中行事
當る辰歳 吉例顔見世興行
東西合同大歌舞伎
■昼の部(午前10時30分開演)
第一 早や二十年も御贔屓の御愛顧あつき御言葉に當るを祝ふて
寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
工藤左衛門祐経 我 當
曽我十郎祐成 孝太郎
曽我五郎時致 愛之助
大磯の虎 吉 弥
化粧坂少将 壱太郎
八幡三郎 萬太郎
近江小藤太 亀 鶴
鬼王新左衛門 進之介
小林妹舞鶴 秀太郎
第二 お江戸みやげ(おえどみやげ)
お辻 三津五郎
阪東栄紫 愛之助
お紺 梅 枝
市川紋吉 吉 弥
鳶頭六三郎 権十郎
女中お長 右之助
常磐津文字辰 竹三郎
おゆう 翫 雀
第三 隅田川(すみだがわ)
斑女の前 藤十郎
舟長 翫 雀
第四 与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
木更津海岸見染の場
源氏店の場
与三郎 仁左衛門
妾お富 時 蔵
鳶頭金五郎 三津五郎
和泉屋多左衛門 左團次
蝙蝠安 菊五郎
もう1か月たってしまったので、記憶もあやふやですが…。
それより、タイトル良いのが浮かばなくてくやしい(笑)。
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<南座名物 「招きあげ」。江戸時代、その劇場(座)で向こう1年間契約した役者を披露するのが顔見世興行といい、その役者たちの名前を劇場正面に札にして披露したのが「招きあげ」。>
チケット取る前は「顔ぶれがちょっと地味かな~」と行くかどうか迷った今年の顔見世。
何より、演目が上方っぽくない。
「お江戸みやげ」「隅田川」「与話情浮名横櫛」・・・って、お江戸の香りがぷんぷんなんですが…。
それでも、存在自体がお江戸の香を発している菊五郎丈が「蝙蝠安」を演じ、仁左衛門丈が与三郎で付き合うと聞いたら、この顔合わせを見逃すのはあまりに惜しく思え、やはり京都に向かってしまった私。
舞台は期待以上に楽しめましたよ。
冒頭の「寿曽我対面」は、お約束として顔見世の開幕にふさわしく華々しく。
まあ、お約束すぎて、のっけから睡魔に襲われてしまったのはご愛敬。
昼食後の演目として、爆睡を懸念していた「隅田川」もしっかり通して見られたし(^^;)
藤十郎丈、あの体型なのに、失踪した子供を探してやつれてしまった班女の前の風情を感じさせられるのがすごい。
(…って感動のポイントずれてる?)
「お江戸みやげ」は新橋演舞場でも見たばかりの感があったが、働き者で金銭に細かいお辻の情に、またまた涙してしまった。
お辻=三津五郎、おゆう=翫雀のメインキャストはそのままだったが、あまりにはまりすぎていて、この二人以外で演じるのはちょっと想像できない。
梅枝丈が、しっかりとお紺を演じていて、ついこの前まで子役だったのに立派になっちゃって…と感慨深かったですね。
これからの花形歌舞伎は、彼らの世代が担っていくのだろうなあ…。
さて、今回のメインイベントの「与話情浮名横櫛」。
仁左衛門丈は、さすがの与三郎。
養子のわが身が実子を慮って、わざと放蕩を尽くす与三郎のやりきれなさがひしひしと感じられる。
ファンとして厳しいことを言わせてもらうと、これが海老蔵丈だと、やりとりの面白さに笑いが起こるというより、海老蔵丈がそのセリフを言うこと自体に違和感を覚えて笑えてしまうのだ。(奮起を促したい!)
まあ仁左衛門丈とはキャリアも違うので、単純に比べては気の毒ですが。(繰り返しますが、私は海老蔵丈もファンですよ)
仁左衛門丈自身の役柄は、どこか人としての悲しみみたいなものが感じられる。
役作りには、役者さんは誰もがよく考えて人物像を造形するのだろうけれど、それが理屈ではなくて腹から体現しているように見えるのが、仁左衛門丈のすごいところだと私は思っている。
菊五郎丈も同じように体現の仕方が見事。彼の場合は、表現しているのは江戸っ子の気風の良さややせ我慢的格好よさだけれど。
時蔵丈も何とも色っぽく、やっぱりこれだけの年増の色気は若い人には出せないわよね、私もまだまだ頑張らないと(?)…などとくだらないことも考えたのでした。
さて、総じて(演目がお江戸的であることを除けば)よくまとまった舞台だったと思う。
昨年までは、夜の部を見たりなんかすると、帰りは新幹線の東京行き最終には乗れないほどの長丁場だったげど、昼の部を見る限り、今年は全体的に、昨年までほり短めな印象(ほんとうのところはどうなんでしょう?)。
注文つけるとしたら、東京方面から京都にわざわざ出かけた身からすると、やはり上方らしい演目を入れてほしいこと。
来年に期待(←来年もすでに行く気まんまん(笑)。お金貯めなくては…)
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<やはり南座顔見世は、普段よりやわらかものが多いけど、私はあえて(?)黒の大島紬でお江戸風情を前面に(^^;)>
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<帰りしなに南座前で>
南座新装開場二十周年記念
京の年中行事
當る辰歳 吉例顔見世興行
東西合同大歌舞伎
■昼の部(午前10時30分開演)
第一 早や二十年も御贔屓の御愛顧あつき御言葉に當るを祝ふて
寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
工藤左衛門祐経 我 當
曽我十郎祐成 孝太郎
曽我五郎時致 愛之助
大磯の虎 吉 弥
化粧坂少将 壱太郎
八幡三郎 萬太郎
近江小藤太 亀 鶴
鬼王新左衛門 進之介
小林妹舞鶴 秀太郎
第二 お江戸みやげ(おえどみやげ)
お辻 三津五郎
阪東栄紫 愛之助
お紺 梅 枝
市川紋吉 吉 弥
鳶頭六三郎 権十郎
女中お長 右之助
常磐津文字辰 竹三郎
おゆう 翫 雀
第三 隅田川(すみだがわ)
斑女の前 藤十郎
舟長 翫 雀
第四 与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
木更津海岸見染の場
源氏店の場
与三郎 仁左衛門
妾お富 時 蔵
鳶頭金五郎 三津五郎
和泉屋多左衛門 左團次
蝙蝠安 菊五郎
私も若いころ、吉右衛門さんを追っかけたりして何度かお着物で顔見世観にいきました。まだ南座の中が改装される以前だったりして、なんだかもうすっかり古い思い出です。
あ!そうそう、コメントしたのは他でもありませんが、伊勢丹の「京都展」で私も伊藤組紐店さんの紐(こちらは三分ですが)買いました。今さっきはつきさんの記事にあったように思い出し見てみましたら同じ色目のようですわん。帆船の帯留めと黄色い帯留め紐、いつかシスターズで(何もお揃でなくてもいいんですが/笑)お会いする機会があるといいですね♬
おお、伊藤組紐の紐もお揃いですか!?それはぜひお揃いで揃い踏みしなくては。
帆船のふさわしいシチュエーションだったら最高ですね。(とすると、Tomokoさんの本拠地横浜で?)
伊勢丹でも組紐販売されていたんですね。今度から京都の物産展チェックは欠かせませんね。
今回はラクでしたよね。反面、豪華さに欠ける部分はあったかもしれないですね~。私はニザさまがいれば幸せなんですけど、笑
もうこれは今年も年末は京都で決定ですね!頑張って働きます。
お世話になりました。
年末は南座に行かないと年を越せない体になってしまいました。お金がたまる体質にもなれるとよいのですが…(爆)。
お互いがんばって働きましょう!
私が行った時は、お着物の方がいらっしゃる一方
普段着(シャカパンとかジャージ)の方もいらっしゃいました。
東京の劇場よりフリーな印象でした。
ワタシも来年は参りますよ~、襲名だし♪
一方、私の行った日は今年は1階席は訪問着クラスの方が多かったようで、1階席と3階席の差は、東京より大きい気がしました。来年、どの席で見るか、悩みます…(^^;)
菊五郎さん、私今まで1度くらいしか観ていないかも。今年はもう少し観られるといいなあ。
菊五郎丈、兼ねる役者で有名ですが、私としてはこのかたの演じる江戸前の男役が大好きなので、今回の蝙蝠安のような汚れ役?も、今後どんどん演じていただけるとうれしいなあ。機会があったらぜひご一緒に(^^)v